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猫は逃げた【レビュー】

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映画『猫は逃げた』⼭本奈⾐瑠

『愛がなんだ』『his』『街の上で』などを手掛けてきた今泉⼒哉監督と、数々のVシネマやピンク映画で監督を務めた城定秀夫が脚本を担当した本作。物語は、飼い猫をどちらが引き取るかを原因に離婚が先延ばしになっている夫婦、亜子(⼭本奈⾐瑠)と広重(毎熊克哉)を中心とした人間ドラマとなっています。それぞれの浮気相手も巻き込んで展開する群像劇はとても見応えがあり、自分の結婚観や恋愛観を見直すきっかけにもなると思います。
メインキャストを務める⼭本奈⾐瑠、毎熊克哉、⼿島実優、井之脇海は、一見どうしようもない4人の大人をどこか憎めない愛おしいキャラクターに見事に昇華させています。全体的には夫婦関係が中心の物語ですが、人間の脆さや危うさを感じるシーンも多いので、大人ならどこか心に響く部分が見つかりそうです。
客観的に観て、亜子と広重の間には夫婦関係を超越した愛や絆が感じられますが、本人達にその自覚がないからこそ離婚を考えているようにも見えます。同じようなことは現実でもあり得ることですし、改めて夫婦関係って難しいなと感じます。本作はそういった夫婦関係を振り返るのに最適な作品なので、自分に置き換えながら観るのもオススメです。

デート向き映画判定
映画『猫は逃げた』⼭本奈⾐瑠/毎熊克哉

大人の恋愛模様が描かれていてベッドシーンもあるので、初デートや付き合いたてのカップルにはちょっと刺激が強い気がします。大人のカップルなら敢えて一緒に観て結婚や夫婦について考えてみてはいかがでしょうか。本作の夫婦は2人共浮気をしていて離婚危機にある状況なので、同じようなことが起きないよう反面教師として観るのも良いと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『猫は逃げた』⼭本奈⾐瑠

R-15+で大人向けの作品なのでキッズは大きくなってから観てください。ティーンの場合も登場人物への共感は難しいかもしれませんが、人間ドラマとしては楽しめると思います。今は本作の夫婦関係にピンとこなかったとしても、大人になって観直すとまた違う発見がありそうです。

映画『猫は逃げた』⼭本奈⾐瑠/毎熊克哉/⼿島実優/井之脇海

『猫は逃げた』
2022年3月18日より全国順次公開
R-15+
SPOTTED PRODUCTIONS
公式サイト

©2021『猫は逃げた』フィルムパートナーズ

TEXT by Shamy

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