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ロザリー【レビュー】

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映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ

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自分で作った美しいドレスを身にまとったロザリー(ナディア・テレスキウィッツ)は、父(ギュスタヴ・ケルヴェン)に連れられて、田舎町でカフェを営むアベル(ブノワ・マジメル)のもとに嫁ぎます。ロザリーとアベルは初対面でお互いをよく知りません。それでも、ロザリーはアベルに気に入られ、子どもを持つことを望んでいます。ただ、ロザリーにはアベルに伝えていないことがありました。

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ/ブノワ・マジメル

この後、ロザリーがどんな日々を送るのかは本編でご覧いただくとして、本作を観ると、まず自分よりも夫のためにすべてを捧げるロザリーの心の広さと勇気、そして覚悟に驚かされます。ロザリーは、自分自身のコンプレックスと正面から向き合い、逆にそれを個性と捉えて生きる一歩を踏み出します。最初は夫のために払った犠牲とも受け取れるものの、結果的に彼女は彼女自身である意義を知っていきます。その姿を観ると、周囲が何といおうが、自分らしくあることが人間にとっていかに大切かを実感できます。

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ

映画公式資料によると、多毛症に悩むロザリーを主人公とする本作は、フランスに実在したヒゲを生やした女性、クレマンティーヌ・デレ(1865年3月5日〜1939年4月5日)に着想を得て生まれたとのことです。クレマンティーヌの存在だけが着想のもとかと思いきや、概ねの出来事もクレマンティーヌの半生に基づいているようです。

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ

クレマンティーヌが生きていた時代は今よりもっと男尊女卑が色濃くあった時代です。そう考えると余計に、クレマンティーヌがいかに大きな賭けに出たかが想像できます。本作では、クレマンティーヌが歩んだ道になぞらえて、ロザリーという主人公が愛を得られるのかという物語が描かれています。

人に拒否されながら生きる、否定されながら生きる辛さとはどんなものなのでしょうか。本作を観ていると、たった1人でも自分を愛する人がいてくれたらと願うロザリーの姿に心を打たれます。同時に、逆境に必死に耐え続け、表向きには天真爛漫に振る舞い、相手がどうであれ周囲には愛を与えるロザリーから勇気と大きな愛をもらえます。

デート向き映画判定

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ/ブノワ・マジメル

辛い展開もありつつ、出だしで躓いた2人が心を通わせられるのかどうかを観ると、丁寧に一歩ずつ関係を築いていく大切さを学べると思います。交際ホヤホヤのカップルはもちろん、馴れ合いになってしまったベテランカップル、険悪な状況に陥っているカップルなど、どんな2人にもオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ

珍しいことや、見たこと、聞いたこと、触れたことがないものに対して、人間は不安や恐れを感じます。でも、誰にでも人と違うところは必ずあります。お互いを知れば何てこともないはずが、理解をしようとすらしないままだからこそ、溝は開いたままになります。本作は、偏見がいかに愚かなことか客観視する機会を与えてくれます。

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ

『ロザリー』
2025年5月2日より全国公開
PG-12
クロックワークス
公式サイト

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© 2024 – TRÉSOR FILMS – GAUMONT – LAURENT DASSAULT ROND-POINT – ARTÉMIS

TEXT by Myson

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