REVIEW

ジョジョ・ラビット【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ジョジョ・ラビット』ローマン・グリフィン・デイビス/タイカ・ワイティティ

空想上の友人がヒトラーで、青少年集団ヒトラーユーゲントの立派な兵士になろうとしている少年が主人公と聞くと、「あれ?ナチス支持の映画なの?」と思う人もいるかも知れませんが、もちろんそうではありません。本作は、『マイティ・ソー バトルロワイヤル』でそのユーモアと実力を世界に知らしめたタイカ・ワイティティ監督作品で、監督自身マオリ系ユダヤ人として「ある程度の偏見を経験してきました」と公式資料で語っており、子どもの目を通して見た戦争とユダヤ人迫害を描いています。タイカ・ワイティティといえば、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』などコメディに強い監督のイメージがありますが、本作のような重いテーマでもユーモアを交えながら、温かくそして同時に厳しい視点を持って、歪んだ世界を映し出している点で、とても才能を感じます。純粋な子どもの心を大事にしつつ、大人が隠している事実をいつ、どう伝えれば良いのか、そんなことを考えさせられるストーリーです。本音と建て前って、大人の勝手な都合でしかありませんが、子どもはそれを純粋に受け取って一生懸命生きているんですよね。そのことを大人は忘れてはいけない!
キュートな子役ローマン・グリフィン・デイビスの名演に癒されつつ、後半は切ないシーンも増えていきます。でも、子どもが自分の力で現実と向き合い、「正義とは何か、本当の優しさとは何か」を考え生きていく姿を観て、大人のほうこそ学ぶべきことが多くあると実感できるはずです。スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェルの演技も見事で、胸にグッとくる作品となっています。さらにタイカ・ワイティティ監督が空想上のヒトラー役として出演していますので、そこにもご注目ください。

デート向き映画判定
映画『ジョジョ・ラビット』ローマン・グリフィン・デイビス/スカーレット・ヨハンソン/サム・ロックウェル

ロマンチックなストーリーではありませんが、こういう作品を一緒に観られる関係は素敵だと思います。命の危険を冒してでも守りたいものは何だろうと考えさせられるので、鑑賞後の会話から価値観が垣間見えると思います。初デートだとちょっと重いですが、何度かデートをした仲なら誘ってみても良いのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ジョジョ・ラビット』ローマン・グリフィン・デイビス/タイカ・ワイティティ

母と子の物語としても胸を打つ作品です。戦争は非常事態なので、戦時中は常識も異なります。その中で生きるために本心を偽って暮らさなければいけないこともあったと思います。でも、そんな状況の中でもいかに人間らしく、尊厳を捨てずに生きていくかが大事だということを、本作を観ると考えさせられると思います。親子でぜひ観て欲しい1作です。ジョジョとその友達のやり取りもカワイイし、その友情も素敵なので、友達同士で観るのも良いですよ。

映画『ジョジョ・ラビット』ローマン・グリフィン・デイビス/タイカ・ワイティティ//トーマシン・マッケンジー/サム・ロックウェル/レベル・ウィルソン

『ジョジョ・ラビット』
2020年1月17日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

TEXT by Myson

©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finance LLC

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ 映画好きが選んだ2025洋画ベスト

正式部員の皆さんに投票していただいた2025年洋画ベストの結果を発表!2025年の洋画ベストに輝いたのは!?

映画『災 劇場版』中島セナ 中島セナ【ギャラリー/出演作一覧】

2006年2月17日生まれ。東京都出身。

映画『超時空英雄伝エイリアノイド PART1』リュ・ジュンヨル/キム・ウビン/キム・テリ 超時空英雄伝エイリアノイド PART1【レビュー】

『10人の泥棒たち』『暗殺』のチェ・ドンフンが監督を務め、『パラサイト 半地下の家族』のCJ ENMが手掛ける本作は…

映画『クライム 101』クリス・ヘムズワース/マーク・ラファロ/バリー・コーガン/ハル・ベリー クライム 101【レビュー】

犯罪小説の巨匠、ドン・ウインズロウが書いた原作小説は、収録された短編集「クライム101」(「壊れた世界の者たちよ」から改題)が2020年10月に出版されると、映画化権を巡って…

映画『スペルマゲドン 精なる大冒険』 スペルマゲドン 精なる大冒険【レビュー】

思春期の少年のカラダの中で、“スペルマゲドン”の瞬間を待つ精子達の姿を描くという奇想天外なストーリーながら、大作系アニメーションの…

映画『レンタル・ファミリー』ブレンダン・フレイザー/ゴーマン シャノン 眞陽 レンタル・ファミリー【レビュー】

REVIEW『ザ・ホエール』で米アカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーが主…

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』ジョシュ・ハッチャーソン ジョシュ・ハッチャーソン【ギャラリー/出演作一覧】

1992年10月12日生まれ。アメリカ出身。

映画『ブゴニア』エマ・ストーン ブゴニア【レビュー】

それぞれに強烈な世界観を持つ作品を作り出してきたヨルゴス・ランティモスとアリ・アスターがタッグを組んだ本作は…

映画『たしかにあった幻』ヴィッキー・クリープス たしかにあった幻【レビュー】

フランス、パリから神戸にやってきたコリー(ヴィッキー・クリープス)を主人公とした本作では、コリーの目線を通して日本人の死生観が…

映画『禍禍女』南沙良 禍禍女【レビュー】

南沙良、前田旺志郎、アオイヤマダ、髙石あかり、鈴木福といった若手実力派が名を連ね、ゆりやんレトリィバァが初監督を務めた本作は、監督自身が経験した実際の恋愛を基に作られた…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『教皇選挙』レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ 映画好きが選んだ2025洋画ベスト

正式部員の皆さんに投票していただいた2025年洋画ベストの結果を発表!2025年の洋画ベストに輝いたのは!?

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集

REVIEW

  1. 映画『超時空英雄伝エイリアノイド PART1』リュ・ジュンヨル/キム・ウビン/キム・テリ
  2. 映画『クライム 101』クリス・ヘムズワース/マーク・ラファロ/バリー・コーガン/ハル・ベリー
  3. 映画『スペルマゲドン 精なる大冒険』
  4. 映画『レンタル・ファミリー』ブレンダン・フレイザー/ゴーマン シャノン 眞陽
  5. 映画『ブゴニア』エマ・ストーン

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP