REVIEW

ジュディ 虹の彼方に【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ジュディ 虹の彼方に』レネー・ゼルウィガー

2歳半で舞台デビューを果たし、13歳で映画会社MGMのオーディションに合格し、17歳で出演した『オズの魔法使い』で大ブレイクしたジュディ・ガーランド。彼女はスターであり続けるため、大人が作った“商品”としてのイメージに合うよう振る舞いますが、いつまでもそれは続きません。本作では、少女時代と47歳で亡くなる直前の様子が交互に写し出され、彼女の内面がどうやって壊れていったのかをイメージさせる物語になっています。劇中では、「まだ10代の子どもなのに、そんなことまでさせられてるの!」と驚愕してしまう過去や、母親として、女性として、スターとしての彼女のいろいろな一面が描かれ、それぞれの部分で自分自身でコントロールする術を得られないままに大人になってしまったジュディの苦悩が伝わってきます。彼女の半生は、正直「そりゃ、こんな状況で大人になったら壊れるわ」と思うほど壮絶で、観ていていたたまれない気持ちになりますが、その半面、スターとしてのオーラとプライドはなくさずにいる彼女がより一層眩しく見えます。この難しい役柄を演じ、数々のシーンで見事に歌い上げたレネーのスゴさもそういうところから実感します(レネーは本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞)。
愛を見失い、絶望の淵に立たされた彼女がすべてを受け入れてステージに立ったクライマックスのシーンでは、鳥肌が立つほどの感動が待っています。このシーンに、彼女が生きてきた意味がギュッと詰まっているように思えると同時に、犠牲にしてきたものの大きさも思うと、何と表現したら良いかわからない感情が襲ってきます。とにかく、いち女性として、いち映画ファンとして観る者にとって、いろいろな感情をもたらしてくれる作品です。

デート向き映画判定
映画『ジュディ 虹の彼方に』レネー・ゼルウィガー/マイケル・ガンボン

女性のほうが共感ポイントは多いとは思いますが、映画ファンの男性なら、ジュディ・ガーランドという女優さんの名前は聞いたことがあると思うので、2人とも興味があればデートで観るのもアリだと思います。男女関係の描写に関しては、かなり現実的な場面が多いですが、私達に身近なシチュエーションではないので、自分達にオーバーラップして気まずいということはないでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ジュディ 虹の彼方に』レネー・ゼルウィガー

若い頃はスターになりたい、人気者になりたいと思う人もいるでしょう。でも、スターが表に出しているのは、皆(ファン)が観たいところだけなのかも知れないことが本作を観ればわかります。有名な人や憧れの的になっている人は皆幸せに見えるかも知れませんが、裏で相当な努力をしていたり、苦しい思いをしていたりする事実を、本作で知るのはとても有意義だと思います。

映画『ジュディ 虹の彼方に』レネー・ゼルウィガー

『ジュディ 虹の彼方に』
2020年3月6日より全国公開
ギャガ
公式サイト

© Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』織田裕二 踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!【レビュー】

『踊る大捜査線』は1997年に連続ドラマとして放送が開始され、「これまでに公開された映画シリーズ8作品の累計動員数は3863万人、累計興行収入は524.1億円.。映画第2弾『踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)は、興行収入173.5億円を記録」した…

映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ 私たちは、ちょうどいい。【レビュー】

普段極力前情報を入れずに観るので、本作の背景も知りませんでした。だから、とてもイイ話だなとウルウルしてたら、最後に…

映画『ナイトボーン -夜哭-』セイディ・ハーラ セイディ・ハーラ【ギャラリー/出演作一覧】

1984年1月1日生まれ。フィンランド・キルッコヌンミ出身。

映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春 さとこはいつも【レビュー】

沖田修一監督作特有の甘塩っぱい世界観がたまらない1作…

映画『ブルーロック』高橋文哉 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年8月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年8月】のアクセスランキングを発表!

映画『ワンオペレーション』ローズ・バーン ワンオペレーション【レビュー】

観ているだけで、主人公リンダ(ローズ・バーン)の半端ない疲労感が生々しく伝わってくる作品です…

映画『白鳥とコウモリ』風吹ジュン 風吹ジュン【ギャラリー/出演作一覧】

1952年5月12日生まれ。富山県出身。

映画『八つ墓村』尾上松也 八つ墓村【レビュー】

シリーズ累計発行部数5500万部を超える、横溝正史のベストセラー「八つ墓村」は…

映画『顔 -かお-』シン・ヒョンビン ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】あの映画がおもしろいと思う本当の理由『ドラマなふたり』『顔 -かお-』『ナイトボーン -夜哭-』など

今回取り上げた映画は、『5秒で完全犯罪を生成する方法』『ドラマなふたり』『オークストリートの異変』『顔 -かお-』『ナイトボーン -夜哭-』です。

映画『ヒンド・ラジャブの声』 ヒンド・ラジャブの声【レビュー】

2024年1月29日、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区ラマッラーにある人道支援組織「赤新月社」の緊急通報センターでは、スタッフ達が6歳の少女ヒンド・ラジャブを救出するために力を尽くしました…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!
  2. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  3. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』織田裕二
  2. 映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ
  3. 映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春
  4. 映画『ブルーロック』高橋文哉
  5. 映画『ワンオペレーション』ローズ・バーン

PRESENT

  1. ドラマ『幸せカナコの殺し屋生活2』のん/藤ヶ谷太輔
  2. 実写映画『ルックバック』出口夏希/蒔田彩珠
  3. 映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ
PAGE TOP