REVIEW
『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨン監督が手掛けた本作は、超大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』(2004)が持つ韓国での観客動員数記録を塗り替え、260万人を突破する記録的大ヒットを飛ばしました。

物語は、モノクロで映されたシーンから始まります。タクシーで空港へ向かう男性と、女性の様子がそれぞれ映され、2人は飛行機の中で顔を合わせます。この2人が今どういう関係にあるのかが明かされないまま、物語の舞台は、2008年夏のソウルから始まるストーリーと現在を行ったり来たりしながら進んでいきます。

本作をあらすじも知らずに観ると、現在の2人の様子がとても謎めいて見えて、過去の2人の関係の複雑さから、一層予想ができない展開として楽しめます。なので、ここでも具体的には書かずにおきます。

本作で描かれる、恋愛の分かれ道には普遍性があり、とても生々しく映ります。2人の運命をポジティブにとるのか、ネガティブにとるのかも、観る方によって分かれそうです。個人的には、“ああいう局面”に遭遇した時、静かに待てるか否かは当人同士のその時の状況で異なるし、待ち方(本当に待つか、離れてみて流れに身を任せる意味も含めて待つか)も人によって異なるので、正解はないと思います。

ただ、1度の出来事だけが決定打ではなく、日々の積み重ねがあっての決断なのであって、そのほころびに気づいているかそうでないか、そしてほころびが小さいのか既に大きくなっているのかという感覚の違いも、恋愛関係に影響を与えるのではないかと思います。
個人的には『花束みたいな恋をした』に共通する部分を感じました。本作は映画として割り切って楽しむのもよし、1種の恋愛教科書として楽しむもよしの1作です。
デート向き映画判定

ロマンチックだし、カップルなら共感できる内容ではあるものの、自分達の未来について余計な心配をしてしまう可能性もあります。登場人物のさまざまな状況の中で自分がリンクする部分があれば、1人でじっくり自分の本心と向き合う機会にもなるので、1人で観るか、仲の良い友達と観るほうが良さそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

皆さんの中には、大学生時代のウノ(ク・ギョファン)とジョンウォン(ムン・ガヨン)と似たような状況にある方、同じ経験を既にした方もいるのではないでしょうか。将来の仕事に迷い、恋愛に迷う姿は、皆さんにとって身近に思えるところがありそうです。ストーリーとは別に、自分にとって何が正解かを想像するきっかけになる部分があるので、恋愛観にも刺激を受けるかもしれません。

『サヨナラの引力』
2026年7月3日より全国公開
日活、KDDI
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2026年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。






























