REVIEW
パク・チャヌク監督作ということで、皮肉が効いているだろうと予測はしていたものの、人生の絶頂期からどん底まで堕ちていく人間を描いている点で、最初から想像以上に皮肉まみれのストーリーとなっています。観てみると『パラサイト 半地下の家族』の味がしたので、公式サイトを確認すると、やっぱり『パラサイト 半地下の家族』を手掛けたCJ ENMスタジオが製作を担っているとのことで納得です。

製紙会社に25年間務め、妻と2人の子ども、2匹の犬に囲まれて大きな家に暮らすユ・マンス(イ・ビョンホン)は、すべてを手に入れた幸福感に包まれていました。でも、そんな矢先、マンスは突然リストラされてしまいます。数ヶ月で再就職できるつもりでいたものの、なかなか採用されず、家計は火の車に。そこへ、製紙会社の面接が舞い込み、マンスは自分の得意分野のポストを何としてでも手に入れようと、狂気的な行動を実行します。

狂気の沙汰が描かれているので、スリリングではあるものの、コミカルなシーンもふんだんにあり、メリハリが効いています。イ・ビョンホン、イ・ソンミン、ヨム・ヘランの3人によるとあるシーンは、緊張感が走ると同時にやり取りがあまりに滑稽でかなり笑えます。このシーンだけでもリピートして何度も観たくなるくらい、3人の掛け合いが最高です(笑)。

イ・ビョンホンが演じるマンスとソン・イェジンが演じるイ・ミリの夫婦の掛け合いもユニークです。夫婦の生々しいやり取りは時に笑いを誘いつつ、時に現実を突きつけます。また、ずっと変わらずカワイイ、ソン・イェジンの姿を観るのも眼福です。

主人公マンスの言動はあまりにもクレイジーで、冷静に考えるとあり得ません。ただ、本作を観ていると、一旦すべてを手に入れてしまった人間にとっては、あらゆるものを手放す怖さのほうが勝ってしまうのかもしれないと実感します。倫理観、道徳観が破綻しているマンスは、資本主義社会で大量生産された人間を象徴しているように映ります。パク・チャヌク監督、イ・ビョンホンをはじめとする俳優陣の手腕が光るシニカルな本作鑑賞を機に、現代社会の闇に目を向けてみてください。
デート向き映画判定

複数の夫婦のややこしい裏事情が出てくるので、パートナーに対して何かしらやましいことを隠している場合は、デートで観ると気まずくなりそうです。健全な交際をしている自信がある場合は、気持ちに余裕を持って一緒に楽しめるでしょう(笑)。ただし、どんなに仲の良い夫婦でも、ずっと安泰とは限らない現実を目の当たりにすることになるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

マンスには子どもが2人いるので、子ども目線で親達のあがきを観る方もいるでしょう。親の就職事情が子ども達の生活にも直結してくるので、意外に生々しい感覚で観られる部分もあると思います。親の保護下にあるうちは従うしかないものの、将来の金銭感覚や仕事観、そして何より倫理観、道徳観を保つために反面教師として観るのも良さそうです。

『しあわせな選択』
2026年3月6日より全国公開
PG-12
キノフィルムズ
公式サイト
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TEXT by Myson
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