REVIEW

新聞記者

  • follow us in feedly
  • RSS

なぜこの時代に“新聞”をテーマにしているのかという点で、情報の精度についていろいろと考えさせられます。フェイクニュースが溢れ、誰かの憶測だけでもすぐに不明瞭な情報が広まってしまうネットと違い、新聞記事は、徹底的に裏を取らないと載せられず、紙に刷られるまでに情報が吟味される媒体であるからこその重みがあります。同時に、時間をかけているからこそ、記事になる前に権力者や外部からの圧力、影響を受けてしまうという事情もあり、そういう状況の中で、私達は知るべき世の中の事実を果たしてどこまで正しく受け取っているのかという問題を、この映画から投げかけられます。ここ数年、実際にあったニュースを彷彿とさせる問題が取り上げられている点でも身近に感じるストーリーで、シチュエーションは違っても、組織の一員である人なら誰にでも起こりそうな出来事を描いており、終始リアルな緊迫感が味わえます。日本だけではなく、どんな国でも政治とメディアの間にはこういう事情がありそうで、それは私達の想像以上に根深いものだと推察できます。情報というものは、扱い方によっては、受け取る側だけでなく、扱う側の人々の心も蝕んでいると痛感できる内容なので、ふだん何気なく受け取っている情報の重みも実感できるでしょう。
新聞記者を演じるシム・ウンギョン、内閣情報調査室で働く公務員を演じる松坂桃李の2人の演技が本当に素晴らしく、キャラクターの苦悩がすごくリアルに伝わってきます。この映画が少しでも、国民の心を動かし、政府の目を覚ますきっかけとなれば良いなと願います。

デート向き映画判定
映画『新聞記者』松坂桃李

松坂桃李が演じるキャラクターは、家族を守りたい思いと、正義を果たしたいという思いで揺れ動きます。同じく、高橋和也が演じるキャラクターも、同じようなシチュエーションで辛い経験をした人物として描かれているので、カップルで観ると、パートナーとしてこういった問題にどう立ち向かうのか考えるきっかけにできるでしょう。重い内容なのでウキウキしたムードで過ごしたいデートの日にはオススメしませんが、お互いの価値観を知りたいと思っているなら、精神的に健康な時に一緒に観てください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『新聞記者』シム・ウンギョン/松坂桃李

若い皆さんはネットでニュースを見るのが当たり前で、新聞を読む人は少ないと思いますが、だからこそ敢えて本作を観て、情報の重みを感じてもらえたら嬉しいです。情報は、人の役に立つこともあれば、人を傷つけたり、操ったりするものでもあるということを本作から知ることができます。情報がどこから出ているものだとしても、すべてが正しいとは限りません。受け取った情報は、個々に自分自身で吟味する必要があることも実感できると思います。

映画『新聞記者』シム・ウンギョン/松坂桃李

『新聞記者』
2019年6月28日より全国公開
スターサンズ、イオンエンターテイメント
公式サイト

© 2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『総理の夫』田中圭/中谷美紀 総理の夫

政治家とその家族からは、政界がどう映っているのかを知ることができ…

映画『Mr.ノーバディ』ボブ・オデンカーク ボブ・オデンカーク

1962年10月22日、アメリカ生まれ。俳優、コメディアン、放送作家、映画監督、脚本家として幅広く活躍中。2009年からスタートした…

映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』​ファン・スクリーニング・イベント、トム・ハーディ、アンディ・サーキス監督 ​トム・ハーディ&アンディ・サーキス監督が登場!『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』世界最初の​ファン・スクリーニング・イベント開催

トム・ハーディ主演の映画『ヴェノム』の続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が、2021年に劇場公開!このたび、ロンドンにて世界最初の​ファン・スクリーニング・イベントが行われ、会場に​トム・ハーディとアンディ・サーキス監督、さらにトムの愛犬ブルーも登場しました。

映画『空白』古田新太/松坂桃李 空白

初期の宣伝では、古田新太が演じる主人公の狂気が前面に出されていたこともあり、観る前のイメージとは…

映画『グリーンランドー地球最後の2日間ー』スコット・グレン スコット・グレン

1941年1月26日アメリカ生まれ。1980年に『アーバン・カウボーイ』で注目され…

映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』“無事なる三匹プラスワンコロナ死闘篇”メイキング、山下敦弘監督 『MIRRORLIAR FILMS Season1』山下敦弘監督インタビュー

今回は『MIRRORLIAR FILMS Season1』で、“無事なる三匹プラスワンコロナ死闘篇”のメガホンをとった山下敦弘監督にリモートでお話を伺いました。長編映画も手掛ける監督に短編の好きな点やフィルム撮影の良さ、この10年間での映画業界の変化について聞いてみました。

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』ベネディクト・カンバーバッチ/メラーブ・ニニッゼ クーリエ:最高機密の運び屋

本作は、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた知られざる実話を基に、核戦争回避のために命を懸けた男達の葛藤と決断をスリリングに描いた…

映画『テーラー 人生の仕立て屋』ディミトリス・イメロス ディミトリス・イメロス

1967年6月12日ギリシャ、アテネ生まれ。ギリシャの演劇学校とロシア舞台芸術アカデミーで演劇を学ぶ。2001年から…

映画『MINAMATA―ミナマター』ジョニー・デップ MINAMATA―ミナマター

広辞苑によると、水俣病とは有機水銀中毒による神経疾患で、四肢の感覚障害、運動失調、言語障害、視野狭窄、震えなどをおこし…

映画『ブラックバード 家族が家族であるうちに』スーザン・サランドン/サム・ニール サム・ニール

1947年9月14日イギリス、北アイルランド生まれ。1993年のスティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒット作『ジュラシック・パーク』で…

部活・イベント

  1. Pixabayによる写真:3人女性おしゃべりイメージ
  2. MOPIE PARK(ムーピー・パーク)zoom開催イメージ
  3. 映画『映画 太陽の子』柳楽優弥/有村架純/三浦春馬
  4. 映画『まともじゃないのは君も一緒』成田凌/清原果耶
  5. 映画『映画 えんとつ町のプペル』原作:西野亮廣

おすすめ記事

Pixabayによる写真:3人女性おしゃべりイメージ 好きな★☆を語ろう!トーキョー女子映画部“交流会”参加者募集

この度、皆さんからのご要望が多かった“交流会”を開催することにしました。この“交流会”は作品鑑賞はせずに自由に会話していただく機会として実施します。

映画『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』ダン・スティーヴンス/レスリー・マン/アイラ・フィッシャー 好きな人が付き合っていた人ってどんな存在?『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』アンケート特集

驚異の2000回上演を果たしたノエル・カワードの名作戯曲「陽気な幽霊」を原案とし、『ダウントン・アビー』のスタッフとキャストが作った本作。今回は副題にある「夫をシェアしたくはありません!」というテーマにそったアンケートを実施し、映画好きの皆さんの本音を調査しました。

映画『真夜中の五分前』三浦春馬/リウ・シーシー(中国) 映画好き女子が“もう一度、映画館で観たい”映画特集4:ドラマ、サスペンス、ホラー編

本特集はついに最終回!今回は、ドラマ、サスペンス、ホラー編を紹介します。

映画『映画 太陽の子』柳楽優弥/有村架純/三浦春馬 今の私達と変わらない若者達の本音に共感『映画 太陽の子』部活リポート

今回は、太平洋戦争末期に行われていたとされる“F研究”と呼ばれる日本の原爆開発の事実を基に、その研究に関わった若者達やその家族達の葛藤を描いた青春群像劇『映画 太陽の子』を観て、座談会を行いました。当時の若者達がどんなことを思っていたのか、本心はどうだったのかと想像しながら、自分達ならどうしていたか、いろいろな視点で語っていただきました。

映画『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』ベン・スティラー/ロビン・ウィリアムズ/ベン・キングズレー他 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画恋愛、コメディ、ドラマ、クライム編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズ、恋愛、コメディ、ドラマ、クライム編(アニメーションを除く)についてアンケートを実施し、ランキングを出しました。映画好き女子による思い入れあるコメントにも注目です!

映画『レイダース失われたアーク《聖櫃》』ハリソン・フォード あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インディ・ジョーンズ』

「勝手にキャスティング企画!」第5弾は、『インディ・ジョーンズ』。ハリソン・フォードが演じたインディ・ジョーンズ役、ショーン・コネリーが演じたヘンリー・ジョーンズ(インディの父親)役を新たに演じるとしたら誰が良いか挙げていただきました。

映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』ビル・スカルスガルド 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画ホラー、スリラー、サスペンス、ダークファンタジー編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズ、ホラー、スリラー、サスペンス、ダークファンタジーについてアンケートを実施し、ランキングを出しました。ぜひ参考にしてみてください!

映画『インターステラー』マシュー・マコノヒー 映画好き女子が“もう一度、映画館で観たい”映画特集3:SF&ファンタジー編

今回は、SF&ファンタジー編!迫力あるシーンや美しい映像がたくさん登場するSF&ファンタジー作品ですが、今回はどんな作品が挙がったのでしょうか?

映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』トム・クルーズ 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画アクション編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズアクション編(アニメーションを除く)についてアンケートを実施し、ランキングを出しました。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』マイケル・J・フォックス/クリストファー・ロイド 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画SF&ファンタジー&アドベンチャー編”

映画好き女子がシリーズ作品をどれくらい観ているのかという観点から、映画好きとして観ておきたい作品を検証。今回は、洋画のシリーズもので、SF、ファンタジー、アドベンチャー作品についてアンケートを実施し、ランキングを出しました。

REVIEW

  1. 映画『総理の夫』田中圭/中谷美紀
    総理の夫

  2. 映画『空白』古田新太/松坂桃李
    空白

  3. 映画『クーリエ:最高機密の運び屋』ベネディクト・カンバーバッチ/メラーブ・ニニッゼ
  4. 映画『MINAMATA―ミナマター』ジョニー・デップ
  5. 映画『スイング・ステート』スティーヴ・カレル
  6. 映画『アイダよ、何処へ?』ヤスナ・ジュリチッチ
  7. 映画『レミニセンス』ヒュー・ジャックマン
  8. 映画『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』ダン・スティーヴンス/レスリー・マン/アイラ・フィッシャー/ジュディ・デンチ
  9. 映画『スパイラル:ソウ オールリセット』クリス・ロック
  10. 映画『先生、 私の隣に座っていただけませんか?』黒木華/柄本佑
PAGE TOP