REVIEW

スイング・ステート

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『スイング・ステート』スティーヴ・カレル

スイング・ステートとは選挙の激戦州のことで、本作は架空の小さな町、ディアラケンを舞台に、アメリカの民主党と共和党の代理戦争ともいうべき選挙の表と裏を描いています。一見スティーヴ・カレルが演じる選挙参謀ゲイリーと、ローズ・バーンが演じるフェイスの知恵比べのようなストーリーですが、それだけで終わらないのが本作の魅力。ネタバレになるので書きませんが、クライマックスで明かされる真相にニンマリすると同時に、思わぬ政治の穴に気付かされハッとさせられます。
そして、選挙は誰のためにあるのかを改めて考えさせられる一方で、スティーヴ・カレルとローズ・バーンのやり取りがコミカルに描かれていて、誇張されているにしても、こんなバカバカしいことが人々の生活や未来の行く末を決める選挙で行われているのだろうという皮肉がたっぷり効いています。政治の問題は万国共通です。本作はエンタテインメントとしておもしろい上に勉強にもなる内容なので、こういった作品をきっかけに日本でも政治への関心が少しでも高まれば良いなと思います。

デート向き映画判定
映画『スイング・ステート』スティーヴ・カレル/ローズ・バーン

ちょいちょい下ネタが出てくるので、ウブなカップルは敏感に反応してしまうと気まずいかもしれません。ラブストーリーというか、いろいろな意味での男女の駆け引きは出てきて、ロマンチックなムードになるようなタイプの映画ではありません。ただ、映画そのものは軽快でコミカルなので、多少の下ネタは大丈夫というカップルはデートで観るのも良いのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『スイング・ステート』スティーヴ・カレル/マッケンジー・デイヴィス

小学生にはまだ難しい部分もありそうですが、中学生以上の皆さんは社会勉強にもなるのでぜひ観て欲しいと思います。下品な下ネタが出てくるところは、さらっと笑い飛ばして、政治の仕組みなどに注目して観るとおもしろいです。国によって法律が異なる部分もありますが、いろいろな人にとっての選挙の意味を知るきっかけになるでしょう。

映画『スイング・ステート』スティーヴ・カレル/クリス・クーパー/マッケンジー・デイヴィス/トファー・グレイス/ナターシャ・リオン/ローズ・バーン

『スイング・ステート』
2021年9月17日より全国公開
パルコ、ユニバーサル映画
公式サイト

©2020 Focus Features, LLC.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP