REVIEW
旧約聖書「サムエル記」に基づき作られた本作は、イスラエルの王となるダビデを主人公とした物語です。かなりシンプルなストーリーとなっていて、主要なキャラクターも限られているので、子どもでも観やすいでしょう。

ある日、預言者サムエルが、“将来の王”として神に選ばれた羊飼いの少年ダビデのもとにやってきます。ただ、現王サウルに知られると命を狙われかねないため、ダビデと家族はサムエルの預言を秘密にしています。そんななか、ダビデはあることがきっかけで城に連れて行かれます。

ダビデには王になりたいという野心がない一方で、神を信じ抜く気持ちが人一倍あります。そして、相手がライオンだろうと、巨体の戦士ゴリアト(ゴリヤテ)だろうと怖じ気づくことなく、立ち向かう勇気があります。利己主義が横行する弱肉強食の現代において、そんなダビデの振るまいを観ると癒されます。

また、ミュージカルとして作られているので観やすい上に、特にダビデの歌声がとても聞き心地が良いです。少年時代のダビデの声を担当しているブランドン・エングマンは、俳優としても活躍しながら、アメリカ版『天気の子』の主人公や、『夜明け告げるルーのうた』『竜とそばかすの姫』などで声優を務めた実績があります。大人になったダビデの声を務めるフィル・ウィッカムは、「グラミー賞®にノミネートされ、ダヴ・アワードを受賞したモダン・ワーシップ・アーティストであり、その楽曲は世界中の教会で歌われている」そうです。

同じダビデを主人公とした作品では、実写海外ドラマの『ハウス・オブ・ダビデ』もあります。『ハウス・オブ・ダビデ』は連続ドラマだけあって、人間関係が複雑で、各キャラクターの設定も異なります。『ハウス・オブ・ダビデ』がドロドロしているのに対して、本作は比較的爽やかな雰囲気が印象的です。ダビデの物語は諸説あり、モチーフとした作品も複数あります。比較してみるのもおもしろいです。
デート向き映画判定

正直なところ、日本人にとっては興味がある方とそうでない方に分かれるジャンルだと思います。一方で、本作を観ていると、近年の不安定な世界情勢に紐づけて思うところがいろいろ出てきます。2人とも社会情勢に興味があるなら、議論のし甲斐がありそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

ダビデはキリスト教のルーツを知る上で重要な人物の1人です。歴史の勉強が苦手な方でも、アニメで観るとハードルが下がるのではないでしょうか。宗教史のうちの一つの説を知るきっかけに観てみるのもアリでしょう。キリスト教の歴史は、国と国の関係など政治にも及んでいくので、社会科の勉強になります。

『ダビデ ~王になった少年~』
2026年11月6日より全国公開
ハーク
公式サイト
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TEXT by Myson
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