REVIEW

私をくいとめて

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『私をくいとめて』のん/林遣都

31歳のみつ子(のん)の日常を通して描かれる職場での悩み、恋愛の悩みは普遍的で、世の女性は何かしら共感ポイントを見つけられると思います。みつ子は自分の頭の中のAと会話を繰り広げますが、日常のつぶやきから心の奥にあるダークな部分の吐露まであって、1人の女性がいかにいろいろな経験をし、それが彼女の行動にどう反映されているかがわかります。具体的に彼女がどんな経験をしてきたかは映画で観て頂くとして、31歳にもなれば嫌な事もそれなりに経験してきているので、トラウマになっていることがあったり、慎重になってしまう部分があったりと、アラサー女子のリアルな姿が描かれています。彼女の恋愛の行方にワクワクするだけでなく、胸が締め付けられるような感覚もリアルに体感できて、余計に感情移入しやすいでしょう。
そんな彼女から観て、先輩女子達がどう映っているのかも描かれていて、アラサーを卒業した女性にも興味深く観られると思います。同時に、先輩女子達が逞しく生きる姿はアラサー女子に希望を与えてくれる存在となっていることも伝わってきます。特に臼田あさ美が演じるノゾミさんとカーター(若林拓也)が良い味を出していて、彼等のやり取りにはツッコミを入れたくなりつつ微笑ましくて、肩の力を抜かせてくれます。
皐月(橋本愛)との友人関係も女子あるあるで、女性の人生がバラエティに富んでいて、だからこそ分かれ道が多いことを実感させられます。女子のわちゃわちゃしたやり取りにすごく親近感が湧いて観ていて楽しいだけでなく、何かに傷付いているのに自分をごまかしながらも不器用に生き、でも妥協しない主人公の姿に希望をもらえるストーリーです。

デート向き映画判定
映画『私をくいとめて』のん/林遣都

「私達のこの状況ってどんな関係?」「その態度、言葉は、本当はどういう意味?」という友達以上恋人未満の関係でよくあるシチュエーションが満載なので、恋愛関係に近づく一歩を踏み出せない人にとても参考になると思います。本作を観て1人で考えて頭の中を整理するのもアリですが、いっそのこと相手を誘って、ズバリ心の内を聞いてみるきっかけにするのも良いでしょう。交際中のカップルは、「こんな時もあったね」と思い出話に華を咲かせながら、初心に戻る良い機会にできると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『私をくいとめて』のん/臼田あさ美

キッズやティーンの皆さんからすると、大人がなぜそんなに恋愛に足踏みするのかがピンとこない部分もあると思いますが、客観的に大人の頭の中ってこんなんなんだと逆に興味深く観られるかもしれません。でも、大人か子どもかに関わらない恋愛あるある要素も描かれているので、構えずに気楽に観て欲しいと思います。「大人は大変そうだけど、大人なりの生活もおもしろそうだな」と思ってもらえると嬉しいです。

映画『私をくいとめて』のん/林遣都

『私をくいとめて』
2020年12月18日より全国公開
日活
公式サイト

©2020『私をくいとめて』製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』ロムニック・サルメンタ/イライジャ・カンラス アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス【レビュー】

怖い!巧い!物語の舞台はレストランの一席、ほぼ2人の登場人物で展開される会話劇で、ここまでスリリングな作品に仕立て上げるとは…

映画『恋愛裁判』唐田えりか 唐田えりか【ギャラリー/出演作一覧】

1997年9月19日生まれ。千葉県出身。

映画『グッドワン』リリー・コリアス 利口な子どもに甘える大人『グッドワン』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は、父と娘、父の友人の3人で出かけたキャンプでの様子を描く『グッドワン』を取り上げ、娘サム、父クリスと、その友人マットそれぞれの視点でどんな思考が働いていたかを想像してみます。

映画『モディリアーニ!』リッカルド・スカマルチョ モディリアーニ!【レビュー】

35歳の若さで亡くなったイタリア人の芸術家アメデオ・モディリアーニの人生を変えた3日間を描く本作では、ジョニー・デップが『ブレイブ』(1997)以来約30年ぶりに監督を務めました…

映画『28年後... 白骨の神殿』ジャック・オコンネル/レイフ・ファインズ 28年後… 白骨の神殿【レビュー】

おもしろすぎる!テーマが深い上に、遊び心もちゃんとあって、観賞中はテンション爆上がり…

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ ジョン・チョウ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年6月16日生まれ。韓国出身。アメリカ、ロサンゼルス育ち。

映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』南沙良/出口夏希/吉田美月喜 万事快調〈オール・グリーンズ〉【レビュー】

原作者の波木銅は、現役大学生だった21歳の時に、同名小説で松本清張賞を受賞…

映画『長安のライチ』ダーポン(大鵬)/テレンス・ラウ(劉俊謙) 長安のライチ【レビュー】

REVIEW『熱烈』で監督・脚本を務めたダーポン(大鵬/ダー・ポンと表記される場合もある)…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ヒュー・ボネヴィル/ローラ・カーマイケル/ジム・カーター/ラケル・キャシディ/ブレンダン・コイル/ミシェル・ドッカリー/ケヴィン・ドイル/マイケル・フォックス/ジョアン・フロガット/ハリー・ハッデン=パトン/ロブ・ジェームズ=コリアー/アレン・リーチ/フィリス・ローガン/エリザベス・マクガヴァン/ソフィー・マックシェラ/レスリー・ニコル/ダグラス・リース/ペネロープ・ウィルトン ダウントン・アビー/グランドフィナーレ【レビュー】

テレビシリーズ、映画版と全部観てきた者として、15年の歴史を振り返ると、感慨深いものがあります…

映画『恋愛裁判』齊藤京子 恋愛裁判【レビュー】

アイドルは恋愛禁止という風潮が社会に浸透しているなか、改めて本作はその是非を問います…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 昨日よりちょっと賢く生きるための【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  2. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  3. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン

REVIEW

  1. 映画『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』ロムニック・サルメンタ/イライジャ・カンラス
  2. 映画『モディリアーニ!』リッカルド・スカマルチョ
  3. 映画『28年後... 白骨の神殿』ジャック・オコンネル/レイフ・ファインズ
  4. 映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』南沙良/出口夏希/吉田美月喜
  5. 映画『長安のライチ』ダーポン(大鵬)/テレンス・ラウ(劉俊謙)

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
PAGE TOP