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夜明けの詩【レビュー】

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映画『夜明けの詩』ヨン・ウジン/イ・ジウン(IU)

イギリスからソウルへ7年ぶりに帰国してきたチャンソク(ヨン・ウジン)が、さまざまな人物と出会い、自分自身とも向き合う姿が描かれた本作。特別大きな展開はなく、チャンソクがいろいろな場所を訪れ、そこで出会った人と会話を交わす場面が続きます。でも、全編を通して各登場人物の心情が伝わってきて、誰にでもどこか共感できる部分があると思います。
そして、どのシーンも美しく、見とれてしまいます。その美しく静かな世界観の中で主人公達の会話が際立ち、とても心地良く感じます。監督は、韓国版 『ジョゼと虎と魚たち』のキム・ジョングァンが務めており、本作の世界観を見事に作り上げています。キャストは、主人公のチャンソクをヨン・ウジンが演じる他、イ・ジウン(IU)、キム・サンホ、イ・ジュヨン、ユン・ヘリが脇を支えています。キャラクターごとに焦点を当てたシーンが登場し、オムニバスのような感覚を楽しめるのも本作の魅力の1つです。個人的にはチャンソクとカメラマン(キム・サンホ)が久しぶりに再会を果たし、ある会話を交わす場面が特に心に残りました。
静かな会話の中で意外と生と死について考えさせられる場面もあり、観る人の環境や立場によって受け取り方はさまざまだと思います。しっとりとした余韻の残る作品なので、1人で観て鑑賞後もその余韻をじっくり味わうのもオススメです。

デート向き映画判定
映画『夜明けの詩』ヨン・ウジン/イ・ジウン(IU)

大きな展開がなく会話を中心に物語が展開するので、どちらかというと映画好きや付き合いの長いカップル向けの作品だと思います。恋愛要素はほとんどないものの、各登場人物の置かれた状況や心情を知ることで、自分達の関係を振り返るきっかけになるのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『夜明けの詩』ヨン・ウジン

会話シーンが続くのである程度集中力が必要な作品です。ティーンなら問題なく集中して観られると思うので、チャンソクと各登場人物との会話に耳を傾けながら、自分なりにそれぞれの人物を観察してみてください。もし今は理解できない部分があったとしても、大人になってから観返すとまた違う発見がありそうです。

映画『夜明けの詩』ヨン・ウジン/イ・ジウン(IU)

『夜明けの詩』
2022年11月25日より全国公開
シンカ
公式サイト

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TEXT by Shamy

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