秋田汐梨さんと池田匡志さんがW主演を務める本作は、累計発行部数30万部を突破した三つ葉優雨の人気コミック「share」を原作としています。そこで、原作がある作品の役作り、女子高生とゲイの青年の“特別な関係”を演じみて発見したこと、お2人がどんな高校生だったかなど、いろいろな観点からお話を聞きました。
<PROFILE>
秋田汐梨(あきた しおり):日下はる 役
2003年3月19日生まれ、京都府出身。近年の主な出演作にテレビドラマ『ふったらどしゃぶり』『トーキョーカモフラージュアワー』『私の彼が姉の夫になった理由』『今日もカレーですか?』(全て2025)や、Netflixオリジナルシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』(2024)『匿名の恋人たち』(2025)など多数のドラマに出演。映画『惑星ラブソング』(2025)ではヒロインを務めた。
池田匡志(いけだ まさし):藤原理央 役
1999年12月13日生まれ、徳島県出身。『王様戦隊キングオージャー』(2023)、『買われた男』(2024)、『私の彼が姉の夫になった理由』(2025)、『本命じゃなきゃよかったのに』(2026)など、多数のテレビドラマ出演に加え、映画や舞台でも活躍中。2026年10月には、日本テレビ系にて『俺たちの箱根駅伝』(乃木圭介役)が放送予定。2025年12月12日には、『池田匡志1st写真集 Temptation』(KADOKAWA)をリリースした。
演者がその場で感じた「生の感情」を大切にしたい

マイソン:
第1話を拝見して、最後がとても気になる展開でした。原作を未読の状態で純粋に楽しませていただいたのですが、お2人は脚本を読んだ際、どのような印象を持ちましたか?
秋田汐梨さん:
純粋におもしろいなと感じました。綺麗な空気が流れているような世界観があり、でも、単に綺麗なだけではなく、心情や繊細なものがリアルに描かれているなと思いました。「この先どうなってしまうんだろう」と想像をかき立てられ、切なくなるような感覚もあって。私は脚本を読み進める前に展開を想像して悲しくなってしまいましたね。いろいろな展開に惹き込まれました。
池田匡志さん:
とても切ない物語ですよね。2人の恋の形が新しく、今の時代だからこそあり得る関係性だと感じました。ただ、その形を決めつけたり説明したりするわけではなく、2人だけの曖昧な関係が漂っていて、それが本当にもどかしく、おもしろいなと思いました。
マイソン:
リアルな部分があるからこそ、先が気になりますよね。最初に「僕を恋愛対象として見ないで」と言っておきながら、1話の最後で「何をするんだ!?」ってビックリしました(笑)。
秋田汐梨さん・池田匡志さん:
本当にそうですよね!
マイソン:
切ない展開が予想されますが、もしお2人がいち視聴者だったとしたら、「もしかしたら結ばれるかも?」と期待して観ますか? それとも「やはり無理なのかな」と思って観ますか?

秋田汐梨さん:
視聴者としては、どちらとも言えませんね。ただ「幸せになってほしい」と願いたくなります。もちろんお話には結末があり、2人はどのような形であれ終わりを迎えますが、「終わってほしくない」と思ってしまうんです。この距離感のままずっと幸せに過ごしてくれたらいいのに…と思うと、やはり切ないですね。
池田匡志さん:
切ないよね。僕は、いち視聴者なら「くっついてほしくない」かもしれません。
秋田汐梨さん:
それは、理央が罪な男で、はるが純粋だから?
池田匡志さん:
それもあります。くっついてしまうことで生じる問題もありますし、より関係が複雑になってしまう気がするんです。いろいろな面で考えなければならないことが増える。それなら、今のままで仲良くしていてほしいなと思ってしまいます。
マイソン:
絶妙な距離感が心地よくもありつつ、どう転ぶかわからないドキドキ感がある、という感じでしょうかね。はるがとてもしっかりした高校生なのも印象的です。お2人はどんな高校生でしたか?

秋田汐梨さん:
私は当時すでに芸能活動をしていましたが、地元の京都で高校にも通っていました。私にとって学校は息抜きの場だったんです。撮影が連日朝から晩まで続いても、翌日が休みなら、半日だけでも学校に行くために必ず京都へ帰っていました。周囲からは多忙に見えたかもしれませんが、私自身がどうしても学校に行きたかったんです。始発で京都に帰って、京都駅に迎えに来てもらって、制服を受け取って駅のトイレで着替えて学校まで送ってもらって、という生活を送っていた時期もありました。
池田匡志さん:
まさに仕事人だね!
秋田汐梨さん:
とにかく楽しかったんです。友達も放課後の時間も大好きでした。
池田匡志さん:
モテますよね。モデルをしながら学校に来るんでしょ。「芸能人が来た!」ってなるよね(笑)。
秋田汐梨さん:
いえ、むしろ異様な目で見られていましたね(苦笑)。撮影のために上京する日はキャリーケースを持って登校して。授業の途中で早退しなければならない時は、皆が授業を受けている横を「すみません…」と言いながらキャリーケースを引いて教室を出るんです。
池田匡志さん:
カッコいいじゃん!
秋田汐梨さん:
カッコ良くないよ。すごく恥ずかしかったし、「何だ、あいつ」と思われるのが怖かったです。
池田匡志さん:
「なぜいつもキャリーを持ってるの?」「なぜ遅刻してくるの?」って聞かれても、「いや、モデルだからです」って。
一同:
ハハハハ(笑)。
秋田汐梨さん:
状況を理解してくれる友達がいてくれたからこそ、成り立っていたのだと思います。

マイソン:
池田さんは、どんな高校生でしたか?
池田匡志さん:
僕は徳島県の田舎で、ひたすらサッカーに打ち込んでいました。
秋田汐梨さん:
モテていたみたいですよ(笑)!さっき言ってたもんね。
池田匡志さん:
いや、モテてないです。頑張って否定していたんですけどね(笑)。サッカーをしながら勉強も頑張る、ごく普通のサッカー少年でした。
マイソン:
今振り返って、「これぞ高校生だったな」という思い出はありますか?
池田匡志さん:
僕は本当に“ザ・高校生”という感じでしたね。自転車通学だったので、部活帰りに皆でご飯を食べに行ったり、お祭りや花火大会にジャージのまま行ったり。まさに青春という感じの毎日でした。
秋田汐梨さん:
いいな。私は学校帰りに、友達とピザを買って鴨川(京都)の川原で食べたりしていました。青春していましたね。
池田匡志さん:
それもいいよね。僕はサッカーで県大会優勝した時が最高の青春でした。あとは、文化祭の前夜祭でバンドを組んでステージに立ったことも、“ザ・青春”かもしれないですね。

マイソン:
そんな青春時代を送っていたお2人が、この世界に入ったきっかけをお聞きしてもいいですか?
池田匡志さん:
僕はスカウトでしたね。それが1番のきっかけです。もともと映画やドラマが大好きで、俳優という職業に漠然とした憧れはありました。ただ、徳島にいた頃は自分が演じる側になるなんて想像もできませんでした。大学進学で上京し、機会をいただいた時にやりたいなって思いました。
マイソン:
自分が進みたいと思った道を、今まさに突き進んでいるわけですね。秋田さんはいかがですか?
秋田汐梨さん:
私は中学1年生の時に、雑誌「nicola」のモデルオーディションを受けたのがスタートです。事務所に所属してからは、モデルの仕事をメインにしながら、時折いただく映像作品のオーディションを受け、少しずつ演技の仕事にもチャレンジしていきました。
マイソン:
当初からモデル志望だったのでしょうか?
秋田汐梨さん:
モデル志望というよりは、とにかく「nicola」が大好きで、その世界を覗いてみたいという純粋な気持ちでした。
マイソン:
モデルと俳優では表現の仕方が異なると思いますが、違いやおもしろさを感じる部分はありますか?
池田匡志さん:
僕も気になっていたんですけど、映像の仕事は感情を込めて演じるじゃないですか。でもモデルの仕事は、瞬時に求められる「顔」を作らなければならない。僕の場合、こういう顔をしてと言われてパッとやるんじゃなくて、感情を持っていかないとできないんですよ。だけど、モデルをする時って、こういう表情をしてって言われたらわかるのかなって。
秋田汐梨さん:
確かに、モデルの経験を通じて「自分がどう見えているか」という客観的な視点は培われたかもしれません。「こういうイメージの写真を撮りたいんだな」と汲み取って、表情を作る。それはモデルならではの感覚かもしれませんね。
池田匡志さん:
だって、「笑って」と言われてすぐに笑えるのはすごいですよ。
秋田汐梨さん:
いや、(池田さんも)笑ってるでしょ(笑)。
池田匡志さん:
僕は頑張って笑ってるので(笑)。だから、役ではない「自分自身」として撮られる時も、ちょっと演じないと、みたいなのはあります。

マイソン:
池田さんは以前、戦隊ヒーローも演じられていましたよね。今回のような日常を描いた作品の場合、演じ方は変わりますか?
池田匡志さん:
世界に入り込むという点では同じですが、より自分の中にあるものを引き出す感覚が強いです。あくまで自分の延長線上に理央という役を置いている感覚ですね。
マイソン:
このドラマには原作がありますが、キャラクターをどの程度意識されましたか?
秋田汐梨さん:
普段は原作をかなり意識して、見え方や声を寄せていくことが多いです。ただ今回は、原作から世界観を汲み取りつつ、自分なりの「はる」を作り上げていきました。ですので、あえて意識し過ぎないようにしていたかもしれません。
マイソン:
やりやすい場合とやりにくい場合ってあるんでしょうかね?
秋田汐梨さん:
どちらがやりやすい、ということはないですね。ただ、これまで出演した原作ものは、キャラクター性が強く、外見から作り込むタイプが多かったんです。それはそれで誰が見てもこのキャラだよねっていう安心感があるのですが、今回は「はるが何を考えているか」という心情を深掘りする時間が多かったので、全く別のアプローチでした。
池田匡志さん:
僕は原作があったほうが、それこそ心情とかをわかりやすく描いてあるから、それはすごく参考になるかなと思います。もちろん、それを現実の人間として立ち上げる作業には難しさもありますが。原作があるから難しいところもあったり、作品に寄るかもしれませんね。

マイソン:
実際に演じてみて、新たに発見したことはありましたか?
秋田汐梨さん:
ありました。台本上ではハッピーなシーンとして描かれていても、実際に演じてみると、はるとしてそこにいるのが辛くなる瞬間がありました。例えば、理央と一緒に明日記さん(山中聡)に会いに行くシーンです。台本を読んだ段階では、ゲイカップルの先輩の話を聞く温かいシーンだと思っていたんです。でも、いざお芝居をしてみると、付き合っている2人をはるが目にしたら、理央が向かっている先はここなんだなってすごく感じて。理央はこの関係を望んでいるから、自分はこうはなれないってことに、すごく悲しくなった瞬間がありました。それは演じてみて気づいたことでした。
池田匡志さん:
そうだよね。現場で実際に体験して感じるものこそが一番リアルで、人間味が出る部分だと思います。たとえそれが原作の解釈と多少違ったとしても、演者がその場で感じた「生の感情」を大切にしたいですね。

マイソン:
まさに実写ならではの良さですね。では最後に、映画でもドラマでも、お2人が影響を受けた作品があれば教えてください。
池田匡志さん:
僕は山崎豊子さん原作のドラマ『不毛地帯』です。サッカー選手の次に商社マンを目指した時期があったのですが、そのきっかけがこの作品でした。徳島の田舎にいた自分にとって、世界を股にかけて取引をする物語は非常に刺激的で、視野を広げるきっかけになりました。
マイソン:
今は俳優として、世界に挑戦するチャンスも増えていますよね。
池田匡志さん:
はい。日本の作品が世界で観られる機会も増えていますし、いつか自分もその場に立てるよう、精進していきたいです。
秋田汐梨さん:
私は…昨日観た『インターステラー』です(笑)。
池田匡志さん:
めちゃくちゃ直近だね(笑)!
秋田汐梨さん:
どうしても直近に観たものに影響されてしまうので(笑)。今はまだ『インターステラー』の気分から抜け出せなくて、5次元の世界とか未来との繋がりについて考えています。
マイソン:
相対性理論ですね。
秋田汐梨さん:
そうです! 相対性理論についてすごく考えました。内容は難しかったので、解説を読んでから「もう一度観よう」と思っているところです。
池田匡志さん:
ちゃんと影響されているね。さっきも空間の話をしていたし(笑)。
マイソン:
素晴らしい疑似体験ですね。本日はありがとうございました!
2025年3月24日取材 Photo& TEXT by Myson

『share』
2026年4月20日よりフジテレビ(関東ローカル)にて放送<全8話>/ FODではノーカット版を見放題にて独占配信予定/TVerにて無料見逃し配信あり
原作:三つ葉優雨「share」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)
監督:加藤綾佳(1話・2話、4話〜8話)/工藤渉(3話)
出演:秋田汐梨 池田匡志/寺本莉緒/草川直弥/藤本洸大/水石亜飛夢/白戸達也/雛形あきこ/山中聡
製作:NBCユニバーサル・エンターテイメント
夢もやりたいこともない女子高生の日下はる(秋田汐梨)は、バイト先のカフェにきた藤原理央(池田匡志)が忘れ物をしたのを機に、彼が住むシェアハウスに行き着く。ある日、勢いで家を飛び出し、理央が住むシェアハウスに向かったはるは、そこに住みたいと告げる。すると、理央は「僕のこと男として好きにならないでね」と条件付きで同居を快諾するが…。
©三つ葉優雨/小学館/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン




























