俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン（チャールズ・チャップリン）。今回は、チャーリー・チャップリン監督作（短編映画を除く）を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。伝説として語り継がれる名作が揃うなか、どんなランキングになったのでしょうか？

＜PROFILE＞
チャーリー・チャップリン（※チャールズ・チャップリンと表記されることもある）
本名：チャールズ・スペンサー・チャップリン
1889年4月16日生まれ。イギリス、ロンドン出身。1977年12月25日逝去。
俳優、脚本家、映画監督。世界の三大喜劇王の一人。人間の哀愁や社会風刺を含んだユーモラスな作風で、世界中で人気を博す。山高帽にちょび髭、ドタ靴とステッキがトレードマークのキャラクター放浪紳士に扮装し、移民や子ども、女性や貧困者など、弱い立場の人の視点で描いた作品を多く世に贈り出した。主な長編作品に、『キッド』『巴里の女性』『黄金狂時代』『街の灯』『モダン・タイムス』『独裁者』『殺人狂時代』『ライムライト』『ニューヨークの王様』などがあり、短編作品『チャップリン・レヴュー』『サニーサイド』『一日の行楽』『のらくら』『給料日』などの名作が多数ある。
軽演劇ミュージック・ホールの芸人だった両親のもとに生まれ、両親の離婚と母の病気により、極めて貧しい子ども時代を送る。初舞台は、声の調子を崩した母の代役を務めた5歳の時だった。その後、母の精神病院入院を機に、兄シドニーと孤児院や救貧院を転々とする。9歳で本格的に舞台デビューをした後、兄が所属していた英国随一の軽演劇一座「カーノー劇団」に入団すると一躍看板役者になった。そして、同劇団で2度目のアメリカ巡業中に映画会社キーストン社と契約し、1914年に映画俳優としてデビューした。同年、35本の映画に出演し、『恋の20分』(1914)からは監督も務める。ヒット作を連発して独立後、1919年には自由な製作環境を求めて、D・W・グリフィス、メアリー・ピックフォード、ダグラス・フェアバンクスと配給会社ユナイテッド・アーティスツを設立。1921年に初長編映画『キッド』で大ヒットを飛ばす。トーキー時代が来ると音楽作曲も担当。世界情勢が大戦へと向かうなか、『モダン・タイムス』（1936）、『独裁者』（1940）、『殺人狂時代』（1947）で一層社会的なテーマを直接的に描くと、賞賛と同時に政治的な非難も浴びるようになる。そんななか赤狩りの対象となり、1952年、『ライムライト』のロンドンプレミアのためにイギリスへ向かう途中、再入国許可証が取り消され、アメリカを事実上追放され、スイスに移住した。その後1972年に、アカデミー賞®特別賞受賞を機に20年ぶりにアメリカを訪れた。1975年にはエリザベス女王からサーの称号を受け、1977年12月25日にスイスの自宅で死去。私生活では3回（事実婚とされるポーレット・ゴダードを入れると4回）結婚。10人の子供のなかには名脇役のシドニーや女優のジェラルディンなどがいる。（『チャップリン』公式資料より）

チャーリー・チャップリンにまつわる最新作をチェック！

『チャップリン』
2025年12月19日より全国公開
監督：カルメン・チャップリン
出演：マイケル・チャップリン／ジェラルディン・チャップリン／ジョニー・デップ／トニー・ガトリフ／エミール・クストリッツァ／ストーケロ・ローゼンバーグ／リタ・カベルト／ファルキート
配給：アンプラグド

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REVIEW

チャップリン家初の公認ドキュメンタリーとして制作された本作では、チャーリー・チャップリン（チャールズ・チャップリン）の息子マイケルがプロデューサーを務め、チャーリーの孫でマイケルの娘、カルメンが監督と脚本を務めています。そして、ジェラルディンなどチャーリーの子ども達のほか、ジョニー・デップ、エミール・クストリッツァなども登場します。チャップリン家が作っている作品だけあって、家族だからこそ知る思い出と共に、チャップリン家の歴史を振り返ることができ、チャーリーのよりパーソナルな面も知ることができます。

本作と観ると、チャップリン家の歴史、そしてチャーリーの生き様を語る上で、ロマのルーツがいかに重要だったかがわかります。カルメン・チャップリン監督は以下のようにコメントしています。

祖父チャーリー・チャップリンの母ハンナは、ロマのルーツを老年まで隠していましたが、亡くなる3年前、チャーリーが36歳の時に、そのことを打ち明けました。彼の祖先のルーツを辿るこの事実は、チャーリーにとって新しい発見であり、大きな意味を持っていました。チャーリーは異端者であり、ロマの伝統を大切にしていた開拓者でした。彼にとってこのルーツは、貧困に苦しんだ自身の幼少期に尊厳を与え、母と弟と共に耐え忍んだ過酷な苦しみに夢と魔法をもたらしたのです。（映画公式資料）

チャップリン家の子ども達、孫達は皆顔が似ていて、チャーリーの面影があり、それぞれがエンタテインメントの世界で活躍している点も血筋だなと感じます。そして、取り上げられている名作のシーンだけ観てもおもしろくて、チャーリー・チャップリンの桁外れのセンスを実感します。本作と合わせて、過去作も一通り観たくなるはずです。

by Myson

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『チャップリン』公開記念！「チャールズ・チャップリン監督作セレクション」2025年12月19日より開催
チャールズ・チャップリンの名作を一挙上映する特集企画

劇場情報はこちら

＜上映ラインナップ＞
■長編作品
『キッド』『巴里の女性』『黄金狂時代 サイレント・4K 修復版』『サーカス』『街の灯』『モダン・タイムス』『独裁者』『殺人狂時代』『ライムライト』『ニューヨークの王様』

■短編作品
『チャップリン・レヴュー』『サニーサイド』『一日の行楽』『のらくら』『給料日』

チャーリー・チャップリン人気作品ランキング

各作品のパッケージ販売リンクや視聴リンクをクリックすると、デジタル配信もしくはパッケージ販売ページに飛びますので、ぜひ観てみてください。

※作品への評価は「6点=観た上でとても好き」から「観ていないが作品は知っている＝1点」の6段階、もしくは「知らない＝0点」として加算し、ランキングを出しています。

アンケート回答人数　10代を含む女性279名（調査期間：2025/12/1～12/16）

第１位：『モダン・タイムス』…691点

『モダン・タイムス』
製作年：1936
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＜イチオシコメント＞
■『モダン・タイムス』の歯車のシーンが好きです。（20代後半）
■今なお重要な主題を取り上げていてすごいなと思います。（50代）
■言葉がなくても感情の起伏や悲哀や皮肉が表情で感じられる、色彩がなくても色を感じられる。五感を駆使して映画を味わえる作品。（50代）
■とてもメッセージ性のある作品。 チャップリンのパフォーマンスの素晴らしさに 釘付けになります。（50代）

第２位：『ライムライト』…649点

『ライムライト』
製作年：1952
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＜イチオシコメント＞
■バレリーナへの想いが伝わってきて、感動したのを覚えています。（50代）
■他の作品より風刺少なめで優しい感じがしました。（50代）

第３位（同率）：『独裁者』…625

『独裁者』
製作年：1940
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＜イチオシコメント＞
■ナチス台頭時代に『独裁者』を作り、公開したことは本当に賞賛に値します。素晴らしい勇気を見習いたいです。（50代）
■現代にも通じる問題作。これから先の未来を生きる若者にこそ観て欲しい。（50代）
■『独裁者』の最後の演説は必見。特に後世に残したいです。（60代以上）

第３位（同率）：『ニューヨークの王様』…625点

『ニューヨークの王様』
製作年：1957
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＜イチオシコメント＞
■終わりになるほどテンポが良くなり、笑いと感動の波が押し寄せてくるところが好きです。（30代後半）

第５位：『街の灯』…618点

『街の灯』
製作年：‎1931
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＜イチオシコメント＞
■初めて観た時にあまりの美しさにびっくりしました。素敵なクラシックさはありますが、今観ても全く古い感じがしません。（30代前半）
■レトロな映像にも関わらず、社会問題は今も同じように私たちの心に響く。普遍性とは、このことかな。『街の灯』は、今も昔もあり得ないような自己犠牲的な大きな愛に溢れている。メローすぎるといわれようとも、私はいつもその温かさに包まれるので好きです。音楽もチャップリン作曲。（50代）
■盲目だった女性が放浪者役のチャップリンの手を握って「あなたですね」というシーンが大好き。何度観ても感動する映画史に残る名シーンだと思う。（50代）

第６位：『黄金狂時代』…528点

『黄金狂時代』
製作年：1925
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＜イチオシコメント＞
■テンポが良く笑えて感動できて考えさせられる作品だと思う。（50代）
■空腹のあまり靴を食べるシーンやロールパンのダンスのシーンは有名ですね。（50代）

第７位：『キッド』…493点

『キッド』
製作年：1921
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＜イチオシコメント＞
■言葉はなくても感情が伝わる。何度観ても感動する。（30代後半）
■血の繋がりを超えた親子の絆を笑いと涙を交えて観られる。（30代後半）

第８位：『殺人狂時代』…434点

『殺人狂時代』
製作年：1947
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＜イチオシコメント＞
■喜劇よりもシリアスな要素の強い作品で、最後の名言は今でも心に残っています。（40代前半）

第９位：『サーカス』…318点

『サーカス』
製作年：1928
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＜イチオシコメント＞
■『サーカス』での、命をかけて人々を笑顔にする姿がとても素敵でした。（30代前半）

第１０位：『巴里の女性』…266点

『巴里の女性』
製作年：1923
ブルーレイ&DVD販売中／デジタル配信中
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＜イチオシコメント＞
■チャーリー・チャップリンが監督に徹した作品。俳優としての才能も飛び抜けていながら、監督、脚本、製作など裏方としての万能ぶりにも偉人たる所以を感じます。（50代）

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チャーリー・チャップリン作品に対するイメージは？

Ｑ：チャーリー・チャップリンの代表作といえば、どの作品ですか？

Ｑ：総じて、チャーリー・チャップリン作品は好きですか？

Ｑ：チャーリー・チャップリン作品を好きな理由

■唯一無二なので。（20代後半）
■最高のエンターテイナーだと思います。（30代前半）
■昔の映画なのに、今観てもおもしろい。（40代前半）
■きっかけは『ライムライト』です。時代を超えたユーモアに感動したので、ファンになりました。（40代前半）
■言葉がないのに動きと仕草で人々を笑わせられる力は絶大で喜劇の王様のような存在だと思ってます。 巨大時計の中をグルグル回る姿は印象的で何十年経っても色褪せず記憶として残ってます。（40代後半）
■あの時代で反戦態勢はすごい！（50代）
■映画好きになった子どもの時からずっと好き。チャップリンの映画は子どもから大人まで、今の時代になっても楽しめるし、これからも愛されると思う。（50代）
■監督、主演、脚本、音楽とオールマイティ！ 若い方々の中には音楽だけ聞いたことがある方も多いのでは？ セルフプロデュースにも長けていたのだと感じますが、何よりもあの時代のナチスにNOを突きつけた勇気。（50代）
■全世界の人が観て字幕なしで理解できる表現力がすごいと思いますし、唯一無二の存在感があります。自らのブランディングに成功しているとも思います。（50代）
■素朴さとかいたずらっぽさがあってほっこりする愛があるところと、核心を突いたメッセージが込められているバランスが良くて何度でも観たくなるので。芸はこだわりの精密さが飽きさせないように思います。（50代）
■チョビヒゲに大きな靴、ステッキ、帽子などの服装が、コメディの要素にぴったり。（60代以上）
■教訓を含んでいるのに、まったく説教臭くない。パフォーマンスと間であれだけ見せるすごさ。まだ、数本しか観ていないが、これから全部観たい。（60代以上）
■コメディとしても風刺としても 好きだから。（60代）

今回は、『モダン・タイムス』が1位となりました！2位は『ライムライト』、続いて3位は『独裁者』と『ニューヨークの王様』が同率でランクインし、今回もかなり接戦となりました。また、皆さんのコメントには「“人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である”という言葉が好き」「時代を超えていつの時代の人にも響く後世に残るべき素晴らしい作品」など、チャップリンの作風や名言を絶賛する声も多く挙がりました。今回の結果を参考にまだ観ていないチャップリン作品をぜひご覧ください。

©The Caravan Trail, A.I.E, Kwanon Films Limited, and Submarine Sublime 2024
Charlie Chaplin™ © Bubbles Incorporated S

TEXT by トーキョー女子映画部正式部員＆Shamy & Myson

＜その他のチャップリンにまつわる作品＞

『チャーリー』
デジタル配信中
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情報は2025年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。