REVIEW

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』アダム・ドライバー/ジョナサン・プライス

ある意味ファンタジーであり、喜劇であり、悲劇。結局何を観ていたんだろうという不思議な感覚にさせられますが、それこそが本作に没入できた証でしょう。本作は、テリー・ギリアム監督が構想30年かけ、9回の頓挫を経て完成させた作品。アダム・ドライバーが演じる主人公トビーを観ていると、映画作りに没頭し、時には迷い、時には逃げ出したくなるような、作り手の苦悩が投影されているようにも感じます。本作が完成されるまでの出来事が公式サイトに載っているので、ぜひ見て頂きたいですが、本当に呪われていると思われるくらい、大変な思いを繰り返しています。それでも作り上げた執念が、作品の中で狂気となって昇華されています。また、ジョナサン・プライスが演じるドン・キホーテや村の少女など、トビーがきっかけで映画の世界に触れたことで、幸か不幸か、目覚めたのか夢想に入ってしまったのかわからない人生を送ることになったキャラクター達を見ていると、映画が持つ魅力と毒性を感じます。でも、この感覚って映画好きなら共感できるはず。皆さんもぜひこの世界に飛び込んでください。

デート向き映画判定
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』アダム・ドライバー/ジョナサン・プライス/ステラン・スカルスガルド/オルガ・キュリレンコ

好みが分かれそうな作品なので、映画好きカップルなら良いですが、普段映画をあまり観ない人だと反応がわかりません。ただ小説が好きで、ミゲル・デ・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」にも興味があるなら、一緒に観るのもアリでしょう。ほか、映画を観て語りたいタイプの人となら、「結局これってどういうこと?」となっても、それも含めて観終わった後に会話が楽しめそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』ジョナサン・プライス

お店の名前で“ドン・キホーテ”はよく知られるようになりましたが、もともとは小説の名前、その作品に出てくる登場人物であることを本作を機に知るのも良いでしょう。本作は原作通りではありませんが、本作を気に入ったら、原作も読んで比較してみてはどうでしょうか?年齢に寄ってはまだ難しいかも知れませんが、映画や演劇など、いろいろな作品の原作となっているので、興味の範囲を広げるきっかけになるかも知れません。

映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』アダム・ドライバー/ジョナサン・プライス/ステラン・スカルスガルド/オルガ・キュリレンコ/ジョアナ・リベイロ

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
2020年1月24日より全国公開
ショウゲート
公式サイト

TEXT by Myson

© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『人はなぜラブレターを書くのか』綾瀬はるか 人はなぜラブレターを書くのか【レビュー】

タイトルから想像する範囲を超える、深い人間ドラマが描かれている本作は、実話を基にして…

映画『君と僕の5分』シム・ヒョンソ/ヒョン・ウソク 『君と僕の5分』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『君と僕の5分』特別試写会イベント 5組10名様ご招待

映画『フィフス・エステート:世界から狙われた男』ベネディクト・カンバーバッチ 未公開映画活性課ハ行

未公開作品のなかから、当部が気になる作品、オススメしたい作品をご紹介。

映画『五月の雨』安川まり 『五月の雨』【レビュー】

本作は、DV被害者の実状を、ドキュメンタリーにドラマを織りまぜた構成で訴えかけています…

映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ/チン・ソヨン 大丈夫、大丈夫、大丈夫!【レビュー】

不幸な状況が前提とされているにもかかわらず、ユーモアに溢れ…

映画『OCHI! -オチ-』ヘレナ・ツェンゲル ヘレナ・ツェンゲル【ギャラリー/出演作一覧】

2008年6月10日生まれ。ドイツ出身。

映画『炎上』森七菜 炎上【レビュー】

日本の都会のど真ん中にいるストリートチルドレンの日常を描いた作品…

映画『29歳からの恋とセックス』グレタ・ガーウィグ 未公開映画活性課ナ行

未公開作品のなかから、当部が気になる作品、オススメしたい作品をご紹介。

映画『ハムネット』ジェシー・バックリー ハムネット【レビュー】

REVIEW『ハムネット』という響きから、もしかしてあの名作に何らかの関係があるのかもしれ…

映画『終点のあの子』南琴奈 南琴奈【ギャラリー/出演作一覧】

2006年6月20日生まれ。埼玉県出身。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第7回】「そもそも感情ってどうやって湧いてくるの?感情の仕組み」参加者募集! 【映画学ゼミ第7回】「そもそも感情ってどうやって湧いてくるの?感情の仕組み」参加者募集!

感情はまだまだ謎が多く、本当に複雑で深い概念だからこそおもしろい!感情について少しでも知ることで、自分自身の情動コントロールにも少し役立つはずです。

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』 私ならこうする!『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』を観た女子の本音

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』をトーキョー女子映画部正式部員の皆さんに観ていただき、感想や「私ならこうする!」を聞いてみました。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第7回】「そもそも感情ってどうやって湧いてくるの?感情の仕組み」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『人はなぜラブレターを書くのか』綾瀬はるか
  2. 映画『五月の雨』安川まり
  3. 映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ/チン・ソヨン
  4. 映画『炎上』森七菜
  5. 映画『ハムネット』ジェシー・バックリー

PRESENT

  1. 映画『君と僕の5分』シム・ヒョンソ/ヒョン・ウソク
  2. 映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ
  3. 映画『ミステリー・アリーナ』唐沢寿明
PAGE TOP