REVIEW

いのちの停車場

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『いのちの停車場』吉永小百合/松坂桃李/広瀬すず/西田敏行

医師の仕事は、患者の病気や怪我を治すことというイメージはどうしてもありますが、それだけではなく、患者がその後どう生きるか、もし余命が短いとしたらどう過ごすのが一番幸せか、ということに深く関わるのだなと改めて考えさせられます。そして、本作で主人公達が行うのは往診だからこそ、患者達の生活を目の当たりにして、放っておけないことも出てくるし、すごく大変なお仕事で、誰にでもできることではないということが伝わってきます。原作は、現役医師の南杏子が2020年に発表した同名小説ということで、この物語には、いろいろな思いが詰まっているのかなと個人的には感じました。「こうしてあげたいけど、できない」ということが多い現実も垣間見えましたが、コロナ禍で医療の現場が逼迫している今だからこそ、余計にそういったジレンマが医療従事者の方々のストレスにもなっているのではないかと思えます。
切ない要素が多いストーリーではありますが、途中ちょっと意外なシーンも出てきます。これは原作にもあるのか、はたまた監督の無茶ぶりなのかは不明ですが(笑)、途中俳優一同がある芸を披露している場面がありますので、そこはほっこり楽しんでください。

デート向き映画判定
映画『いのちの停車場』吉永小百合/広瀬すず/泉谷しげる

ちらっとラブストーリーらしき要素は出てきますが、やはり主流は医療に携わる人達と患者達の物語なので、特別デート向きという感じではありません。ただ、患者達の中には夫婦も出てくるし、どうやって看取るのかという部分も出てくるので、夫婦で観ると今後のことをいろいろと相談するきっかけにできそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『いのちの停車場』吉永小百合/松坂桃李/広瀬すず/西田敏行

キッズは特にまだ身近に感じられることが少ないと思うので、大人になってから観ると良いでしょう。医療関係の道を歩みたいティーンは、現場についていって、見学するような感覚で観ると、自分の仕事観、価値観が少し見えてくるかもしれないですね。

映画『いのちの停車場』吉永小百合/松坂桃李/広瀬すず/南野陽子/柳葉敏郎/小池栄子/みなみらんぼう/泉谷しげる/石田ゆり子/田中泯/西田敏行

『いのちの停車場』
2021年5月21日より全国公開
東映
公式サイト

©2021「いのちの停車場」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP