REVIEW
どんな話なのかは知らず、調べず、直感的にキービジュアルの雰囲気に惹かれて観てみたところ、何ともおもしろいドラマでした。シリーズが長々と続くわけでもなく、7話で完結するので観やすいです。
すべてのエピソードのタイトルには、キャラクター名が付けられていて、各エピソードが各キャラクターの目線で展開していきます。さらに最初からマスクガールの正体はわかっているものの、とてもユニークな設定でマスクガールの半生が描かれていきます。ここはお楽しみとして詳細は書かずにおくとして、このユニークな設定がさらなる謎を生み、一度ホッとしても油断ができないスリルをもたらしています。
本作にはシリアスでスリリングなシーンが多く、俳優陣の迫力ある演技に都度圧倒されます。まず、映画『リバウンド』で抜群のユーモアのセンスを発揮していたアン・ジェホンが本作では、気配のない暗い男性を演じている点も要注目。2作で演じたキャラクターのギャップを観ると、改めて彼の演技の幅の広さがわかると思います。
そして、むちゃくちゃツボだったのは、第3話「キム・キョンジャ」です。キョンジャが、ある理由から、メキメキといろいろなスキルを身につけていく過程がめちゃくちゃ笑えます。きっかけの重さと暗さと、スキルアップに至るフットワークの軽さと勢い、キョンジャのある意味前向きな姿勢のギャップがあり過ぎて、この脚本を書いた方のユーモアのセンスと、キョンジャを演じたヨム・ヘランの名演に脱帽です。
本作は、ルッキズムをテーマにした、美容整形大国、韓国ならではのドラマです。それが母と子の物語ともなっていることで、よりドラマチックになっています。ただ、激しい描写が唐突に出てくるので、夜寝る前のリラックスタイムなどに油断して観ていると「ウワッ!」となることもしばしばありますのでご用心(笑)。一難去ってまた一難なので、どんどん続きを観たくなりますよ。連休などに一気観もオススメです。
『マスクガール』
2023年8月18日よりNetflixにて配信中
R-16+
公式サイト
TEXT by Myson