REVIEW

ぶあいそうな手紙

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ぶあいそうな手紙』ホルヘ・ボラーニ/ガブリエラ・ポエステル

本作は、78歳で1人暮らしをするエルネストと、23歳で自由に暮らすビアという大きな年の差がある2人が、ある手紙の代読をきっかけに出会い、お互いに影響し合うことで少しずつ変化する様子が描かれた物語となっています。一見老人と若者の組み合わせは珍しく感じますが、視力を失いつつあり、外出をほとんどしないエルネストが、自由奔放なビアに刺激されて、外出するようになったり、逆に、いつもお金がなくて、日々の生活もままならないビアがエルネストと出会うことで、自分の生活を見直すなど、お互いに刺激し、成長していく様子が観られます。観終わると、とてもほっこりした気分になれますし、自分とは違う世代の人と関わってみたいと思うきっかけにもなりそうです。
そして、本作のキーにもなっている“手紙”。今は、どこにいてもスマホやパソコンで瞬時に相手にメールを送ることができますが、エルネストがある相手と手紙をやり取りする様子や、ビアがその返事を代筆する様子を観ていると、相手のことを考えながら、時間をかけて送り届ける手紙の魅力も感じられます。これを機に誰かに手紙を書いてみるのも良いと思いますし、2人の交流を通してご自身の人生や将来について考えてみるのも良いと思います。ぜひ本編で2人がどんな成長を遂げ、どんな人生を選ぶのか見届けてください!

デート向き映画判定
映画『ぶあいそうな手紙』ホルヘ・ボラーニ

恋愛が軸のお話ではありませんが、気まずくなるシーンなどがない素敵な人間ドラマなので、デートで観たら和やかな雰囲気になれそうです。観賞後は、これを機にお互いの人間関係や人生観について話し合うのも良いと思います。また、本作のビアは、乱暴でとても優しいとは言えない相手と付き合っているので、彼女の恋愛を反面教師として観て、ぜひ皆さんはご自身に合った素敵な相手を探してください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ぶあいそうな手紙』ホルヘ・ボラーニ

キッズやティーンの場合、老後の人生については、なかなか想像できないと思うので、ビア目線で本作を観て欲しいと思います。とはいえ、ビアも皆さんより年上の大人なのですが、彼女には生活面や恋愛で問題があり、まだまだ大人として未熟な部分があります。ビアがエルネストと出会うことで、何を学び、どう変化していくのかに注目しながら観て、皆さんも将来どんな大人になりたいか考えてみて欲しいと思います。

映画『ぶあいそうな手紙』ホルヘ・ボラーニ/ガブリエラ・ポエステル

『ぶあいそうな手紙』
2020年7月18日より全国順次公開
ムヴィオラ
公式サイト

© CASA DE CINEMA DE PORTO ALEGRE 2019

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー THE MONKEY/ザ・モンキー【レビュー】

怖いはずなのにどこか可笑しい絶妙なバランスの本作は、スティーヴン・キングの短編を原作としています…

映画『戦争と女の顔』ヴィクトリア・ミロシニチェンコ ヴィクトリア・ミロシニチェンコ【ギャラリー/出演作一覧】

1994年5月17日生まれ。ロシア出身。

映画『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー 『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー

フランスで3週連続NO.1(仏映画興収/実写映画において)を獲得し、260万人動員の大ヒットを記録した話題作『ファンファーレ!ふたつの音』。今回は本作のエマニュエル・クールコル監督にインタビューさせていただきました。

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー
  2. 映画『ひゃくえむ。』
  3. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  4. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  5. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP