REVIEW
ブロードウェイで活躍した伝説の俳優マリアン・セルデスをモデルとした本作の主人公は、ジェシカ・ラングが演じています。ジェシカ・ラングは「米アカデミー賞にて6度ノミネートを果たし、エミー賞3回、トニー賞1回の受賞歴」を誇ります(映画公式サイト)。共演者には、キャシー・ベイツ、ジェシー・ウィリアムズ、リリー・レーブが名を連ねています。

監督は、俳優、映画監督、脚本家、舞台演出家として、舞台演劇、映画の両方の分野で活躍するマイケル・クリストファーが務めています。クリストファー監督も「自身が執筆し、1977年3月31日にブロードウェイで初演された戯曲『シャドーボックス』はピューリッツァー賞演劇部門とトニー賞最優秀戯曲賞を受賞」とあるように、ジェシカ・ラングと同様、演劇界でも輝かしい実績を残しています。

本作は、ベテランの大女優リリアン・ホール(ジェシカ・ラング)が認知症を発症し、目前に控えたブロードウェイの公演に無事立てるかどうかを描いた物語です。リリアンが隣人に「芸術は人生を超えるかしら」と問うセリフが、天命、天職ともいえる俳優業への傾倒ぶり、生き様を象徴していて、舞台に立つ間だけでも認知症の影響に負けずに演じきれるかが見どころとなっています。

あわせて、母としてのリリアンの苦悩も印象的に描かれています。仕事で大成功を収めたとしても母親業は満足のいくようにできなかったリリアンの無念と、母親が不在がちで寂しい思いを募らせてきた娘マーガレット(リリー・レーブ)の苦悩には、時代を問わない普遍性を感じます。

マイケル・クリストファー監督、ジェシカ・ラングはトニー賞(アメリカの演劇界で権威のある賞)の受賞歴があり、キャシー・ベイツ、ジェシー・ウィリアムズもトニー賞にノミネート歴があります。だから、演劇界の世界観がリアルで、舞台に情熱を傾ける人達の熱量が本作を通して自然と伝わってくるのだなと感じます。

また、マーガレットを演じたリリーは「母は『結婚しない女』(1978年)などの映画で主演女優を演じ、アカデミー賞の主演女優賞ノミネート経験もあるジル・クレイバーグ、父は脚本家のデヴィッド・レーブという、本作の内容と同じような環境で育つ」(映画公式サイト)とあります。とことん迫真に迫るよう作られた作品ですね。本作はさまざまな視点で観られるものの、認知症で苦しむ人のストーリーとしてよりも、最後の最後まで天職を貫こうとする人の生き様として観て欲しいです。
デート向き映画判定

認知症で突然キャリアの危機を迎えた主人公の物語なので、気晴らしで観るのには向いていないものの、仕事に全身全霊をかける人の話として観るなら、老若男女関係なく、近い価値観の方は共感できる部分が多いでしょう。家族関係にも焦点が当てられているので、鑑賞後は自然に家族の話をしたくなるかもしれません。お互いの仕事観、家族観を知りたい方は、パートナーと一緒に観るのも良さそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

老齢の主人公のストーリーなので、キッズやティーンの皆さんにはまだピンとこない部分が多いかもしれません。ただ、皆さんの倍、人生を生きてきた人達と話すと、違う視点を得たり、視野を広げる機会になり得ます。祖父母が健康なら、一緒に話せる状況も貴重です。そんな点を実感させてくれるストーリーなので、機会が作れそうなら、祖父母を誘って観に行くのもアリではないでしょうか。

『喝采』
2026年1月9日より全国公開
PG-12
彩プロ
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TEXT by Myson
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情報は2026年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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