年配夫婦が主人公でありながら、世代を問わず共感できるストーリーで、前半は2人のすれ違いにヒヤヒヤさせられながら、後半はとても素敵なラブストーリーとして、心地良い気分にさせてくれます。
夫婦関係はいたって古風で、奥さんが気の毒に思える部分もありますが、亭主関白でなくても、日常の言葉が足りなくて、夫婦の気持ちがちぐはぐになってしまうというケースは誰にでも起こり得ることです。片方が言葉や態度で示さなくても通じていると思い込んで、コミュニケーションを疎かにしていたら、もう一方もその無反応な態度に徐々に諦めの念が膨らんできてしまう…。お互いに思いがあるなら、なおもったいないことですよね。夫婦のストーリーですが、これって上司と部下や、先輩と後輩、友達同士でももしかしたら同じことが言えるのかも。そう思うと、誰が観ても身近なストーリーだと思えるはずです。
![デート向き映画判定](https://www.tst-movie.jp/wp-asset/wp-content/uploads/2019/03/bar_date.png)
![映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』倍賞千恵子/藤竜也](https://www.tst-movie.jp/wp-asset/wp-content/uploads/2019/04/201905hatsukoi-otousanchibi-sub-2shot-kutsushita600.png)
熟年離婚しちゃいそうな夫婦でも、本作ではまだ救いが描かれていますが、いつ対策を打つかで、間に合うか、手遅れかが違ってくるんだろうなと思います。長年連れ添うと余計に言葉や態度でわざわざ示さなくても通じ合っていると思ってしまう点や、長年連れ添っているからこそ言えないことも出てくる点など、若い夫婦や、これから結婚しようとするカップルが観ても、参考になる要素がたくさんあります。反面教師的であり、お手本ともなる作品です。
![キッズ&ティーン向き映画判定](https://www.tst-movie.jp/wp-asset/wp-content/uploads/2019/03/bar_kidsteen.png)
![映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』倍賞千恵子/市川実日子](https://www.tst-movie.jp/wp-asset/wp-content/uploads/2019/04/201905hatsukoi-otousanchibi-sub-3shot-window600.png)
キッズやティーンの世代から観ると、祖父母に起きている出来事として捉えられると思いますが、父母の関係として想像すると直接的過ぎて生々しく感じる部分も、設定的にはワンクッションある感覚で観られるかも知れません。子どもにはまだピンとこない部分もありますが、現時点でお父さん、お母さんのコミュニケーション不足を感じている人がいたら、両親を誘って一緒に本作を観てみると、ちょっと状況が改善できるかも知れませんよ。余計なお節介ですが…(苦笑)。
![映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』倍賞千恵子/藤竜也/市川実日子/佐藤流司/小林且弥/優希美青/濱田和馬/吉川友/小市慢太郎/西田尚美/星由里子](https://www.tst-movie.jp/wp-asset/wp-content/uploads/2019/04/201905hatsukoi-otousanchibi-poster400.png)
『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』
2019年5月10日より全国公開
クロックワークス
公式サイト
©2019 西炯子・小学館/「お父さん、チビがいなくなりました」製作委員会
TEXT by Myson
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