REVIEW

ヒックとドラゴン 聖地への冒険

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

本シリーズは1作目から大好きで、劇場では公開されなかった2作目、そしてテレビシリーズも通して、ヒックの成長を見守ってきました。バイキングといえば、屈強な男達をイメージしますが、バイキングの長のもとに生まれた少年ヒックはそういうタイプではありませんでした。でもそんなヒックがある一匹のドラゴンと出会い、当初敵対していたドラゴンとの共存を叶え、自分の居場所を見つけていくのが1作目。2作目ではさらにドラゴンとの絆を深めると同時に、悲しく辛い出来事に直面し、さらに1人の人間として大きく成長する姿が映し出されています。そして今作では、立派なリーダーとなったヒックが、さらなる困難に立ち向かい、本当の意味で自立し、大人になる過程が綴られています。これから1,2作目を観ようとする方もいらっしゃるので、ネタバレは極力避けてお伝えするとして、本作の良いところは人生の厳しい局面をしっかりと描いていることです。だから大人も引き込まれる物語になっていて、自分が子どもの頃を思い出してみたり、お子さんがいらっしゃる方ならこれからの子どもの成長を想像してみたり、共感できるポイントがいくつもあります。そういったポイントに繋がる作り手のスタンスについては、来日した監督へのインタビューでもお伺いしたので、ぜひインタビュー記事(12/18掲載予定)も読んで頂けたらと思います。また、本作の魅力はなんといってもスケールの大きさ。たくさんのドラゴンが優雅に空を飛ぶ姿は大きなスクリーンでこそより映えます。1作目が劇場公開されたのは2010年ですが、そこから映像技術も進化し、それによってスケールアップした壮大なシーンがいくつもあります。中でも驚いたのは、1作目では8匹しか登場していなかったドラゴンが、今作では最高6万5千匹以上登場していること。もはやそれだけいても観客には数えられないのに(笑)、それをやっちゃうこだわりがスゴいですよね!でもそこまでやるくらい作り手がこの作品を愛しているのがわかるくらい、観る側も好きになる作品なんです。だからぜひ、老若男女問わず、多くの人に観て欲しい!前作を観ていない人でも、今作の始めに前作を振り返る解説ムービーが流れるので今作から観ても大丈夫です。

デート向き映画判定
映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

一見ファミリー向け映画だと思われがちですが、大人もハマるしっかりしたストーリーです。ヒックは頼もしいリーダーになりましたが、恋にはちょっと奥手。今作ではそんなヒックの恋愛にも動きが見え、彼の相棒トゥースにも恋が芽生えて、微笑ましいシーンが満載です。ドラゴンが空を飛び回るシーンは、優雅でスピーディで惹きつけられるので、スケールも大人が観るのに充分なレベルです。若いカップルはもちろん、大人カップルもぜひ観てください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

大好きな友達といつまでも一緒にいたいのは皆同じ。でも、それぞれ大人になっていくのは避けられません。本作は、お互いが大事だからこそ、自立しなければいけないことを教えてくれます。ちょっと寂しいけれど嬉しくもある、そんな複雑な感情を見事に演出したストーリーとなっていて、友達と観ればより絆が深まるでしょう。前作を観てから今作を観たほうがわかりやすいのは言うまでもありませんが、先に今作を観てから興味を持ったら前作を振り返る観方でも、逆に「こんなことがあったんだ!」という驚きを持って観られておもしろいと思います。

映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』
2019年12月20日より全国公開
東宝東和、ギャガ
公式サイト

TEXT by Myson

© 2019 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『けものがいる』レア・セドゥ 心理学から観る映画53:感情は有害か有用か

『けものがいる』と『シンシン/SING SING』は全く内容は異なるものの、感情の必要性について考えさせられるストーリー…

映画『秋が来るとき』エレーヌ・ヴァンサン/ジョジアーヌ・バラスコ 『秋が来るとき』特別一般試写会 10組20名様ご招待

映画『秋が来るとき』特別一般試写会 10組20名様ご招待

映画『#真相をお話しします』大森元貴/菊池風磨 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年4月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年4月】のアクセスランキングを発表!

映画『未完成の映画』チン・ハオ/マオ・シャオルイ 未完成の映画【レビュー】

物語の始まりは2019年。10年間、電源が入れられずにいたパソコンを起動し…

映画『アンジーのBARで逢いましょう』草笛光子 草笛光子【ギャラリー/出演作一覧】

1933年10月22日生まれ。神奈川県出身。

映画『サンダーボルツ*』フローレンス・ピュー/デヴィッド・ハーバー/セバスチャン・スタン/ワイアット・ラッセル/オルガ・キュリレンコ/ハナ・ジョン=カーメン/ジュリア・ルイス=ドレイファス サンダーボルツ*【レビュー】

こりゃ、おもしろい!いろいろ新鮮で…

映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M) 『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(Mサイズ)2名様 プレゼント

映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(Mサイズ)2名様 プレゼント

映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ ロザリー【レビュー】

自分で作った美しいドレスを身にまとったロザリー(ナディア・テレスキウィッツ)は、父(ギュスタヴ・ケルヴェン)に連れられて…

映画『マリリン・モンロー 私の愛しかた』マリリン・モンロー 『マリリン・モンロー 私の愛しかた』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『マリリン・モンロー 私の愛しかた』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『サスカッチ・サンセット』ジェシー・アイゼンバーグ/ライリー・キーオ 『サスカッチ・サンセット』先行試写会 10名様ご招待

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』ジャパンプレミア試写会 5組10名様ご招待

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『けものがいる』レア・セドゥ
  2. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  3. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性

REVIEW

  1. 映画『#真相をお話しします』大森元貴/菊池風磨
  2. 映画『未完成の映画』チン・ハオ/マオ・シャオルイ
  3. 映画『サンダーボルツ*』フローレンス・ピュー/デヴィッド・ハーバー/セバスチャン・スタン/ワイアット・ラッセル/オルガ・キュリレンコ/ハナ・ジョン=カーメン/ジュリア・ルイス=ドレイファス
  4. 映画『ロザリー』ナディア・テレスキウィッツ
  5. 映画『女神降臨 After プロポーズ編』Kōki,/渡邊圭祐/綱啓永

PRESENT

  1. 映画『秋が来るとき』エレーヌ・ヴァンサン/ジョジアーヌ・バラスコ
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 映画『マリリン・モンロー 私の愛しかた』マリリン・モンロー
PAGE TOP