REVIEW

ペリリュー −楽園のゲルニカ−【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

REVIEW

絵は可愛らしいけれど、壮絶な内容です。本作は、武田一義が史実に基づいて描いた同名の戦争漫画を原作としています。原作は、全11巻、外伝全4巻で構成されています。なお、原作者の武田一義は監修と、アニメーション演出家の西村ジュンジとともに脚本を担当しています(映画公式サイト)。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

物語の舞台は太平洋戦争末期の昭和19年(1944年)、南太平洋にあるパラオ共和国にあるペリリュー島です。21歳の日本兵士、田丸均(声:板垣李光人)は漫画家志望で、戦場でも隙をみては絵を描いています。そして、物語を作る才能を見込まれた田丸は、仲間の最期を遺族に伝えるために勇姿を書き記す「功績係」に任命されます。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

まず、「功績係」の役目がとても切ないです。この役目は人に優しく、創造力と想像力がなければ務まりません。また、本作のストーリーを貫く大きな要素となっています。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

田丸は戦場で同い年の吉敷桂助(声:中村倫也)と出会い、行動を共にします。そして、2人は助け合い、苦難を乗り越えていきます。でも、本作は2人がただ生き残るという話ではない点でも衝撃的です。戦争で多くの方が亡くなる残酷さに加えて、生きながらえている人々もこんな状況に追い込まれていたのかと思うと言葉が出ません。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

ネタバレを避けて、ここでは具体的に書かないとして、“戦争を終われない”事情があまりに残酷です。本来は生き残ることが優先されるべきなのに、“意味ある死”にこだわる状況が、失わずに済んだ命さえも奪ってしまう。だから、戦争の無意味さをまざまざと見せつけられます。戦争の現実をいつまでも忘れないよう、同じことを繰り返さないよう、世代を問わず多くの方に観て欲しい1作です。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

以下に、映画公式資料による「ペリリュー島の戦い」の説明を掲載します。観賞前もしくは鑑賞後にお読みください。

「ペリリュー島の壮絶な戦い」とは?
太平洋戦争、すでに日本の戦局が悪化していた昭和19年9月15日から約2か月半間繰り広げられたパラオ南西部ペリリュー島での戦い。 ペリリュー島を、フィリピン奪還を目指す米軍の拠点にすることが目的で開戦した。日本軍にとってはそれまでの自決覚悟で一斉突入して玉砕する “バンザイ突撃” を禁じられ、持久戦で時間稼ぎをするよう方針転換がなされた最初の戦いとなり、この方針転換は、その後の硫黄島の戦いにも引き継がれている。
米軍4万に対し、 日本軍1万で開戦したが、 最後まで生き残った日本兵はわずか34人。 米軍も1600人以上が死亡したとされ米海兵隊史上の死傷率も最も激しい戦いと言われている。その犠牲の多さと過酷さに対し、ほとんど語られることのない「忘れられた戦い」とも言われており、2025年(令和7年)現在でも千を超える日本兵の遺骨が収容されず島に眠っている。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』

『ペリリュー −楽園のゲルニカ−』
2026年7月19日よりNetflixにて配信中/ブルーレイ&DVD販売中
公式サイト Netflixで観る 

©武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2026年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

実写映画『ルックバック』出口夏希/蒔田彩珠 ルックバック【レビュー】

藤本タツキによる原作漫画「ルックバック」は、「2024年には劇場アニメ化され、第48回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。2026年7月現在、発行部数は100万部を突破して」おり、「本作は、藤本タツキ作品として初の実写映画化」となります…

映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』織田裕二 踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!【レビュー】

『踊る大捜査線』は1997年に連続ドラマとして放送が開始され、「これまでに公開された映画シリーズ8作品の累計動員数は3863万人、累計興行収入は524.1億円.。映画第2弾『踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)は、興行収入173.5億円を記録」した…

映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ 私たちは、ちょうどいい。【レビュー】

普段極力前情報を入れずに観るので、本作の背景も知りませんでした。だから、とてもイイ話だなとウルウルしてたら、最後に…

映画『ナイトボーン -夜哭-』セイディ・ハーラ セイディ・ハーラ【ギャラリー/出演作一覧】

1984年1月1日生まれ。フィンランド・キルッコヌンミ出身。

映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春 さとこはいつも【レビュー】

沖田修一監督作特有の甘塩っぱい世界観がたまらない1作…

映画『ブルーロック』高橋文哉 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年8月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年8月】のアクセスランキングを発表!

映画『ワンオペレーション』ローズ・バーン ワンオペレーション【レビュー】

観ているだけで、主人公リンダ(ローズ・バーン)の半端ない疲労感が生々しく伝わってくる作品です…

映画『白鳥とコウモリ』風吹ジュン 風吹ジュン【ギャラリー/出演作一覧】

1952年5月12日生まれ。富山県出身。

映画『八つ墓村』尾上松也 八つ墓村【レビュー】

シリーズ累計発行部数5500万部を超える、横溝正史のベストセラー「八つ墓村」は…

映画『顔 -かお-』シン・ヒョンビン ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】あの映画がおもしろいと思う本当の理由『ドラマなふたり』『顔 -かお-』『ナイトボーン -夜哭-』など

今回取り上げた映画は、『5秒で完全犯罪を生成する方法』『ドラマなふたり』『オークストリートの異変』『顔 -かお-』『ナイトボーン -夜哭-』です。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!
  2. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  3. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

REVIEW

  1. 実写映画『ルックバック』出口夏希/蒔田彩珠
  2. 映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』織田裕二
  3. 映画『私たちは、ちょうどいい。』バービー・フェレイラ/ジョン・レグイザモ
  4. 映画『さとこはいつも』有村架純/石田ひかり/姫野花春
  5. 映画『ブルーロック』高橋文哉

PRESENT

  1. ドラマ『幸せカナコの殺し屋生活2』のん/藤ヶ谷太輔
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP