REVIEW

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』オルガ・キュリレンコ/アレックス・ロウザー

巧みなトリックとどんでん返しの繰り返しで、気持ち良く騙される快感を得られます。物語は、全世界待望のミステリー小説の新刊を世界同時出版するため、9名の翻訳家がフランスの人里離れた村にある要塞のような洋館に集められるところから始まります。そこではネット、電話などの外部との連絡を一切絶たれており、外出も禁じられています。これは新刊の内容が出版されるまで絶対に外に漏れないようにするためなのですが、なんとこんな厳重な体制のもとで、新刊の内容が盗まれてしまうという事態が発生します。そこで犯人は誰かと大騒ぎになるのですが、ここから物語はガラリと様相を変え、緊張感が一気に増していきます。観る側も誰が犯人なのかずっと探りながら観ることになるのですが、映し方やセリフなどが綿密に計算されていて、種明かしがされる度に、あらゆるところに謎解きのヒントが仕掛けられていたことがわかっていくのが爽快です。またキャラクターが翻訳家というのもミソで、何から何まで上手く作り込んでいるなと感服します。文学への愛も感じられるので、本好きな人にもオススメです。

デート向き映画判定
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』ランベール・ウィルソン

かなり見入ってしまう内容なので、隣の好きな人がほったらかしになる可能性があります(笑)。なので、ムーディになっている暇はありませんが、観終わった後にはいろいろと会話が弾むのではと思います。カップルで観て気まずいこともなく、誰が観ても楽しめるので、初デートでもありでしょう。ただ、やはりミステリーということで頭を使うので、そういうタイプが苦手な人を誘うのは控えたほうが良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』オルガ・キュリレンコ/アレックス・ロウザー

若い皆さんは頭が柔らかいので、こういう謎解きは大いに楽しめるでしょう。1人でじっくり観るのも良いですが、観終わった後に「あそこで気付いた」とか、「あの人があのシーンでこんなことをしてたから気になってた」とか、話せる相手がいるほうが楽しいです。親子で観ても、友達と観ても良いでしょう。

映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』オルガ・キュリレンコ/アレックス・ロウザー

『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
2020年1月24日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト

TEXT by Myson

© (2019) TRÉSOR FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – MARS FILMS- WILD BUNCH – ES PRODUCTIONS DU TRÉSOR – ARTÉMIS PRODUCTIONS

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー THE MONKEY/ザ・モンキー【レビュー】

怖いはずなのにどこか可笑しい絶妙なバランスの本作は、スティーヴン・キングの短編を原作としています…

映画『戦争と女の顔』ヴィクトリア・ミロシニチェンコ ヴィクトリア・ミロシニチェンコ【ギャラリー/出演作一覧】

1994年5月17日生まれ。ロシア出身。

映画『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー 『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー

フランスで3週連続NO.1(仏映画興収/実写映画において)を獲得し、260万人動員の大ヒットを記録した話題作『ファンファーレ!ふたつの音』。今回は本作のエマニュエル・クールコル監督にインタビューさせていただきました。

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー
  2. 映画『ひゃくえむ。』
  3. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  4. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  5. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP