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がんばっていきまっしょい【レビュー】

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映画『がんばっていきまっしょい』

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1995年に“坊っちゃん文学賞”を受賞した青春小説「がんばっていきまっしょい」(敷村良子著)が、映画化、ドラマ化に続き、アニメ化されました。本作の物語の舞台は愛媛県の松山市、主人公はボート部の女子高校生達です。中学生の頃は何でも人より上手くできた悦子は、高校に入ってからは同じようにはいかずに自信をなくし、何事にも悲観的になっています。そんななか、転校生の梨衣奈がボート部を復活させようと、同じクラスの悦子と、悦子の幼馴染、姫を誘います。悦子は最初人数合わせのために入部しただけだったものの、仲間と練習するうちに徐々にボートへの情熱を燃やし始めます。

映画『がんばっていきまっしょい』

子どもの頃にあった無敵感というか全能感が、成長するにつれて失われていく感覚が、どこか懐かしく感じました。成長に伴い、自分が属する社会が広くなっていく分、自分が得意だと思っていたことをもっと上手くやれる人達が続々と出てくるんですよね。でも、そうした場面に出くわした時にこそ、自分が本当に好きなこと、打ち込むべきものが見つかるとラッキーで、これだけは負けたくないと思って努力することで、再び自信を取り戻せる機会を得られるのだろうなと、改めて感じます。本作を観ると、そうした思春期特有の奮闘がとても印象に残ります。

映画『がんばっていきまっしょい』

そして、淡い恋心のような気持ちや、友達との関係、部活動のチームとしての関係など、これぞ思春期といえる等身大の姿が描かれていて、お互いを思いやり、時にはそっとしておいてあげたりする姿にも共感を覚えます。ティーンの皆さんは等身大で観つつ、大人は原点に変える気持ちで観てはどうでしょうか。

デート向き映画判定

映画『がんばっていきまっしょい』

清々しい青春ドラマなので、デートで観るのもアリでしょう。主人公達と年齢が近いカップルなら、お互いの友達や打ち込んでいることを話すきっかけになるでしょうし、大人は10代の頃を振り返り、どんな子どもだったか話すきっかけになるでしょう。ボート部のお話とはいえ、マニアックな点はなく、根本は誰もが経験する思春期の気持ちを描いているので、どんな方が観ても楽しめそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『がんばっていきまっしょい』

内容を知らなければ、スポ根アニメと思うかもしれませんが、むしろ物語の導入としては逆です。なので、部活をやっている、いないにかかわらず、誰もが感じたことのある感情に共感できる部分があると思います。また、タイプが異なるキャラクターが登場するので、いろいろな視点で観られます。そして、大き過ぎる目標ではなく、割と現実的な目標に向けてコツコツ努力する姿が描かれているので、気負いし過ぎずに地道に頑張ろうという気にさせてくれると思います。

映画『がんばっていきまっしょい』

『がんばっていきまっしょい』
2024年10月25日より全国公開
松竹
公式サイト

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©がんばっていきまっしょい製作委員会

TEXT by Myson


関連作:

『がんばっていきまっしょい』(実写版)
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