REVIEW

風のマジム【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『風のマジム』伊藤沙莉

REVIEW

マジムって何だろうから始まり、すぐに主人公の名前とわかると、次に「じゃあ、風のマジムってどういうことなんだろう?」という具合にどんどん引き込まれていきます。原作ファンの方が楽しめるのはもちろんのこと、私のように原作を読まず、内容も全く入れずに観ると、伏線がどんどん繋がっていく過程が一層楽しめると思います。

映画『風のマジム』伊藤沙莉/富田靖子/高畑淳子

主人公の伊波まじむ(伊藤沙莉)は、沖縄にある通信会社の契約社員で、何となく将来に迷い始めた様子がうかがえます。そんななか、契約社員でも社内プロジェクトに応募できることを知り、同じ頃あることをひらめきます。そして、マジムは社内プロジェクトの応募にチャレンジします。

映画『風のマジム』伊藤沙莉/高畑淳子

本作はマジムという一人の女性の挑戦と、彼女のルーツ、そして生まれ持っての性格というか才能が交錯し、運命が動き出す瞬間を映し出しています。同時に彼女が生まれ育った沖縄への思いと、沖縄県民それぞれの思いが通じ合ったり、ぶつかり合ったりする様子が描かれています。

映画『風のマジム』伊藤沙莉/染谷将太/高畑淳子

実社会で考えるとスケールの大きな話でありつつ、一人ひとりの人間の思いが大切にされる様子が描かれているので、多くの方が等身大でマジムの気持ちに寄り添いながら観られるはずです。ちょうど私は、自分が観るべきタイミングでこの作品に出会ったなと思えるような金言にビビッときました。自分らしくありつつ、昨日の自分よりも一歩一歩成長するマジムの姿にすごく勇気をもらえます。

映画『風のマジム』伊藤沙莉/肥後克広

伊藤沙莉がマジムの役にぴったりな点でもすごく感情移入しやすいです。脇を固める俳優陣も皆良い仕事をしていて、特に小野寺ずるが印象に残りました。あと、俳優としての肥後克広がいつもダチョウ倶楽部感を見事に消していて、どっぷり作品の世界観に入っていることに改めて驚かされます。とにかく本作は、ホッコリした気分と元気、そして勇気をくれる作品なので、ビタミン剤のように摂取してください。

デート向き映画判定

映画『風のマジム』伊藤沙莉/染谷将太/滝藤賢一

ラブストーリーの要素はほぼありませんが、打ち込めるものがなくて悩んでいたり、逆に打ち込めるものが見つかったけれど怖くて前に進めない時に一緒に観ると、お互いに励まし合いながらモチベーションを上げられるのではないでしょうか。本作を観て南大東島に行きたくなったら、旅行の予定を一緒にたてるのも良いですね。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『風のマジム』伊藤沙莉

若い皆さんは大人と別の視点でも楽しめると思います。過疎化や家業の跡継ぎ問題なども背景として出てくるので、地方に住んでいる若い皆さんは自分と重ねて観られる部分もありそうです。また、マジムがこれまでの日常を変えようと一歩踏み出す姿は、どこに住んでいるかにかかわらず、誰にでも通じる部分があります。人と違ってもいいから自分らしい方法で当たって砕けろの精神を見せてもらえますよ。

映画『風のマジム』伊藤沙莉/染谷将太/尚玄/シシド・カフカ/橋本一郎/小野寺ずる/なかち/下地萌音/川田広樹/眞島秀和/肥後克広/滝藤賢一/富田靖子/高畑淳子

『風のマジム』
2025年9月5日より沖縄県先行公開、9月12日より全国公開
コギトワークス
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©2025 映画「風のマジム」

TEXT by Myson


関連作

「風のマジム」原田マハ 著/講談社文庫
Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド 悪魔祓い株式会社【レビュー】

本作は、『悪人伝』や“犯罪都市”シリーズ、ハリウッド映画『エターナルズ』などでお馴染みのマ・ドンソクが…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ 『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

映画『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 イクサガミ【レビュー】

今村翔吾著のベストセラー「イクサガミ」シリーズを原作とする本シリーズでは、岡田准一が主演、プロデューサー、アクションプランナー、藤井道人、山口健人、山本透が監督と脚本を担当…

映画『TOKYOタクシー』蒼井優 蒼井優【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月17日生まれ。福岡県出身。

映画『バーフバリ エピック4K』来日舞台挨拶イベント、プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ(プロデューサー) プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ来日!『バーフバリ エピック4K』には追加シーンも

2025年に劇場公開10周年を迎える大ヒット作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ2 王の凱旋』を一つの作品として再編集し、壮大な物語を4K映像で体験できる『バーフバリ エピック4K』の日本公開を目前にして、バーフバリ役のプラバースと、プロデューサーのショーブ・ヤーララガッダが来日しました。

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 楓【レビュー】

残酷過ぎて、切な過ぎて、優し過ぎて、どうしましょ(笑)。ネタバレを避けると、ほぼ何も書けませんが…

【東京コミコン2025】オープニング:イライジャ・ウッド、カール・アーバン、リー・トンプソン、トム・ウィルソン、クローディア・ウエルズ、ダニエル・ローガン、ジョン・バーンサル、クリスティーナ・リッチ、イヴァナ・リンチ、ノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリー、ジャック・クエイド、マッツ・ミケルセン、浅野忠信、ピルウ・アスベック、セバスチャン・スタン、ジム・リー、C.B.セブルスキー、フランク・ミラー、クリストファー・ロイド、中丸雄一(MC)、伊織もえ(PR大使)、山本耕史(アンバサダー) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』一行や人気アメコミ出演者達が勢揃い!【東京コミコン2025】オープニングセレモニー

年末恒例行事となった東京コミコンのオープニングセレモニーを取材してきました。今年は過去最高といえるのではないかという数のスター達が来日してくれました。

映画『ズートピア2』 ズートピア2【レビュー】

さまざまな動物達が人間と同じように暮らすズートピアを舞台にした本シリーズは…

映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル エディントンへようこそ【レビュー】

アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスの2度目のタッグが実現した本作は、メディアの情報に翻弄される人々の様子を…

映画『愚か者の身分』林裕太 林裕太【ギャラリー/出演作一覧】

2000年11月2日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド
  2. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一
  3. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  4. 映画『ズートピア2』
  5. 映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル

PRESENT

  1. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP