REVIEW

荒野にて

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『荒野にて』チャーリー・プラマー

幼い頃に母が家出し、父と2人で暮らしている15歳の少年チャーリーが、家計を助けるために見つけた仕事で競走馬のピートに出会い、馬との日々を通して成長していく物語。子どもが大人の事情に振り回されながらも、現状を受け入れ、それでもなお孤独に陥り、心の拠り所として馬と過ごす様子を観て、和やかな展開になるのかと思いきや、邦題に入っている“荒野”そのままに、荒れ地に放り出されるような過酷な運命を辿っていきます。試練を与えられたチャーリーは、何とか自分で乗り越えようとしますが、やはりまだ半分子どもなので、観ていてハラハラ。後半はロードムービーとなっていきますが、エミール・ハーシュ主演、2007年の映画『イン・トゥ・ザ・ワイルド』を彷彿とさせる雰囲気もあり、見入ってしまいました。ラストにどうなるのかは観てのお楽しみとして、子どもが子どもらしくあるってどういうことなんだろうと考えさせられる物語でした。微笑ましく見守れる成長物語もあれば、観ていて辛い(もうちょっと子どもでいさせてあげたい)成長物語もありますね。

デート向き映画判定
映画『荒野にて』チャーリー・プラマー/クロエ・セヴィニー

人間ドラマとして見応えがありますが、ロマンチックなムードになるようなタイプの映画ではなく、内容もやや重いので、1人でじっくり観るか、映画好きの友達と一緒に観るのをオススメします。お子さんのいらっしゃる夫婦は、感情移入せざるを得ない内容で、父目線、母目線でも心に刺さるものがあると思います。思春期のお子さんがいらっしゃる夫婦にはいろいろと刺激が得られると思うので、夫婦揃って観るのも良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『荒野にて』チャーリー・プラマー

15歳の少年が主人公なので、ティーンの皆さんは等身大で感情移入できるのではないでしょうか。物語は淡々と進んでいきますが、主人公チャーリーの心の中は激しく動いているのがわかると思います。大人が苦しい生活環境、経済状況を打破するのと、15歳の少年が打破するのとでは難易度が全然違います。まだ子どもでいても良い年齢なのに、やむを得ず厳しい社会に放り出されてしまうチャーリーの姿は観ていて辛い部分もありますが、良い刺激ももたらしてくれると思います。

映画『荒野にて』チャーリー・プラマー

『荒野にて』
2019年4月12日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト

© The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  2. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  3. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  4. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  5. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP