REVIEW
“ジェネリックロマンス”という要素から何を期待するのか、そして本作で描かれる“ジェネリックロマンス”をどう受け取るのかは、意見が両極に分かれそうな気がします。
物語の舞台は香港にあるノスタルジックな町、九龍城砦。九龍城砦といえば、映画好きなら、2025年1月に公開されたヒット作『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も同作を観ていた分、九龍城砦とはどういう場所なのかがイメージしやすく、本作の設定と九龍城砦の相性の良さを感じられました。

原作漫画を読んだ方はさておき、何も知らずに本作を観る方はなるべく前情報を入れずに観るほうが、とあるキャラクターの困惑を等身大で体感できると思います。本作の魅力の1つは、この世界のカラクリで、最初から注意深く観ていると、どんどん伏線が繋がっていきます。

この世界のカラクリがわかった後の展開では、鯨井令子(吉岡里帆)と工藤発(水上恒司)がどんな選択をするのかが見ものです。正直なところ、何が正解かは意見が分かれそうなところで、結末には賛否両論あるように感じます。

何がどうなればロマンチックなのかという点で考えてみた場合、個人的には別の結末を期待しました(苦笑)。その理由としては、“ジェネリック”という部分が大きく関わります。ネタバレを避けてここではこれ以上論じませんが、いずれにしても議論したくなる内容なので、誰かを誘って観ると鑑賞後もより楽しめそうです。
デート向き映画判定

どのキャラクターの目線に立って観るかで受け止め方が変わりそうなので、鑑賞後の会話も弾むでしょう。本作を観た後にどういう感想を持ったかで、各々のロマンチックの定義を知ることもできそうです。ただし、議論が白熱しがちなカップルの場合、お互いの価値観の違いに結びつけてしまう可能性もなきにしもあらずなので、ヒートアップし過ぎたら、あくまでエンタテインメントの中のストーリーということを思い出しましょう(笑)。
キッズ&ティーン向き映画判定

ラブストーリーとしても楽しめつつ、伏線回収するおもしろさもあるので、頭の体操として観るのもアリでしょう。小物も伏線として効果的に使われているので、細部まで観察してください。友達と一緒に観ると、鑑賞後に答え合わせをできるので、一層楽しめると思います。気に入ったら、原作漫画やアニメも観て、それぞれの魅力を比較してみるのも良いですね。

『九龍ジェネリックロマンス』
2025年8月29日より全国公開
バンダイナムコフィルムワークス
公式サイト
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©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会
TEXT by Myson
関連作
「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん 著/集英社
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情報は2025年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
