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メタモルフォーゼの縁側【レビュー】

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映画『メタモルフォーゼの縁側』芦田愛菜/宮本信子

数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の漫画を実写映画化した本作は、17歳の高校生のうらら(芦田愛菜)がBLを通して75歳の雪(宮本信子)と友情を育む様子を描いた心温まるストーリーとなっています。BLへの興味に関係なく、純粋に年の差をこえた友情の行方を楽しむことができるので、どんな人でも観やすい作品だと思います。まず、年が離れていても同じ趣味を通して会話が弾んでウキウキしている2人の姿を観ていると微笑ましくなります。また、年の差があるからこそアドバイスできることもあり、そういう意味ではうららと雪の関係が羨ましくなります。
うららがBL好きなことに対して後ろめたく思う気持ちや、ある同級生を苦手に思っているところは、同世代なら共感できる部分が見つかるのではないでしょうか。雪が初めてBLと出会う姿もキュートで、年をとっても新しい趣味を見つけられることは、本当に素敵だなと感じます。
芦田愛菜は子役時代から積み重ねてきた安定した演技力を証明していて、観客は彼女が今後も映画で活躍する姿を観たくなるでしょう。そんな芦田愛菜と対峙した宮本信子はもちろん、高橋恭平(なにわ男子)、古川琴音、光石研らの活躍も見逃せません。社会のボーダーレス化が謳われる昨今、本作のように年齢や趣味のボーダーももっともっとなくなったら、より素敵な世の中になりそうだなと思います。そういった社会的な背景も頭の片隅で考えつつ、本作からたくさんの教訓を得てください。

デート向き映画判定
映画『メタモルフォーゼの縁側』芦田愛菜/宮本信子

気まずいシーンがないので、初デートにも向いています。高校生らしい恋愛模様も少しだけ描かれているので、同世代にとっては参考になる点がありそうです。また、BLの漫画内での恋愛模様は、カップル間の心の駆け引きが繊細に描かれていて、性的指向にかかわらずキュンとしてしまうシーンがあるので、これを機にBLに目覚める方もいるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『メタモルフォーゼの縁側』宮本信子/古川琴音

うららと雪の姿を観ていると、皆さんも「こういう友情も素敵だな」と感じるはずです。必ずしも世代の近い人だけと友達になる必要はなく、純粋に話していて楽しい人や居心地の良い人であれば、どんな人とでも友達になれることがわかります。ティーンの場合は、うららがある挑戦をする姿にも注目して、勇気を出すことの大切さも学んで欲しいと思います。

映画『メタモルフォーゼの縁側』芦田愛菜/宮本信子

『メタモルフォーゼの縁側』
2022年6月17日より全国公開
日活
公式サイト

©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会

TEXT by Shamy

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