REVIEW

MONOS 猿と呼ばれし者たち

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』

毎度ながら前情報を入れずに観ました。子ども達が楽しそうに遊んでいるシーンから始まり、その後彼等が兵士であることがわかります。大人はたまに見に来るだけで、日常は彼等だけで過ごし、ある重要な任務を任されています。そんな状況下で厳しい訓練と無邪気に遊ぶ姿が映し出されますが、あることをきっかけに緊張感が一気に高まり、グループの空気がどんどん変化していきます。
彼等はコードネーム“モノス”と呼ばれていますが、これは猿を意味するようです。本作を観ていると彼等が自然にすぐに順応し逞しく生きる姿から、本能的で野生的な一面によって彼等は生き延びているように思えます。そして群れになっているからこそある程度の結束力がある一方、まだ子どもというところで小さなほころびができるとすぐに崩れてしまうチームワークの脆さがあるのも印象的です。また純粋で正直だからこそ読めない展開もあれば、後先考えない無謀な一面もあり、何が起きるかわからない怖さがあります。
序盤の危なっかしい感じから、後半はどんどん狂気的な状況に変わっていきます。それは一見彼等自身が狂ってしまったかのように見えますが、子どもが子どもでいられない現状、早く大人にならざるを得ない現状は、この世界の至るところにあることを物語っているように思えます。そして彼等は“猿”ではなく、人間であるというところで、「これは人の子の話ですよ」と言われているような気がします。これはただの私の解釈ですが、皆さんも本作が何を物語っているのか観ながらいろいろな解釈をしてみてください。

デート向き映画判定
映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』ジュリアンヌ・ニコルソン

物々しいストーリーで、デートムービーとは言えませんが、見応えのある作品です。派手でシンプルな映画よりも、いろいろと考えさせられる映画を好むカップルは、観終えた後にいろいろと解釈を話し合うとおもしろいと思います。世界各国の映画祭でも多数受賞している作品なので、映画好きカップルのデートには良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』

皆さんと同じ年頃の子ども達が兵士として生活している姿を描いた映画です。友達なのか上下関係なのか微妙な関係性が日々の出来事によって変わりゆく姿が印象的に描かれていて、皆さんは等身大で観て複雑な気持ちになるでしょう。怖い展開も出てきますが、本作を観るといかに平和に暮らせていることが幸せか逆に実感できると思います。小学生にはまだ難しいかもしれませんが、中学生くらいなら観てみて欲しい1作です。

映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』

『MONOS 猿と呼ばれし者たち』
2021年10月30日より全国順次公開
ザジフィルムズ
公式サイト

©Stela Cine, Campo, Lemming Film, Pandora, SnowGlobe, Film i Väst, Pando & Mutante Cine

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『君が最後に遺した歌』道枝駿佑/生見愛瑠 君が最後に遺した歌【レビュー】

タイトルに「遺した」とあるので、悲しい展開を予想される方もいるでしょう。ただ、それだけではなく…

Amazon Prime Video映画『ムーンフォール』ハル・ベリー ハル・ベリー【ギャラリー/出演作一覧】

1966年8月14日生まれ。アメリカ、オハイオ州クリーブランド生まれ。

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング プロジェクト・ヘイル・メアリー【レビュー】

タイトルについている“プロジェクト・ヘイル・メアリー”とは、“イチかバチか(ヘイル・メアリー)”のプロジェクトという意味…

映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』山﨑賢人/山田杏奈 ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編【レビュー】

本作は野田サトル氏による原作コミック “第一部の総括”的ポジションにあたるといわれており…

映画『スペシャルズ』佐久間大介(Snow Man) 佐久間大介【ギャラリー/出演作一覧】

1992年7月5日生まれ。東京都出身。

映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ 『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』キム・へヨン監督来日記念試写イベント 6組12名様ご招待

映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』キム・へヨン監督来日記念試写イベント 6組12名様ご招待

映画『キング・オブ・キングス』 『キング・オブ・キングス』ムビチケカード 3名様プレゼント

映画『キング・オブ・キングス』ムビチケカード 3名様プレゼント

映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』ジャパンプレミアイベント、ティモシー・シャラメ、ジョシュ・サフディ監督、川口功人、窪塚洋介 ティモシー・シャラメ「高い情熱を常にキープすることを意識しました」『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』来日ジャパンプレミアイベント

映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』来日ジャパンプレミアイベント:ティモシー・シャラメ、ジ…

映画『私がビーバーになる時』 私がビーバーになる時【レビュー】

「こんなストーリーなのか!」と、良い意味で想像と全く異なる展開に…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』 私ならこうする!『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』を観た女子の本音

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』をトーキョー女子映画部正式部員の皆さんに観ていただき、感想や「私ならこうする!」を聞いてみました。

【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集! 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!

映画を観終わった後に「運命は変えられない」と思ったり、「何事も自分次第」と思うことがありますよね。そういった背景にあるのかもしれない心理的概念として、今回は、ローカス・オブ・コントロール(Locus of Control)を取り上げます。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス

REVIEW

  1. 映画『君が最後に遺した歌』道枝駿佑/生見愛瑠
  2. 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング
  3. 映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』山﨑賢人/山田杏奈
  4. 映画『私がビーバーになる時』
  5. 映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』ティモシー・シャラメ

PRESENT

  1. 映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ
  2. 映画『キング・オブ・キングス』
  3. 映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』峯田和伸/若葉竜也/吉岡里帆
PAGE TOP