REVIEW
ダニー・ボイル監督×アレックス・ガーランド(脚本)の最強タッグで制作されてきた“28”シリーズは、2002年『28日後…』、2007年『28週後…』と続き、本作で3作目となります。2人が本作で十数年ぶりに再タッグを組んだきっかけは、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大と、イギリスのEU離脱だったそうです。そして、2人が描きたかったのは、ゾンビではなく、ウィルス感染により凶暴化した“人間”と、感染を免れた“人間”の物語だといいます(映画公式資料)。

ゾンビではなく感染者である点は、複数のタイプの感染者がいること、そしてそれぞれの特徴に反映されていることからもわかります。どんなタイプの感染者が登場するのかは観てのお楽しみとして、ここでは伏せておきましょう。いずれにしても、相手は“人間”だからこそ手強くて、予想外の展開にも繋がっていきます。

また、このパンデミックによって、一見異常で気味の悪い行動をとるキャラクターも登場します。でも、真相が明かされていくと、その人物の行動は、この世の生と死に向き合い、ルールが変わってしまった世界に適応する独特な生き方のように映ります。

本作の実質的な主人公は、アルフィー・ウィリアムズが演じる12歳の少年スパイクである点も見どころの1つです。彼はさまざまな事情から、早く“大人”にならざるをえない状況にあります。彼は自分の弱さを知っていながら、守りたい人のために命をかけます。感染者に対峙する技術は未熟ながら、愛と信念を持って、安全地帯から飛び出しサバイブする姿には、メッセージ性を感じます。私達の現実世界もパンデミックによって大きく変わり、これまで映画やドラマでしか見ていなかったような異常事態が本当に起こることを知りました。それでも、いつまでも“外の世界”に恐れて内に閉じこもっているままではいられません。本作は、“人間らしく”生きるとは何かを教えてくれている気がします。
デート向き映画判定

ただ怖いだけのホラー映画ではなく、深みのある人間ドラマも観られる作品なので、多少過激なシーンも大丈夫な2人なら、デートで観るのもアリでしょう。夫婦の在り方、親としての立場など、大人カップルにとって、等身大で観られる要素もあります。本作に登場する夫婦は特殊な状態に置かれている点で、客観視できるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

15歳になれば観られるものの、過激なシーンが含まれるので、ホラー映画へ免疫がついてから観るほうが、深い部分まで洞察する余裕が持てる気がします。12歳の少年が大きな決断をし、だんだんと成長していく姿には、親近感を持ちながら共感できるでしょう。本作を観て気に入ったら、シリーズ前作もぜひ観てみてください。

『28年後…』
2025年6月20日より全国公開
R-15+
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
関連作
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情報は2025年6月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
