REVIEW

聖地X

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『聖地X』岡田将生/川口春奈

散歩する侵略者』『太陽』といった映画化作品の原作者として知られる前川知大によるイキウメ(劇団)の舞台演劇を映画化した本作はオール韓国ロケで日韓融合チームにより作られました。宣伝では「想像を絶する驚愕のエクストリームホラー」と謳っていますが、スプラッター映画のような怖さではなく、不気味で不可解な現象が起こる怖さが印象的な作品です。私はイキウメの演劇を観たことはありませんが、映画『散歩する侵略者』『太陽』の奇妙な世界観が好きで、本作にもそれに通じるものがあります。
物語の舞台は数カ所に限られていて、登場人物同士の掛け合いによって物語が展開していく構成には、演劇が原作という空気感が活かされています。逆に映画ではわかりやすく表現できる部分が、演劇ではどうやって表現していたんだろうと気になるところもあり、演劇も観ていて、本作も観る方は比較しても楽しそうです。さらに“あの話”かなと思ったら、そこに捻りが加わっていて、独創的な設定があるのも本作の魅力です。また物理的な解決だけでなく、恋愛、人間関係としての解決も絡み合う物語である点もユニークです。ホラーというよりはSF色が強いので、怖さについてはそこまで敬遠せずに観てみてください。

デート向き映画判定
映画『聖地X』川口春奈/薬丸翔

川口春奈が演じる要の恋愛トラブルが物語の鍵を握っていて、どちらかというと男女で揉めるシーンが多いため、ロマンチックなムードは期待しないほうが良いでしょう。ただ、今穏便に交際しているカップルなら自分達を重ねて観るという感じではなく、純粋にSF映画として楽しめると思います。以前の恋愛を引きずっているような状態の方は1人でじっくり観るか、仲の良い友達と観ると良いでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『聖地X』岡田将生/川口春奈

こういう設定、世界観は小学校高学年、中学生が好きなように思います。ストーリーもシンプルで登場人物が限られているので理解もしやすいでしょう。たまにギョエッとなるシーンも出てきて、程よい刺激もあります。この物語の中で何が起こっているのか、そのカラクリはどうなっているのか考えながら観るのも楽しいので、友達を誘ってみると鑑賞後の会話も弾みそうです。

映画『聖地X』岡田将生/川口春奈/渋川清彦/山田真歩/薬丸翔

『聖地X』
2021年11月19日より劇場公開&auスマートパスプレミアム、TELASA(テラサ)にて配信開始
GAGA、朝日新聞社
公式サイト

©2021「聖地X」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP