REVIEW
“新凱旋門”という通称をもつ“グランダルシュ”は、ルーヴル美術館のガラスでできたピラミットからシャンゼリゼ、凱旋門までを直線で繋ぐラインの先に位置するキューブ型の巨大なモニュメントです。映画公式資料によると、「フランス革命200周年を記念する国家プロジェクトとして建設され、1989年7月14日に落成。20世紀フランスを象徴する公共建築のひとつとして知られている」

1981年のフランス大統領選挙で当選したミッテランが推進した事業で、コンペを経て、53歳のデンマーク人建築家、ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンがデザインしたキューブ型のモニュメントが選ばれました。本作は、この“新凱旋門”完成までの知られざる物語を描いています。

原作は、ロランス・コセ著「新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ」です。映画公式資料によると、ロランス・コセの大叔父は、「星の王子様」で知られるサン=テグジュペリだそうですよ。本作は、ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンの実話をベースにしつつ、脚本も兼務したステファン・ドゥムースティエ監督による創作も含んでいます。たとえば、ヨハンの妻の役割を含めたキャラクターは創作である点が、本作の冒頭でも述べられています。

本作を観ていただくとわかる通り、新凱旋門は数々の困難を経て完成に向かいます。経済的にも技術的にも建築できるかどうかを判断する上で、ヨハン(クレス・バング)の建築家として作者としてのこだわりが、どこまで生かされるのかが争点となっています。建築家に限らず、クリエイティブな仕事をする方なら誰でも、本作を観ると、創作とビジネスで折り合いをつける難しさを自分の立場にも結び付けて、改めて実感する機会となりそうです。
本作を観ておくと、ますますパリに行ってみたくなると同時に、実際に行くことがあったら、パリの風景を前にさまざまな思いが湧いてきそうです。
デート向き映画判定

ドゥムースティエ監督が創作した部分があるヨハンの妻リヴ(シセ・バベット・クヌッセン)は、本作では重要な役割を果たしています。妥協を許さないヨハンと、期日までに完成させるために現実的な方法を模索するポール・アンドリュー(スワン・アルロー)や、官僚のジャン=ルイ・シュビロン(グザヴィエ・ドラン)との間にいるリヴの立場を痛いほどわかるという感覚で観る方もいるでしょう。パートナーを取り囲む人間関係で苦労している方は、敢えて自分の状況をパートナーにも客観視してもらう機会として一緒に観るのもアリかもしれません。
キッズ&ティーン向き映画判定

パリには魅力的な建造物が複数あり、新凱旋門もその1つです。世界史という括りで勉強しようと思うと小難しく感じるとしても、本作のような映画をきっかけにその時代の政治について知ると、楽しみながら歴史を学べるのではないでしょうか。

『新凱旋門物語』
2026年7月17日より全国公開
ミモザフィルムズ
公式サイト
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©2025 AGAT FILMS, LE PACTE
photo Julien Panie
TEXT by Myson
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情報は2026年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。






























