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デッドマンズ・ワイヤー【レビュー】

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映画『デッドマンズ・ワイヤー』ビル・スカルスガルド

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ガス・ヴァン・サント監督が映画化した本作は、1977年2月に、アメリカのインディアナポリスで実際に起きた、前代未聞の人質事件に基づいています。犯人は、動くと自動発砲されるようワイヤーで人質の首に向けてショットガンを固定しました。この装置の名前“デッドマンズ・ワイヤー”が、本作のタイトルになっています。
犯人は、インディアナポリスに住むトニー・キリシス(ビル・スカルスガルド)です。トニーは、苛立った様子で不動産ローン会社メリディアン・モーゲージ社を訪れます。でも、アポイントを取ったはずの社長M・L・ホール(アル・パチーノ)は不在で、代わりに社長の息子で役員のディック・ホール(デイカー・モンゴメリー)が対応します。ディックは苛立つトニーをなだめようとするものの、トニーは計画を実行に移します。

映画『デッドマンズ・ワイヤー』アル・パチーノ

トニーはデッドマンズ・ワイヤーをディックに装着すると、意外な行動に出ます。彼は自分が犯人であることを隠そうとはせず、公然の場に出ていきます。そして、自分がメリディアン・モーゲージ社から不当な扱いを受けたことを主張し、失ったものを取り戻そうとします。
本作で観るトニーは極悪非道な人物ではなく、圧倒的な財力と権力を持つ大企業に食い物にされたと主張するいち市民です。さらに、トニーは自分の主張を世に知らしめるためにメディアを使います。こうした弱肉強食の社会、メディアの影響力といった要素は、1977年の事件でありつつも、現代に通じるものがあり、他人事とは思えません。

映画『デッドマンズ・ワイヤー』ケイリー・エルウィス

SNSが普及し、誰もが容易に情報を発信できるようになった今、むしろこうした状況は日常茶飯事ともいえます。トニーのやり方に賛成はしないものの、ではどうすれば良かったのかと考えると、弱者は泣き寝入りするしかないのかと、悶々とした気持ちが湧いてきます。

デート向き映画判定

映画『デッドマンズ・ワイヤー』マイハラ

内容からしてデート向きとはいえません。ただ、社会的な強者と弱者の関係性と同時に、家族の中での強者と弱者も描かれていて、さまざまな立場から観られるので、感想に価値観が表れそうです。交際前に相手をもう少し知っておきたい方は、敢えて一緒に観て、どんな感想が出てくるか試してみるとどうでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『デッドマンズ・ワイヤー』コールマン・ドミンゴ

人質事件を起こしてはいけないというのは当然とした上で、この事件で本当に悪いのは誰なのかと問われたら、簡単には答えが出ないように思います。日本も含めて、現代の資本主義社会では、誰にでもチャンスがある一方で、厳しい現実も多くあります。1977年の事件とはいえ、今も同じ状況といえます。これから社会に出て行く皆さんにとっても、何かしら感じるところがあるでしょう。

映画『デッドマンズ・ワイヤー』ビル・スカルスガルド

『デッドマンズ・ワイヤー』
2026年7月17日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト

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TEXT by Myson

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