REVIEW

TENET テネット

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『TENET テネット』ジョン・デイビッド・ワシントン/ロバート・パティンソン

作品を観る度思いますが、クリストファー・ノーラン監督の頭の中って、どうなってるんでしょうか?今作も良い意味で、“ややこしい”ストーリーになっていて、何度も観て確かめたくなる衝動に駆られます。今作で描かれる世界に何が起きているのかがまだ語られていないところでも、既に“その現象”は表れているので、最初から細部まで注意しながら観てください。「あれ?」と思うシーンがいくつも出てくるのですが、後半で伏線がどんどん回収されていきます。ただ、「待てよ、これがこうでああでそうなるんだったら、さっきのアレは?」といった感じで、謎が解き明かされる度に次の問いが出てきます。これがノーラン監督作品に引き込まれる所以なんでしょうね。それにしても、よくぞこんなストーリーを組み立てられるなと、本当に驚かされます。スタッフの皆さんの頭もこんがらないんですかね(笑)。とにかく今回も良い脳トレになる作品となっています。
そして、実力派俳優達が勢揃いしているのも魅力的ですが、特に主演のジョン・デヴィッド・ワシントンが良い味を出してます。緊張感のあるシーンの隙間にちょいちょいクスッと笑えるセリフがありますが、ジョンの表現が絶妙なんですよね。そんな本作のユーモアも憎いです。観終わった後は、誰かと話して頭の中を整理したくなるので、ぜひ映画仲間を誘って観てください。

デート向き映画判定
映画『TENET テネット』ジョン・デイビッド・ワシントン/ロバート・パティンソン

観終わった後に誰かと話したくなる映画なので、ぜひデートでも観て欲しいですが、普段映画を観慣れていないと、どこまでお話についていけるかがちょっと心配です。鑑賞後は同じテンションで話したいという人は、そうできる人を誘うのが無難でしょう。学術的な視点で観る人にとってもすごくおもしろいストーリーだと思うので、普段は一緒に映画を観ないけど、そういう関心は共通しているという人なら、これを機に誘ってみると楽しそうです。頭を使う映画は好きだけど、解釈が苦手で誰かにフォローして欲しいと思う人もいるので、相手がどんなタイプかによって、誘ってみるか検討してください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『TENET テネット』エリザベス・デビッキ/ケネス・ブラナー

キッズやティーンの皆さんは頭が柔らかいので、本作のような頭を使うストーリーもあまり抵抗なく楽しめるのではないでしょうか。この世界の構造におけるユニークな発想からできているストーリーなので、物理学や化学などへの興味が増す人もいるかも知れないですね。丸ごと紐づくような研究はまだ存在しないかも知れませんが、部分的に本作で描かれているような現象に紐づく理論や研究があるか、探してみるのもおもしろそうです。

映画『TENET テネット』ジョン・デイビッド・ワシントン

『TENET テネット』
2020年9月18日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

© 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ティモシー・シャラメ 名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN【レビュー】

1941年5月、アメリカのミネソタ州で生まれたボブ・ディランは、1962年に…

映画『愛を耕すひと』シモン・ベンネビヤーグ シモン・ベンネビヤーグ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年10月5日生まれ。デンマーク・コペンハーゲン出身。詳しいプロフィールは→IMDb…

映画『悪い夏』北村匠海 『悪い夏』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『悪い夏』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生 ゆきてかへらぬ【レビュー】

鈴木清順監督の大正浪漫三部作といわれる『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』や、相米慎二監督の『セーラー服と機関銃』などを手掛けた名脚本家、田中陽造のオリジナル脚本『ゆきてかへらぬ』は…

映画『奇麗な、悪』瀧内公美 奇麗な、悪【レビュー】

中村文則による原作「火」を映画化した本作は…

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』アンソニー・マッキー キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド【レビュー】

ファルコンことサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)は、元祖キャプテン・アメリカのスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)から盾を託され…

映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-【レビュー】

2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイク”は…

映画『ファーストキス 1ST KISS』松たか子 松たか子【ギャラリー/出演作一覧】

1977年6月10日生まれ。東京都出身。

映画『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』アリシア・ヴィキャンデル/ジュード・ロウ ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻【レビュー】

REVIEW政治的手腕を発揮しながらも、暴君としてイギリス史に悪名を刻んだヘンリー8世には…

映画『聖なるイチジクの種』ソヘイラ・ゴレスターニ/マフサ・ロスタミ/セターレ・マレキ 聖なるイチジクの種【レビュー】

REVIEWイランでは2022年に、ある若い女性がヒジャブ(髪の毛を覆う布)を付けておらず…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

映画『ベルヴィル・ランデブー』 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.3

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダーほか トーキョー女子映画部が選ぶ 2024年ベスト10&イイ俳優MVP

毎年恒例のこの企画では、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

REVIEW

  1. 映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ティモシー・シャラメ
  2. 映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生
  3. 映画『奇麗な、悪』瀧内公美
  4. 映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』アンソニー・マッキー
  5. 映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』

PRESENT

  1. 映画『悪い夏』北村匠海
  2. 映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー
  3. 映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ
PAGE TOP