REVIEW

ワン・セカンド 永遠の24フレーム【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』チャン・イー/リウ・ハオツン

これは、大切なもののために必死になっている人間を描いた、心に染みる物語です。物語の舞台は、1969年の中国。とある町の映画館には住民達が殺到しています。でも、その映画館でかけられるはずのフィルムに問題が発生。それには、1人の少女と、1人の男が関わっています。彼等は必死にフィルムを奪い合うのですが、それぞれに抱える事情が徐々に明かされていきます。
2人の必死の攻防は、ふと一息ついたと思ったら状況が変わり、一段落ついたかと思えば、また別の問題が起き、そのフィルムは無事に上映されるのかとハラハラしながら見守ることになります。同時に、その二転三転する過程のなかで、お互いの事情が見えてきて、それぞれに心が揺れる状況に置かれることで、どんどんドラマチックな展開になっていきます。この人間描写がリアルで、何とも温かく、人間も捨てたものじゃないと感じさせてくれます。メインキャラクターの逃亡者(チャン・イー)とリウの娘(リウ・ハオツン)、ファン電影(ファン・ウェイ)の3人は皆、それぞれにすごく正直に生きていて、人間臭いところも魅力的です。
また、ロケーションを最大限に活かした砂漠のシーンは絵画的で美しく印象に残ります。ラストまで余すところなくホッコリさせてくれるストーリーと演出で、観終わった後は清々しい気持ちになれますよ。

デート向き映画判定
映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』チャン・イー/リウ・ハオツン

ロマンチックな展開はありませんが、逆に気まずいシーンもないので、デートでも観やすいと思います。それぞれのキャラクターの背景に家族の物語があるので、観終わった後はお互いの家族の話をするのも良いでしょう。劇中で美味しそうな麺が出てくるので、そのまま食事に行く流れにしておくのもオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』チャン・イー/ファン・ウェイ

子どもと大人で観るポイントが異なるかもしれません。フィルムがどうなるのかというところはシンプルにハラハラドキドキしながら観られると思いますが、キャラクターの心情の細かな動きは、少し大きくなってから観るほうが感情移入しやすいのではないでしょうか。感覚的には中学生くらいになってから観るのが良いと思います。

映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』チャン・イー/リウ・ハオツン

『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』
2022年5月20日より全国公開
ツイン
公式サイト

© Huanxi Media Group Limited

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『スオミの話をしよう』長澤まさみ/西島秀俊/松坂桃李/遠藤憲一 スオミの話をしよう【レビュー】

毎度豪華キャストが揃う三谷幸喜監督作ということだけで観る動機は…

映画『エイリアン:ロムルス』オリジナルペン 『エイリアン:ロムルス』オリジナルペン 3名様プレゼント

映画『エイリアン:ロムルス』オリジナルペン 3名様プレゼント

映画『ぼくのお日さま』越山敬達/中西希亜良/池松壮亮 ぼくのお日さま【レビュー】

本作は、デビュー作『僕はイエス様が嫌い』(2019)でサンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を史上最年少で受賞した奥山大史監督の作品です…

映画『アビゲイル』アリーシャ・ウィアー アビゲイル【レビュー】

始めにステージ上で黙々とバレエを踊るアビゲイル(アリーシャ・ウィアー)の姿を観て、「本当にこの子が?」と思うほど、後々の変貌が…

映画『花嫁はどこへ?』ニターンシー・ゴーエル 『花嫁はどこへ?』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『花嫁はどこへ?』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『憐れみの3章』エマ・ストーン 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外30代編】総合

今回は、海外30代(1985年から1994生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集…

映画『憑依』カン・ドンウォン 憑依【レビュー】

『憑依』というタイトルから受ける印象とは異なり…

映画『熱烈』ワン・イーボー 熱烈【レビュー】

『熱烈』というタイトルがついているので、熱いストーリーだと予測はするものの、ブレイキンをテーマにしているということで「イエイ、イエイ、ヨーヨーヨー」的な…

映画『ブルーピリオド』板垣李光人 板垣李光人【ギャラリー/出演作一覧】

2002年1月28日生まれ。山梨県出身。

映画『ナミビアの砂漠』河合優実 ナミビアの砂漠【レビュー】

若き才能とエネルギーがほとばしる1作です。山中瑶子監督は、19歳の時に…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『憐れみの3章』エマ・ストーン 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外30代編】総合

今回は、海外30代(1985年から1994生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集…

映画『先生、 私の隣に座っていただけませんか?』柄本佑 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内30代編】個性部門

イイ俳優ランキング【国内30代編】番外編として、今回は<個性部門>のランキングを発表します。国内30代俳優の中には個性の光る俳優が多くおり、今回も接戦となっています。誰が上位に入ったのでしょうか?

映画『ホリック xxxHOLiC』神木隆之介 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内30代編】演技力部門

イイ俳優ランキング【国内30代編】番外編として、今回は<演技力部門>のランキングを発表!人気俳優の中でも演技力にフォーカスすると、誰が上位にくるのでしょうか?

REVIEW

  1. 映画『スオミの話をしよう』長澤まさみ/西島秀俊/松坂桃李/遠藤憲一
  2. 映画『ぼくのお日さま』越山敬達/中西希亜良/池松壮亮
  3. 映画『アビゲイル』アリーシャ・ウィアー
  4. 映画『憑依』カン・ドンウォン
  5. 映画『熱烈』ワン・イーボー

PRESENT

  1. 映画『エイリアン:ロムルス』オリジナルペン
  2. 映画『花嫁はどこへ?』ニターンシー・ゴーエル
  3. 映画『熱烈』Tシャツ
PAGE TOP