取材&インタビュー

映画の力を信じている『宝島』完成報告会見にて、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督が語った熱い思い

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映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督

映画『宝島』完成報告会見:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督

第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞と三冠に輝いた真藤順丈による同名小説を映画化した『宝島』が遂に完成!本作の完成報告会見が行われ、主演の妻夫木聡をはじめ、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督が撮影を振り返りつつ、作品への思いを語りました。

妻夫木聡:
今日はお集まりいただきありがとうございます。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この映画は2回ほど流れまして、ようやく三度目の正直ということでこうして完成することができました。完成報告会見ということで今日を迎えることができ本当に感慨深いです。今日は最後までよろしくお願いいたします。

大友啓史監督:
今日はありがとうございます。妻夫木くんが申し上げた通り、この企画は紆余曲折があり、何とかたどり着きました。俳優達がこの企画を待ってくれて、素晴らしい演技をしてくれ、皆さんにお披露目できることを本当にうれしく思います。よろしくお願いします。

映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡

MC:
妻夫木さんと監督が紆余曲折あったとおっしゃっていましたが、完成した本作をご覧になっていかがでしたか?

妻夫木聡:
まだ客観的に見られていない部分はあると思うんですけど、まずはこの作品が持つ圧倒的な生命力を本当に感じました。観終わった後に、シンプルに生きてかなきゃいけないなって心の底から思いました。何というか、僕自身もともと死というのは終わりを意味するものだとどこかで思っていたけど、死があるからこそ生があって、死が生きる者としての糧になるのだなと。もしかしたら僕達は受け継がれていくものを何か持っていて、それに支えられて生きているんじゃないか、だからこそ精一杯生きていかなくちゃいけない、そういう想いがありました。

映画『宝島』完成報告会見、広瀬すず

広瀬すず:
良い意味でとても疲れました。監督には、「いろいろなものをどっと食らい過ぎて、疲れました」って言ってしまったんですけど、本当に血が騒ぐようなシーンがとても多くて。自分がいなかったシーン、知らなかったシーンがたくさんあったので、これは大変だっただろうなって、いろんな撮影の日々が濃厚だったなと思い返す瞬間もたくさんあります。

映画『宝島』完成報告会見、窪田正孝

窪田正孝:
妻夫木さんがおっしゃいましたけど、たぶん皆全力で生きていて、今の死という価値観とは比べものにならない、死という概念が彼等にとっては、今とは全然違う感覚なのかなと思っています。もしかしたら次は命を奪われるかもしれなくて、死が隣り合わせにあるからこそ、全力で今を生きている青年達、若き命、うちなーんちゅ(沖縄生まれの人の意)の皆が本当に全力で生きている想いに、客観的に時間をおいて観た時に、生きている魂みたいなものをすごく感じたのが大きかったです。

MC:
熱い想いが溢れ出していますね。監督は皆さんの感想を聞いていかがですか?

映画『宝島』完成報告会見、大友啓史監督

大友啓史監督:
原作を手に取って読んだ時は一気に読んで、今皆が言ったように、生きる定義というのを痛切に感じたんですよね。沖縄に宿る魂がそのまま現代の我々に直接、すべての言葉、すべての手札を通して、時空を越えて語りかけているようなパワーを原作から感じました。それをどうやって映像に生かしていくか、人生いろいろなことがあるなかで、僕も含めて、それでも人生は続いていくし、生きていかなきゃいけない。生きていくんだという決意を一人ひとりが日々自覚しながら、誰かと共有していく。それが大きなパワーになり、1つの歴史になり、今の我々に繋がっているということを何とかして作品で表現したいと思いました。映画というメディアが本当にふさわしいかどうかわからないけれども、映画を通して皆さんに少しでも彼らの人生を追体験してもらえれば、それは我々にとって生きる力、エネルギーを与えてくれるんじゃないかと思います。それを役者達が感じて演じてくれていたことが今伝わってきて、改めて心強く感じました。

MC:
やっぱり今観るべき物語なんですね。そんな監督の想いも詰まった作品ですが、皆さんはオファーをいただいた時にどう思われましたか?また、台本や原作を読んでいかがでしたか?

妻夫木聡:
沖縄のコザという街が舞台になっているんですけど、『涙そうそう』という映画をやらせていただいた時もコザという街が舞台で、僕自身すごく縁がある街だなと、最初にお話をいただいた時に思いました。恥ずかしながら原作もまだ読んだことがなかったので、読ませていただいてから、もしかしたら自分もどこか導かれていたのかもしれないと感じました。俳優の中でコザで撮影をしたことがある方はたぶんいっぱいいると思うけど、僕は『涙そうそう』で出会ったコザの人達と未だにずっと仲良くさせてもらっていて、自分だからこそ、この映画に導かれたんじゃないかなと思ったら、運命的なものを感じたんです。今なお続く問題は沖縄にいっぱいあるし、現地の方々の言葉にならない声というものを芝居に変えて表現していかなきゃいけないんじゃないかという使命感みたいなものを最初に感じました。

MC:
この役を妻夫木さんが演じると聞いて、沖縄の友達はどんな反応でしたか?

映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡

妻夫木聡:
本当に静かに、ただただ応援してくれました。役作りのために最初に沖縄に行った時に、2人の親友に頼りました。ガマを見に行きたいと言って、チビチリガマとシムクガマの二箇所に連れていってもらいました。1つは実際に亡くなった方がたくさんいたところ、もう1つは亡くならずに済んだ方がいたガマです。そのガマを見終わった後、もう1人の親友とどこに行くか別に打ち合わせはしていなかったのですが、佐喜眞美術館に行き、丸木夫妻という方々が書いた沖縄戦の絵を見ました。そしたらその日に行ったチビチリガマとシムクガマの絵もあったんです。僕が来るからと2人が相談をして段取りしたわけではなかったのに、通じ合っていたことがすごく嬉しかったです。それに、僕はいろいろな勉強をしていったけど、その絵を見て、勉強で知ることよりも大切な何か、その声がどんどん入ってくるというか。絵を見て僕はすごく涙してしまって、動けなくなりました。1番感じないといけないものを最初に2人がくれたから、最後までそれが僕の支えとなっていました。

MC:
広瀬さんは原作や台本に触れてどういうところに魅力を感じましたか?

広瀬すず:
私自身も沖縄の作品に携わらせていただいたことがあって、当時自分がその時の役を通して体験したことと、今妻夫木さんがおっしゃったように、沖縄にある問題を体現することって、すごく覚悟のいることであり、すごく難しいことだろうなと思いました。原作を読ませていただいた時、登場人物は男性がとても多くて、その中に本当に太陽のような存在として、食らいついて生き抜いてやるぞというヤマコがいて、すごく眩しくて、この覚悟を自分ができたらいいなって、オファーをいただいた時に素直に思いました。やっぱり難しいなって思ったし、すごく苦しかったし、濃厚な毎日を過ごしていくなかで、いろいろな感情とまた出会えて、楽しいといったらあれですけど、お芝居というものに対してなかなか出会えなかった感覚が、この現場で体験できたなと思うシーンもありました。おもしろく楽しく苦しいなか、もがきながらも演じさせてもらえたことはとても嬉しい経験だったなと思います。

MC:
窪田さんはいかがですか?

窪田正孝:
オンという偉大な兄を持ったレイを演じさせてもらいました。偉大な兄がいつも自分の目の前にいるから、レイはどこかコンプレックスを抱えていて、レイという名前で呼んでもらうよりもオンの弟という感覚のほうが皆の共通認識として強くて、たぶんそういうジレンマがすごくあっただろうし、偉大なる兄に尊敬もあったし。でもオンが偉大なゆえに人生を狂わされたとも、この3人(グスク:妻夫木聡、ヤマコ:広瀬すず、レイ:窪田正孝)は思うし、戦争当時のことを題材にしたこの作品を演じること、役者にとっての価値は、たぶん“今”に置かれていると思います。さっきも話した死という概念、価値観が今とは全然違うということをそもそも認識しなければいけないというか。今の世の中でも暴力がしたくてしているのではなく、それしか選択肢がなかっただけだと思うんです。その時代を生きているというのはそういうことだし、今はすごく便利だけれど、便利ゆえに失って気づかなくなっているものも確実にあると思います。だから、何かそういうものを役者という仕事を通して、大友監督の元で『宝島』という作品を演じた時に、改めて原点に返るというか、ここまで生き様を現すというか、生きていけるんだなというのが、すごく画面から出てきているのではないかなと、僕は観ていてずっと感じました。

キャストも皆驚いた、大友監督のこだわり

映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督

MC:
妻夫木さん、当時の重い現実に向き合うという題材を扱いながら、エンタテインメント的にもすごいですよね。

妻夫木聡:
本当にすごいと思います。完成した作品を初めて観た時に、大友監督がここまでのことをやっていたんだと、撮影中には気づいてなかったことまでやっていたんだと知りました。すずちゃんがさっき言っていましたが、自分の知らないところでこんなことになっていたんだというような、しっかりエンタテインメントとして、お客さんに楽しんでもらえるようなものを大友監督の頭の中で描かれていたことがすごいなと思いました。

MC:
いろいろな準備があったと思いますが、どのような苦労をされたかなど、言える範囲でありますか?

大友啓史監督:
これまでこの時代の沖縄を描けなかった理由は、アメリカ統治下の沖縄を表現するのが、さまざまな意味ですごく大変だからなんです。メインは技術、そして基地の存在。基地というものすごく広い土地をどう表現するのか、同時に当然アメリカ統治は20年ぐらい続いたわけで、すべてのルールがローカルの琉球の文化と、アメリカ文化にあったんです。琉球文化をしっかり描くことはもちろんだけど、それと対峙するアメリカ文化もしっかり描かなければいけない。車や音楽はその象徴ですよね。それでいうと、沖縄で当時走っていたアメリカのビンテージカーが本当にどこにもありませんでした。右ハンドルに改造されていて、アメリカのJeepとか、軍の車もそうです。
この時代にぶつかった青春像を描く映画だから、嘘をついたらダメなことがたくさんあるんです。ということは、車は本物を用意しないといけない。そして、クライマックスでは車をひっくり返して燃やしちゃうんです。いわゆるビンテージといわれる希少な車を。そういう一つひとつにどうやって覚悟を決めていくのか。当時の状況をいろいろな資料で調べたり、文化や音楽を調べるのは簡単なのですが、実現するのが1番難しいんです。でも、そこで嘘をついてしまったらこの映画は役者を置けない舞台になってしまうので、なるべくちゃんとした舞台セットを作ることが1番大変だったかなと思います。

MC:
広瀬さんは感情を爆発させるシーンもあったと伺っています。どういう想いでその現場に臨みましたか?

映画『宝島』完成報告会見、広瀬すず

広瀬すず:
これは頭で考えてもできることじゃないというか、だからこそシーンを通したり、沖縄に滞在している時間でいろいろなものに触れたり見たりして、でも何かずっとドキドキしていました。監督はテイクを重ねて、いろいろな角度からたくさん撮るイメージだったんですけど、ヤマコはオンへの感情を言葉にしたり、体で出すシーンが本当に多くて。何日かに分けて撮るはずのシーンが段取りを見たら、監督が「これを今から一発で全部撮ろう」という感じですごくテンションが上がっていて、本当にほぼ一発で撮りました。

大友啓史監督:
5日用意されていたシーンを2日で撮っちゃいました。

MC:
感情がワーッとなるシーンですよね!?

大友啓史監督:
これは本当に最高ですから。

MC:
窪田さんはいかがですか?

窪田正考:
皆それぞれにオンという存在を探して生きていて、すべて正義なんです。その正義同士がぶつかるから消耗するしかないんです。お互いに間違って話していると思ってないから、そこにプラスで感情も乗る。だから、どうやって撮るのかなと思ったんですけど、一瞬で終わりましたね。

広瀬すず:
終わりましたよね。やりきった!みたいな。

映画『宝島』完成報告会見、窪田正孝

窪田正考:
ね!本当に。監督は基本的にお一人ですごいテンションで(笑)。監督と現場とでテンションが違う時があって、現場では段取りがあって、美術の準備とかいろいろ直さないといけないところがあるけど、監督は自分の世界に入っていらっしゃるので、(一方は準備中で)まだまだということが結構ありました。ね!

大友啓史監督:
いや、もうテンションが上がって(笑)。

MC:
妻夫木さん、監督からもお話があったように当時の沖縄が本当にリアルに再現されていたそうで、エキストラも2000人くらいいたそうですね。

妻夫木聡:
そんなにいたんですか!? 僕は知りませんでした。コザ暴動のシーンをどう撮るのか、皆さん結構議論されていて、最終的に千葉のほうに大きなセットを組んで撮影するという結論になりました。ギリギリになって、ちょうど沖縄で撮影をしていた時に、天候にも左右されるし、夜の撮影でエキストラさんを何日も集めることは難しいし、夜中まで撮影をしたら皆疲れてしまうだろうと、いろいろなことを考えたら難しいからスタジオ撮影にしようということになったんです。それで、初日にスタジオ撮影を見に行って、「なるほど、こういうことをやろうとしているんだ」というのは見えたんですよね。スタジオの撮影になったからこそ好きなことをやるぜという大友監督の逆の発想といいますか(笑)。それで次の日にはもう200人エキストラを追加してくれと。これから200人増えるのかと驚きました。
僕が沖縄に役作りに行った時、いろいろな方に取材をさせていただいたのですが、コザ暴動自体を暴動だと捉えていない方も結構いらしたんです。実際に経験された方は、ただ憎しみや怒りだけでこういうことが起こったわけではないとおっしゃっている方が大勢いました。当然当時の方々がどういう感情でその場にいたのか、どういう意義があったのかは、僕の中では想像しきれない部分があったんですよ。でも、実際にコザ暴動のシーンを撮っている時に、監督を含め演出部はエキストラさん皆に演出をしていたんです。沖縄出身の方々が先頭に立って、こういう想いがあるんだと先導してやられていたんですよね。いろいろな憎しみや悲しみ、喜びも含めていろいろな感情が入り交じって混沌としたなかで、その感情が1つのものになっていく様を目の当たりにして、結構シビれました。これが大友監督がやりたかったことなんだと、すごく思いました。映画を観終わった後もそれは1番感じました。すごいなと思いましたし、いいシーンになったと思います。

大友啓史監督:
コザ暴動ってコザ騒動と言われることもあり、人によって捉え方が全然違うんです。沖縄の穏やかな方々が戦後に暴動を起こしたのってあの1回だけなんです。しかも、深夜の12時に始まって、朝の7時に自然解散しているんです。もちろんお酒の勢いもあったり、いろいろ外から来ている人の煽りもあったりして、あの一晩に皆さんがいろいろな感情をぶつけているんです。でも、言葉にならない自分達の感情や想いが、一般的に考えると怒りだと捉えられてしまうんです。調べていくと、踊っているだけのグループとかいろいろな人がいて、カオスになっていく。そのカオスな状況こそアメリカ統治下に置かれた沖縄、これは沖縄でなかったとしてもあの時代は皆そうなったと思います。そこに普遍性がある。
必ずしも怒りだけじゃなくて、いろいろな感情がうねりのように、どこに向かっていくのか自分達もわからない感情のうねりを作っていくんですよね。だから、どうやって現場を混乱させていくのかが演出のテーマでした。僕の理解できないところまでどうカオスに持ち込むのか。そのなかでグスクの芝居、ヤマコの芝居、レイの芝居、オンの芝居がどういう風に際立っていくのかということ。リアルというのはそういうことですよね。歴史や沖縄を取り上げる上で、知ったかぶりをして撮ってはいけない。だからどの方向に行くかわからないけど、その流れをどうにか作って、そこに役者達を放り込んで、どういう感情が出てくるのかを僕はずっと黙って撮りたかったのが正直なところです。

妻夫木聡、宣伝アンバサダーに就任!

映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡
スクリーンに映っているのは宣伝アンバサダー用の名詞です。

MC:
就任されていかがですか?

妻夫木聡:
とにかく映画を撮っている時から、この映画はぜひしっかりと皆様の前に立って、実際に生で会いに行って宣伝したいと思っています。宣伝といういい方も見合わないくらい僕にとって映画を越えている存在になっているんですよね。とにかく目の当たりにして体験してもらいたい、感じてもらいたいと思っているところがあります。僕が『ウォーターボーイズ』という作品をやっていた当時、日本映画があまりヒットしていなくて、いろいろなところを監督と一緒に回りました。それぞれの土地で皆映画を好きになってくれて、「男がシンクロする?」みたいな感じで何となく観に来てくれて、「応援します!」と言ってくれて。その映画がその人のものになっていくのを僕は体験していて、あの時に感じたことをまた『宝島』という映画でもできないかなと、この映画はそうあるべきなんじゃないかなと思っています。
この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして、皆さんの物語だと僕は思っています。人生のバトンの物語でもあって、どんどん受け継がれてきたものを僕らがバトンを渡さないといけない。だから僕は、今回宣伝アンバサダーとして就任しますけど、皆さんに直に言葉を届けて、そして映画も観てもらいたいです。(映画は)少し長めになりましたけど、必ず観る前にトイレに行ってください(笑)。途中で抜けて見逃しては困るので。6月には監督とすずちゃんと沖縄に行きます。その後、北海道から…。これ言っても大丈夫ですか?

会場:
ハハハハハハ!

MC:
大丈夫です。今決まっているだけでも6月7日の沖縄プレミアを皮切りに静岡、富山、長野、北海道など全国を回られます。

妻夫木聡:
作品を直に届けに行こうと思っていますので、お待ちいただければと思います!こんな映画のキャンペーンは最近なくなってきてしまったので、こうやって自分が出ている作品を持って、監督と一緒にいろんな場所に行き、実際に生の声を聞けるというのはなかなかないことです。撮影中に自分から情報発信していたのですが、それを実行していただいた制作チームの皆さんには本当に感謝しています。皆さん、全国で待っていてください。必ず皆さんにもお届けします。

そして、宣伝アンバサダーに就任した妻夫木聡は、記者から「この映画を映画だけで終わらせたくないとおっしゃられていた意味、届けたいことなどを聞かせてください」といわれ、こう答えました。

映画『宝島』完成報告会見、妻夫木聡

妻夫木聡:
映画って一つのビジネスではあると思うんです。お客さんにお金を払って観に来てもらって初めて成立するものではあるんですよ。でも、観てもらって「ああ、良かった」で終わりになって欲しくないんです。映画で世界が変わるわけではないと思っているのですが、この作品にはそれを覆す生命力があるんじゃないかなと信じているんですよね。映画の力ってどこかまだ底力があるんじゃないかなと。僕はどこか映画の力を信じていて、だからこそ今回キャンペーンという形になって、全国の方にこの映画を直に持っていきたいなと本当に思っているんです。なんというか、観た方々それぞれ想いの違いはあるかもしれないけど、必ず生きていかなくちゃいけないと思える作品になっています。それがどういう形になるのか、正直わかりません。過去もなかったことにはならないし、僕達は前に進むしかないんだけど、でもその原動力に確実になると僕は思っています。

登壇者皆さんのお話から、本作にいかに情熱を込めてきたか、そして自信があるかが伝わってきました。映画の力を信じているという妻夫木さんの言葉にもすごく共感を覚えました。作品が公開される9月が待ち遠しいですね。どんな作品になっているのか、ぜひ映画館で目撃しましょう。

『宝島』完成報告会見:
2025年5月5日取材 PHOTO&TEXT by Myson

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝

『宝島』
2025年9月19日より全国公開
東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定(後日UP)

©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

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