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ミッキー17【レビュー】

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映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン

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『パラサイト 半地下の家族』で第92回アカデミー賞(作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞)を受賞したポン・ジュノ監督(脚本、製作を兼務)が、この度制作したハリウッド映画は、エドワード・アシュトン著「ミッキー7」を原作としています。ポン・ジュノ監督が原作に惹かれたポイントはネタバレになるので伏せておくとして、ポン・ジュノ監督の創作スタンスについて、映画公式資料のインタビューをもとにご紹介します。

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン

これまでの作品でも社会風刺が描かれてきたことについて、監督は政治的風刺のために映画を作っているわけではないし、映画がプロパガンダになってしまうのは避けたいと語っています。「まずは美しくて楽しめる作品」を作ることを大切にしていて、『ミッキー17』も例外ではないと答えています。

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン

ポン・ジュノ監督は、主演のロバート・パティンソンについて『グッド・タイム』『ライトハウス』を観て彼を別の視点で見始めたそうで、この2作品で「彼はまったく別次元の俳優になった」と感じたそうです。ちなみに本作では、即興でおもしろいセリフやシーンを生み出し、「作品に新しいエネルギーを吹き込んでくれた」と称賛しています(映画公式資料)。

映画『ミッキー17』トニ・コレット/マーク・ラファロ

さて、原作を読んだ方はともかく、本作のストーリーについてまだ何も知らない方はそのままほぼ前情報を入れずに観ることをオススメします。「なぜ、ロバート・パティンソンが2人映ってるの?」という疑問も頭の片隅に置いたまま観てみてください。序盤からとんでもない展開が続々と出てくるし、下手したらこんな未来が待っているかもしれないとゾッとさせられます。

映画『ミッキー17』スティーヴン・ユァン

ロバート・パティンソンをはじめ、ナオミ・アッキー、スティーブン・ユァン、トニ・コレット、マーク・ラファロと演技派が揃っている点でも見応えがあります。壮大なスケールで描かれる超大作感と、人間臭いユーモアたっぷり皮肉たっぷりのコメディの融合をぜひご堪能ください。

デート向き映画判定

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン/ナオミ・アッキー

ラブストーリーがユニークなスパイスとなっている点でも、ポン・ジュノ監督の手腕を感じます。エロチックな要素もありつつ、それがコミカルかつ重要な伏線となっていて、気まずくなることはなさそうです。ただし、初デートで観ると笑っていいのかどうか迷うシーンがあるので(笑)、何度か一緒に映画を観たことがあり、お互い気楽にリアクションができるカップルにオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ミッキー17』トニ・コレット/マーク・ラファロ

シリアスな要素とコミカルな要素が見事に融合していて、ハラハラドキドキとともにクスクス笑えるシーンもあるので、137分とはいえ観やすいと思います。子どもの頃に本作を観たら余計に脳裏に焼き付きそうなシーンが複数あるので、記憶に長く残るのではないでしょうか。中には本作で映画人生を切り拓く方も出てくるかもしれません。

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン/ナオミ・アッキー/スティーブン・ユァン/トニ・コレット/マーク・ラファロ

『ミッキー17』
2025年3月28日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

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© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

TEXT by Myson


関連作

「ミッキー7」エドワード・アシュトン 著/大谷真弓 訳/早川書房
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  2. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
  3. 映画『ファンファーレ!ふたつの音』バンジャマン・ラヴェルネ/ピエール・ロタン
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