REVIEW

ライトハウス【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ライトハウス』ウィレム・デフォー/ロバート・パティンソン

REVIEW

全編モノクロで画角が正方形で撮られた本作は、登場人物がごくわずかで、ウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの二人芝居とも言える構成になっています。物語の舞台は1890年代、ニューイングランドの孤島。老いた男(ウィレム・デフォー)と若い男(ロバート・パティンソン)が灯台守としてやってきます。雑用や重労働は若い男に押し付けられ、老いた男は偉そうに若い男に命令を出すばかり。老いた男はよく酒を飲み、若い男は酒は飲まず真面目に働きますが、到着してから何日経過しているのかわからないほど単調な毎日を2人だけで過ごしていて、その閉鎖的な環境がいかに人間を狂わせるかがリアルに想像できます。さらに待てど暮らせど物資を届けてくれるはずの船が来ず、当てもなく日々を過ごす2人の姿は、サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を彷彿とさせます。
最初まともに見えた若い男にも徐々に変化が現れ、目の前に映し出されているシーンが幻想なのか現実なのかわからない演出によって、彼が狂気に陥っていくのにつられるような感覚が味わえます。2人のやり取りがだんだん秩序を失っていくのもとても不気味で、モノクロで描かれる世界観によって異次元に連れて行かれるような怖さがあります。わかりやすく真相を明かすタイプの映画ではないので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、アーティスティックな作品が好きな方、哲学好きな方にはオススメの1本です。これは高い演技力なくしては作品の質を保てない作品だと思いますが、ウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの迫真の演技もぜひ堪能してください。

デート向き映画判定

映画『ライトハウス』ウィレム・デフォー/ロバート・パティンソン

好みがハッキリ出そうな個性的な作品なので、特に映画を観慣れてない方が観た場合、どっちに転ぶかという想像がしづらいです。なので、初デートや映画の好みがまだわからない場合はデートで観るのは避けたほうが良いでしょう。1人でじっくり観るほうが向いている作品のように思いますが、誘うなら映画好きな方、文学好きな方など、いろんな芸術に興味がある方をオススメします。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ライトハウス』ウィレム・デフォー/ロバート・パティンソン

「それはどういうこと?」「あれは何?」と思えるシーンが多数ありますが、それについてわかりやすく語ってくれるわけではないので、キッズやティーンの皆さんにはちょっと難しいかもしれません。既に映画をたくさん観ていて何でも観たいという好奇心があったり、想像を膨らませたりあれこれ自分なりに解釈をするのが好きなら、観てみても良いでしょう。

映画『ライトハウス』ウィレム・デフォー/ロバート・パティンソン

『ライトハウス』
2021年7月9日より全国公開
トランスフォーマー
公式サイト

© 2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  2. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  3. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  4. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  5. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP