REVIEW

MELT メルト【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

REVIEW

いろいろな意味で残酷。絶対起きてはならない出来事でありながら、どこで起きてもおかしくない出来事ともいえて、胸がとても痛くなるストーリーです。最初にお伝えしておくと、本作には性暴力描写や自死描写が含まれています。

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

大人のエヴァ(シャーロット・デ・ブリュイヌ)はとても内気な様子で、心に抱えているものがあることがうかがえます。また、SNSで友人らしき人達の投稿を意味深に眺める姿から、過去に何かあったと伝わってきます。そして、過去の回想シーンと現在を行ったり来たりしながら、エヴァに何が起きたのかが明かされていきます。

映画『MELT メルト』シャーロット・デ・ブリュイヌ

13歳の頃のエヴァ(ローザ・マーチャント)は近所に住む幼馴染みの男子2人といつも連んでいて、“三銃士”と呼ばれるほど仲良くしていました。でも、思春期の3人はそれまでと同じ関係ではいられなくなっていきます。本作では、心と体が成長期にいる子ども達が、遊びをエスカレートさせた先で取り返しがつかないほどに人を傷つけてしまう様子を生々しく映しています。

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

子どもと大人の境目、異性として意識するかどうかの境目、親友として信じられるかどうかの境目、遊びの範囲かどうかの境目と、さまざまな境目が本作には描かれています。そして、その境目が見誤られた結果、大きな過ちを生んでしまいます。さらに、3人の周囲にいる人物との関わりも問題の引き金になる点で、誰にも助けてもらえない絶望的な状況がエヴァを追い詰めていることが伝わってきます。エヴァを観ていると、居場所の無さも問題に巻き込まれる大きな要因になっていたと感じます。

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

鑑賞後は、とてもやるせない気持ちでいっぱいになります。エヴァを傷つけた出来事はさまざまな状況の積み重ねで起きたともいえて、どうすれば良いのか、どうすれば良かったのかなんて簡単には語れません。とにかく、これが絶望感なのだなと思い知らされます。

デート向き映画判定

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

かなり重い内容なので、デートで観るには不向きです。精神的に耐えられる場合は1人で観るのもありですが、人によっては辛さを感じる場合もあるので、何でも話せる友達と観るほうが良いかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

自分の身を守るために、こういうことも起こりえると知っておくことは大切だと思います。ただし、かなり衝撃的で、とても怖いと感じる内容なので、気軽にオススメはできません。観た後に1人で抱えるのも重いと思うので、中学生以上の方が観る場合でも、感想を話し合える人と一緒に観ると良いでしょう。

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント

『MELT メルト』
2025年7月25日より全国順次公開
PG-12
アルバトロス・フィルム
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©Savage Film – PRPL – Versus Production-2023

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

【東京コミコン2025】オープニング:イライジャ・ウッド、カール・アーバン、リー・トンプソン、トム・ウィルソン、クローディア・ウエルズ、ダニエル・ローガン、ジョン・バーンサル、クリスティーナ・リッチ、イヴァナ・リンチ、ノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリー、ジャック・クエイド、マッツ・ミケルセン、浅野忠信、ピルウ・アスベック、セバスチャン・スタン、ジム・リー、C.B.セブルスキー、フランク・ミラー、クリストファー・ロイド、中丸雄一(MC)、伊織もえ(PR大使)、山本耕史(アンバサダー) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』一行や人気アメコミ出演者達が勢揃い!【東京コミコン2025】オープニングセレモニー

年末恒例行事となった東京コミコンのオープニングセレモニーを取材してきました。今年は過去最高といえるのではないかという数のスター達が来日してくれました。

映画『ズートピア2』 ズートピア2【レビュー】

さまざまな動物達が人間と同じように暮らすズートピアを舞台にした本シリーズは…

映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル エディントンへようこそ【レビュー】

アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスの2度目のタッグが実現した本作は、メディアの情報に翻弄される人々の様子を…

映画『愚か者の身分』林裕太 林裕太【ギャラリー/出演作一覧】

2000年11月2日生まれ。東京都出身。

映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン ペンギン・レッスン【レビュー】

『ペンギン・レッスン』というタイトルが醸し出す世界観、スティーヴ・クーガンやジョナサン・プライスといった名優がメインキャストに名を連ねていることからして…

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平 WIND BREAKER/ウィンドブレイカー【レビュー】

にいさとる作の同名漫画を原作とする本作は、不良グループが街を守るというユニークな設定…

映画『ナイトフラワー』北川景子 北川景子【ギャラリー/出演作一覧】

1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年11月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年11月】のアクセスランキングを発表!

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ズートピア2』
  2. 映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル
  3. 映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン
  4. 映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平
  5. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP