REVIEW
名作として映画史に名を残すオリジナル版の『ベスト・キッド』が作られたのは1984年(日本での劇場公開は1985年)。それから約40年後に作られた本作には、オリジナル版の主人公ダニエル・ラルーソ(ラルフ・マッチオ)が登場し、ダニエルの師匠、ミスター・ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)のルーツを回顧するストーリーとなっています。
一方、リメイク版では、ジャッキー・チェンが演じるミスター・ハンがカンフーの師匠として弟子を育てる物語が展開されてきました。リメイク版の前作『ベスト・キッド』(2010)では、ウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスが弟子役を演じ、本作では、ベン・ウォンが17歳の高校生リーを演じています。

本作では、オリジナル版とリメイク版がうまく融合されており、空手とカンフーがどういう形で取り入れられていくのかが一つの見どころとなっています。物語が展開する舞台も、北京、ニューヨーク、沖縄と国際色が豊かです。

そして、何と言ってもキャラクターとともにキャストが魅力です。まず、リーを演じるベン・ウォンは、『アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記』の主人公ジン役を好演し注目を浴びている若手俳優です。映画公式資料によると、本作における世界規模のキャスティングでは、「中国語と英語の両方を話せること、武術の経験がある(もしくは短期間で習得できる)こと、そして大スターたちと並んでも引けを取らない存在感を持っていること」という厳しい基準が求められました。そんななか選ばれたベンは本作でほとんどのスタントを自分でこなしたそうです。そして、そんなベンについて、プロデューサーのカレン・ローゼンフェルトは「彼は現代のマーティ・マクフライ(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの主人公)だと思います」と語っています。本作を観るとローゼンフェルトのコメントに納得すると思います。

他にも、海外ドラマで活躍する俳優が出ています。リーの母親役を演じるミンナ・ウェンは、『エージェント・オブ・シールド』で凄腕のエージェント、メリンダ・メイ役を好演しています。本作では残念ながら彼女のアクションシーンはないものの、武術の才能を持つリーという息子を持つ母親役にイメージがピッタリです。他にも、『レジデント 型破りな天才研修医』でミーナ・オカフォー役を演じたショーネット・レネー・ウィルソンもリーが通う学校の教師役でチラッと登場しています。さらに、美味しいところをさらっていくのは、ワイアット・オレフが演じる、リーの家庭教師アランです。本作でアランはコメディ担当といった感じでクスクスと笑わせてくれます。
本作には、映画ファンはもちろん、海外ドラマファンにも嬉しいキャストが勢揃いしています。そして、シリーズものの魅力、アクション映画の魅力を備えつつ、コメディ、初々しいラブストーリーと見どころも多く、幅広い世代に楽しんでもらえる1作となっています。
デート向き映画判定

ティーンの初々しい恋愛模様が描かれているので、ティーンのカップルは等身大で楽しめるのではないでしょうか。気まずいシーンはなく、初デートでも安心して観られます。“ベスト・キッド”シリーズは、幅広い世代に知られているので、大人カップルも相手を誘いやすいですよね。
キッズ&ティーン向き映画判定

暴力で相手を屈服させようとする輩に対して、正当な方法で正面から戦いを挑むリーの姿は、勇気を与えてくれます。ベン・ウォンが魅せるアクションシーンは機敏で観ていて爽快なので、応援する気持ちで観ながら爽快感を味わえるでしょう。

『ベスト・キッド:レジェンズ』
2025年8月29日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
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『ベスト・キッド』(2010年版)
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定 来日会見
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情報は2025年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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