REVIEW

ヒポクラテスの盲点【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ヒポクラテスの盲点』

REVIEW

日本では2020年1月を機に新型コロナウイルス感染症が蔓延しました。そして、感染者が急増していた頃、皆が藁にもすがる気持ちでいたところに登場したのが、新型コロナワクチンです。非常事態ということもあり、通常の開発期間よりも異例の短期間で使用が認められ、国をあげて大々的に接種が薦められていました。その一方で、接種による薬害についてはあまり報じられていないといいます。本作は、そんな現実に着目した、中立した立場の取材に基づくドキュメンタリーです。

映画『ヒポクラテスの盲点』福島雅典(京都大学名誉教授)/藤沢明徳(ほんべつ循環器内科クリニック理事長)/児玉慎一郎(医療法人社団それいゆ会理事長)

本作を手掛けた大西隼監督は、東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了した理学博士です。大西監督は本作の制作経緯について以下のように述べています。

僕は新型コロナワクチンを3回目まで接種しました。それだけでなく、社内の職域接種の推進役も担いました。2023年の春、わけあって暇になった僕は、これまであまり見ていなかったSNSをチェックして、そこで交わされていたコロナワクチンについての論争に驚きました。そして、京都大学名誉教授の福島雅典先生が、コロナワクチン接種後の健康被害について話していることを知りました。これほど多くの被害、多くの死亡例があること、それでも接種が推奨され続けていることにさらに驚き、なぜこのようなことが起きているのか「知りたい」と痛切に感じたのです。
映像の仕事をする前は、僕は大学院で生命科学を研究していました。同時に、科学と社会をつなぐ新しいジャンルの学問にも取り組んでいました。今起きていることを記録しなければ。それができるのは自分しかいないかもしれない。なにより、本当のことを知りたいという気持ちが抑えられませんでした。(映画公式資料)

映画『ヒポクラテスの盲点』福島雅典(京都大学名誉教授)

新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日に5類感染症に移行しました(厚生労働省)。そして、私達の生活は徐々にコロナ禍前の状況に戻りつつあり、同時に多くの方にとってはワクチンのことは頭から消えつつあると思います。でも、本作を観ると、「従来のワクチンとは根本的に異なる新技術で開発された新型コロナワクチン(mRNA遺伝子製剤)による後遺症被害の問題」(映画公式資料)の多さに驚かされます。さらに、コロナ禍で接種を促すために流された情報はどこまで本当だったのか、正しかったのか、疑問を持たずにいられません。

映画『ヒポクラテスの盲点』

ワクチン接種の後遺症に苦しめられている方々の戦いはまだ続いており、医師達もワクチンに肯定的な立場と否定的な立場に分かれていることがわかります。本作は両方の立場に取材をし、私達は今何を知るべきで、国や薬品メーカー、関係者は何を明らかにすべきなのかを訴えかけています。
いまだ明らかにされていないことが多くある一方で、国内外のさまざまな研究によって、真相に近づきつつある部分、希望が見える部分も取り上げられてます。今さら知っても仕方がないと思う方もいるかもしれませんが、「日本人のコロナワクチンの総接種数は世界で最も多い4億3000万回。そして、2025年2月時点でのワクチン接種後の死者数として公表されたのは2261件(副作用報告制度による発表数)」だそうです(映画公式資料)。本作に登場する医師達は二度と薬害を繰り返さないという強い思いで活動されています。薬害を繰り返さないようにするには、それを使う側の私達の判断も重要です。ぜひ多くの方に本作を観ていただきたいです。

デート向き映画判定

映画『ヒポクラテスの盲点』藤沢明徳(ほんべつ循環器内科クリニック理事長)

ワクチンを打つかどうかを選べた方もいれば、職業上接種を余儀なくされた方もいらっしゃると思います。今もまだコロナに感染するリスクはあるので、ワクチンとの関係性が終わったわけではありません。今後の健康を維持するためにも知っておいてほしい内容が含まれるので、パートナーと一緒に観て情報共有することをオススメします。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ヒポクラテスの盲点』児玉慎一郎(医療法人社団それいゆ会理事長)

何か重要なことを決める時に「皆がやってるから」はいかに危険かがわかると思います。知識を持ち、物事を理解できた上で決断するのと、何も知らないまま周囲に流されるのでは大違いです。知識を得つつ、大量に流れてくる情報を自分なりに考えてどういう判断をするかを、本作でシミュレーションしてみてください。

映画『ヒポクラテスの盲点』

『ヒポクラテスの盲点』
2025年10月10日より全国公開
テレビマンユニオン
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©「ヒポクラテスの盲点」製作委員会

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  2. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  3. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  4. 映画『果てしなきスカーレット』
  5. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP