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ブルームーン【レビュー】

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映画『ブルームーン』イーサン・ホーク/マーガレット・クアリー

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実在した作詞家ロレンツ・ハートが過ごした一夜を描いた本作は、ロレンツ・ハートとエリザベス・ウェイランドによって書かれた手紙からインスパイアされたといいます(本編エンドロール)。監督はリチャード・リンクレイターが務め、ロレンツ・ハートをイーサン・ホーク、エリザベス・ウェイランドはマーガレット・クアリーが演じています。

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク

ロレンツ・ハートは、かつて作曲家のリチャード・ロジャースと組み、“ロジャース&ハート”として、“ブルー・ムーン”“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”など、ミュージカル界でヒットを生み出してきました。でも、後にリチャード・ロジャースはオスカー・ハマースタインと組み、“オクラホマ!”“王様と私”など数々のヒット作を生み出し、ロジャース&ハマースタインとして、アメリカのミュージカル史に名を残します。ロジャース&ハマースタインは、映画『サウンド・オブ・ミュージック』では“ドレミの歌”や“エーデルワイス”などの名曲も生み出しました。本作は、ロジャース&ハマースタインがそれまでのミュージカルとは異なる方法で作った“オクラホマ!”上演によって、ブロードウェイに革命を起こした初演の夜にスポットを当てています。

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク/マーガレット・クアリー

1943 年3月 31 日、“オクラホマ!”初演の夜、ブロードウェイのレストラン“サーディーズ”では関係者達が参加するパーティが行われることになっていました。かつてリチャード・ロジャース(アンドリュー・スコット)と組んでいたロレンツ・ハートは客として招待されています。ハートはパーティが始まるまでの間、バーで過ごします。そしてハートは、バーテンダーをはじめ、店にいる人達に、意中の女性エリザベス・ウェイランドへの思いを語ります。

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク/アンドリュー・スコット

前半の会話からハートがどれだけエリザベスに夢中になっているかが伝わってきます。その様子はまるで初恋をする少年のようです。そんなハートの前に現れたエリザベスは、美しく輝いていて、ハートにとっていかにも高嶺の花にみえるオーラを放っています。だからこそ、2人の間で交わされる会話の一つひとつ、そしてハートがエリザベスに送る視線があまりに切なく映ります。

映画『ブルームーン』アンドリュー・スコット

パーティが行われる前とパーティの途中、そして人々が去った後の時間に、ハートの心が激しく浮き沈みする様子が生々しく描かれていて、さすが会話劇の天才リチャード・リンクレイター監督とイーサン・ホークの名コンビだなと実感します。マーガレット・クアリーが演じるエリザベスの美しさと屈託のなさが際立っているからこそクライマックスが残酷であり、ラストに漂う哀愁が半端ありません。

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク

ミュージカルがお好きな方にとって、本作はミュージカル史に残る一夜を目撃できる作品となっています。また、会話劇が好きな方にとっては、さまざまなトーンの会話から人間模様が観られる1作です。

デート向き映画判定

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク/マーガレット・クアリー

切ない恋模様が描かれています。意中の相手と2人きりで行動することがあっても、何となく片思いという気がしているなら、他人事として観られないかもしれません。その相手と一緒に観た場合は、感想を聞くのも緊張するのではないでしょうか。自分達が恋愛関係にあるのか否かがわからずに悶々としているなら、自分達の状況を客観視するきっかけに1人でじっくり観るほうが良いかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク

若い皆さんの中では、エリザベスの目線で観る方が多いかもしれません。野心に溢れる若者が大物と会えそうな機会に何とかとっかかりを作ろうとするのは当然です。本作で描かれる状況は、業界に限らないシチュエーションでもあるので、就職活動をしている方などは特に、どこかしら自分に通じる部分を感じられると思います。

映画『ブルームーン』イーサン・ホーク/マーガレット・クアリー

『ブルームーン』
2026年3月6日より全国公開
ロングライド
公式サイト

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TEXT by Myson

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