REVIEW
『Playground/校庭』で、子ども達が日々直面している“現実”を生々しく描いたローラ・ワンデル監督(脚本も担当)の長編2作目となる作品です。なお、本作の製作は、ベルギーを代表する名監督、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が務めています。

物語の舞台は、とある病院の小児科センターです。左腕を骨折し入院中の4歳のアダム(ジュール・デルサール)と母レベッカ(アナマリア・ヴァルトロメイ)は、小児科センターで何やら説明を受けています。アダムの骨折には、複雑な背景があるようで、徐々にアダムとレベッカがどういう状況にあるのかが明かされていきます。

キャラクターに対する先入観を持たずに観て欲しいので、詳しくは書かずにおくとして、本作のテーマには、親の保護責任が関連しています。レベッカとアダムの様子を観ていると、母子間の愛情だけでは片付けられない複雑な状況があるとわかります。
アダムが4歳と幼い点も問題を複雑にしています。子どもの意志を尊重しようにも、親の影響力が大きく、どこまで幼い子ども自身が理解して意志を表明しているのかは、第三者の大人達には難しい判断となります。

こうした状況で、看護師長のルシー(レア・ドリュッケール)が、レベッカとアダムを支えようとする姿が印象的です。お役所仕事で片付けられそうな状況を防ぐべく、レベッカとアダムの気持ちに寄り添い、2人にとってなるべく最善な状況になるよう奔走します。

最後にアダムがか弱い声で発する重い一言が胸に刺さります。さまざまな立場の大人達が自分の運命を左右する状況で、幼いアダムが振り絞って出した答えがすべてを物語っています。映画公式資料によると、「アダムのために」と訳される英題の“Adam‘s Sake”について、ワンデル監督は、「アダムという名前は、旧約聖書に登場する最初の人間から取ったものです。(中略)今回でいうと、アダムのためになることは人類のためになる。そこに焦点を当てたかったのです」と述べています。アダムの最後の一言は、大人達にこの視点を突きつけたように映ります。

本作では、誰が正しくて、誰が間違っているというわけではない状況が描かれています。そうしたなかで、大人が忘れてはいけない視点をもたらすストーリーとなっています。本作でも、ローラ・ワンデル監督の手腕を感じます。
デート向き映画判定

親としての責任や子育てについて考えさせられる内容なので、お子様がいらっしゃる夫婦や、これから一緒に家庭を築く予定の2人が一緒に観ると、お互いの考えを共有する機会にできるかもしれません。また、幼い子どもでも耳を傾ける必要性があると再確認できるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

大人が気づかされる事柄が多い作品であると同時に、子どもにとっても、いろいろな考えをもたらす作品だと思います。ただし、状況を事細かに説明してくれるタイプの映画ではないので、せめて小学生高学年くらいになってから観たほうが、自分なりに理解しながら観られるように思います。一方で、言葉ではない面から伝わってくるものも大いにあるので、親子で観て感想を語るなかで、一緒に考えを深めていく観方もオススメです。

『アダムの原罪』
2026年6月5日より全国順次公開
スターキャットアルバトロス・フィルム
公式サイト
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©DRAGONS FILMS – LES FILMS DU FLEUVE – LES FILMS DE PIERRE – LUNANIME – FRANCE 3 CINÉMA – BE TV & ORANGE – PROXIMUS – RTBF (TÉLÉVISION BELGE) – SHELTER PROD
TEXT by Myson
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情報は2026年6月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。






























