REVIEW

悪魔はいつもそこに

  • follow us in feedly
  • RSS
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』トム・ホランド

トム・ホランド、ビル・スカルスガルド、ライリー・キーオ、ロバート・パティンソン、ミア・ワシコウスカ、ジェイソン・クラーク、セバスチャン・スタン、ハリー・メリングなど、キャストの豪華さにまず惹かれますよね。ストーリーとしては、“悪魔”とついているので、ホラー的な怖さもあるのかと思いきや、そういう怖さよりも人間の愚かさ、恐ろしさを描いた人間ドラマとなっています。ちょっとだけギョエッとなるシーンはありますが、そういったシーンよりも、人間の愚かさ、不完全さが際だって、“悪魔”とは何なのか、「悪魔はいつもそこに」というタイトルが意味するところは何なのかと、考えさせられます。観ようによってはすごく宗教的な話ですが、信仰心がなくても、辛い時に何かにすがりたくなる気持ち、自分のせいではない何かのせいにしたい気持ちなど、人間の普遍的な心情が生み出す罪を描いているので、誰が観てもある意味身近なストーリーに思えるでしょう。
実力派俳優が勢揃いしていて、皆見事な演技を見せてくれますが、特にロバート・パティンソン、ジェイソン・クラークが演じるキャラクターの悪魔的な雰囲気はリアルで迫力があります。善人か悪人かを問わず、人間がどんどん道を踏み外していく姿を目撃してください。

デート向き映画判定
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』ライリー・キーオ/ジェイソン・クラーク

ロマンチックな展開もちらっと出てくるのですが、ストーリーの98%くらいは、辛い出来事で埋められているので(苦笑)、デートが盛り上がる内容とは言えません。吊り橋効果があるようなハラハラドキドキとはまた違って、ジワジワとくる心理的な怖さがあり、それぞれのキャラクターがどういう選択をするのかを見守りながら観るうちに、観る側も自分の心理の深いところに入っていくと思います。ですので、一人でじっくり観るほうが向いているでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』ビル・スカルスガルド

お化けの怖さとは違いますが、違う意味で怖い要素がいろいろと盛り込まれています。トム・ホランドが演じる主人公の幼少期から青年期を描いているので、キッズやティーンの皆さんは等身大で観られる部分もありますが、それよりも大人の怖さのほうに目が行くかも知れません。若い皆さんは、怖い大人に気を付けるために観るというスタンスでも良さそうです。

Netflix映画『悪魔はいつもそこに』トム・ホランド/ビル・スカルスガルド/ライリー・キーオ/ロバート・パティンソン/ミア・ワシコウスカ/ジェイソン・クラーク/セバスチャン・スタン

『悪魔はいつもそこに』
2020年9月16日よりNetflixにて配信開始
公式サイト

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー THE MONKEY/ザ・モンキー【レビュー】

怖いはずなのにどこか可笑しい絶妙なバランスの本作は、スティーヴン・キングの短編を原作としています…

映画『戦争と女の顔』ヴィクトリア・ミロシニチェンコ ヴィクトリア・ミロシニチェンコ【ギャラリー/出演作一覧】

1994年5月17日生まれ。ロシア出身。

映画『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー 『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー

フランスで3週連続NO.1(仏映画興収/実写映画において)を獲得し、260万人動員の大ヒットを記録した話題作『ファンファーレ!ふたつの音』。今回は本作のエマニュエル・クールコル監督にインタビューさせていただきました。

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー
  2. 映画『ひゃくえむ。』
  3. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  4. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  5. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP