REVIEW

居眠り磐音

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『居眠り磐音』松坂桃李

時代劇と言えば、どっぷり武士道を描いたもの、悲恋を描いたもの、政治を描いたものと、それぞれに特化した作品はたくさんありますが、本作はその3要素をバランス良く盛り込んだ作品です。和やかに始まったと思ったら、冒頭からドラマ的にショッキングで、アクション的にも激しいシーンがあり、ベースにはラブストーリーが流れつつ、中間は金融問題を軸に物語が進んでいくので、観る者を飽きさせません。1点だけ、「結局あれは何だったの?」というポイントがあり、原作では語られているのか、もともとそれほど伏線ではなかったのかが気になるところですが、一つひとつの出来事が磐音(いわね)という1人の男の人生を変え、こういうことになりましたとシンプルに解釈してしまうのもアリなので、考え過ぎずにフラットに観てもらうほうが良さそうです。
殺陣のシーンも要所、要所で見せ場を作っているので、アクション映画としても見応えがあります。磐音のキャラクターも魅力的で、まっすぐでとても穏やかな性格でありながら、一度剣を振るうと圧倒的な強さを発揮する姿は、そのギャップに男女問わず心を掴まれるはず。金融問題を解決していくカラクリも痛快です。やはりお侍が主人公というところで男性ウケが良さそうに思えますが、松坂桃李が主演を務め、ラブストーリーの要素がベースにあるので、女性でも楽しめます。

デート向き映画判定
映画『居眠り磐音』松坂桃李/芳根京子

本作は、ちょっとした誤解から大きな問題に発展してしまい、恋愛だけでなく人生も思わぬ方向に進んでいく様子が描かれています。でも、時代劇ということで一定の距離感を持って観られるので、生々しくて気まずいということもなく、キャラクター達の失敗から学べる部分があるので、デートで観るのも良いと思います。周囲の声に翻弄されて、恋愛がうまくいかないなと悩んでいるカップルには特にオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『居眠り磐音』松坂桃李/柄本佑/杉野遥亮

殺陣のシーンがしっかり描かれている分、キッズにはちょっと刺激が強いかも知れません。金融問題のところも、取引や駆け引きを数字的に理解できたほうが物語についていけるので、全体的に考えて、せめて中学生以上になってから観たほうが楽しめると思います。男の友情、姉妹の絆なども描かれているので、皆さんの世代に響く要素も見つけられるでしょう。

映画『居眠り磐音』松坂桃李/木村文乃/芳根京子/柄本佑/杉野遥亮/佐々木蔵之介/陣内孝則/谷原章介/中村梅雀/柄本明

『居眠り磐音』
2019年5月17日より全国公開
松竹
公式サイト

© 2019映画「居眠り磐音」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ドライブ・イン・マンハッタン』クリスティ・ホール監督インタビュー 『ドライブ・イン・マンハッタン』クリスティ・ホール監督インタビュー

ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの2人芝居で魅せる『ドライブ・イン・マンハッタン』で監督、脚本を務めたクリスティ・ホールさんにオンラインでインタビューをさせていただきました…

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン 愛を耕すひと【レビュー】

イダ・ジェッセンによる史実に基づく歴史小説“The Captain and Ann Barbara(英題)”を原作に…

映画『嘘喰い』白石麻衣 白石麻衣【ギャラリー/出演作一覧】

1992年8月20日生まれ。群馬県出身。

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』来日スペシャルレッドカーペットイベント:ティモシー・シャラメ ボブ・ディランの音楽がいかに僕にインパクトを与えたかわかるはず『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ティモシー・シャラメ来日

第97回アカデミー賞8部門にノミネートされている『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメが来日…

映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー 『ロングレッグス』トークイベント付き試写会 5組10名様ご招待

映画『ロングレッグス』トークイベント付き試写会 5組10名様ご招待

映画『ブルータリスト』エイドリアン・ブロディ/フェリシティ・ジョーンズ ブルータリスト【レビュー】

タイトルになっている“ブルータリスト”は「残忍な」という意味の単語ですが、“ブルータリズム”と呼ばれる建築様式にもかけて付けられていると考えられます…

映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ 『TATAMI』ムビチケオンライン券 3名様プレゼント

映画『TATAMI』ムビチケオンライン券 3名様プレゼント

映画『セプテンバー5』ジョン・マガロ/レオニー・ベネシュ セプテンバー5【レビュー】

ミュンヘンオリンピック開催中の1972年9月5日、パレスチナ武装組織“黒い九月”はイスラエル選手団を人質にとりました。本作は、その事件が発生してから終結するまでを中継…

映画『ディックス!! ザ・ミュージカル』ネイサン・レーン/メーガン・ムラーリー メーガン・ムラーリー【ギャラリー/出演作一覧】

1958年11月12日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。

映画『映画を愛する君へ』 ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き27】2025年1月後半から2月初旬「気になる映画とオススメ映画」

2025年1月は注目して欲しい作品が多く、今回もたくさんの作品についておしゃべりしました。僭越ながらマイソンが研究している“SEL(社会性と情動の学習)と映画”というテーマにも少し触れさせていただきました。

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

映画『ベルヴィル・ランデブー』 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.3

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダーほか トーキョー女子映画部が選ぶ 2024年ベスト10&イイ俳優MVP

毎年恒例のこの企画では、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

REVIEW

  1. 映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン
  2. 映画『ブルータリスト』エイドリアン・ブロディ/フェリシティ・ジョーンズ
  3. 映画『セプテンバー5』ジョン・マガロ/レオニー・ベネシュ
  4. 劇場版『トリリオンゲーム』目黒蓮/佐野勇斗/今田美桜/福本莉子/吉川晃司
  5. 映画『大きな玉ねぎの下で』神尾楓珠/桜田ひより

PRESENT

  1. 映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー
  2. 映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ
  3. 映画『フライト・リスク』マーク・ウォールバーグ
PAGE TOP