REVIEW

おんどりの鳴く前に【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『おんどりの鳴く前に』ユリアン・ポステルニク

REVIEW

ルーマニア・アカデミー賞で6冠に輝いた本作は、静かに始まり激しく終わる、独特なテンションが印象的です。主人公は、第2の人生を始めようとしている警察官のイリエ(ユリアン・ポステルニク)。彼は果樹園を営み、静かに暮らしたいと考えながら、まだ警察官として働いています。一見のんびりとした村では、警察の出番も少ないなか、正義感に燃える新人警察官、ヴァリ(アンゲル・ダミアン)がイリエの部下になります。そして、ちょうどその頃、村で一人の男性が死亡。その真相を巡り、イリエとヴァリは思わぬ運命に巻き込まれていきます。

映画『おんどりの鳴く前に』アンゲル・ダミアン

心は既に果樹園にあり、警察官としての情熱を失ったイリエが第2の人生を送れるのかどうか気にしながら観ていたら、途中からそんな話はどうでもよくなる強烈な展開が出てきます。そして、事件の真相が見えてくると、村の異常さが浮き彫りにされてきて、どんどん恐ろしくなってきます。

映画『おんどりの鳴く前に』ユリアン・ポステルニク

一方で、イリエの背景も徐々に明かされていき、始めのうちはパッとしない人物に見えたイリエに対する印象は変わってきます。そして迎えるクライマックスでは「えええええーーーー!」となりますよ。あまりの急展開と激しい描写で終わる潔さが魅力的な作品です。

デート向き映画判定

映画『おんどりの鳴く前に』ユリアン・ポステルニク

ロマンチックなムードに浸れるような作品ではないものの、良い意味でクセの強い作品なので、鑑賞後の会話は楽しめそうです。ただ、痛々しいシーンが出てくるので、普段あまり映画を観ない相手を誘うには不向きでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『おんどりの鳴く前に』クリナ・セムチウク

PG-12なので、大人と一緒なら小学生も観られるとはいえ、刺激が強いシーンもあるので、せめて中学生くらいになってから自分で興味を抱いた時に観るほうが良いでしょう。言葉では言い表せないような激しさとエネルギーを感じる作品です。何だかわからない勢いに呑まれるおもしろさを味わってください。

映画『おんどりの鳴く前に』

『おんどりの鳴く前に』
2025年1月24日より全国順次公開
PG-12
カルチュアルライフ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2022 Papillon Film / Tangaj Production / Screening Emotions / Avanpost Production

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』アリシア・ヴィキャンデル/ジュード・ロウ ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻【レビュー】

REVIEW政治的手腕を発揮しながらも、暴君としてイギリス史に悪名を刻んだヘンリー8世には…

映画『聖なるイチジクの種』ソヘイラ・ゴレスターニ/マフサ・ロスタミ/セターレ・マレキ 聖なるイチジクの種【レビュー】

REVIEWイランでは2022年に、ある若い女性がヒジャブ(髪の毛を覆う布)を付けておらず…

映画『コメント部隊』ソン・ソック コメント部隊【レビュー】

情報社会になった現代、大きな組織による世論操作が行われているのではないかと…

映画『リアル・ペイン〜心の旅〜』キーラン・カルキン キーラン・カルキン【ギャラリー/出演作一覧】

1982年9月30日生まれ。アメリカ出身。

映画『ドライブ・イン・マンハッタン』クリスティ・ホール監督インタビュー 『ドライブ・イン・マンハッタン』クリスティ・ホール監督インタビュー

ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの2人芝居で魅せる『ドライブ・イン・マンハッタン』で監督、脚本を務めたクリスティ・ホールさんにオンラインでインタビューをさせていただきました…

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン 愛を耕すひと【レビュー】

イダ・ジェッセンによる史実に基づく歴史小説“The Captain and Ann Barbara(英題)”を原作に…

映画『嘘喰い』白石麻衣 白石麻衣【ギャラリー/出演作一覧】

1992年8月20日生まれ。群馬県出身。

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』来日スペシャルレッドカーペットイベント:ティモシー・シャラメ ボブ・ディランの音楽がいかに僕にインパクトを与えたかわかるはず『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ティモシー・シャラメ来日

第97回アカデミー賞8部門にノミネートされている『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメが来日…

映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー 『ロングレッグス』トークイベント付き試写会 5組10名様ご招待

映画『ロングレッグス』トークイベント付き試写会 5組10名様ご招待

映画『ブルータリスト』エイドリアン・ブロディ/フェリシティ・ジョーンズ ブルータリスト【レビュー】

タイトルになっている“ブルータリスト”は「残忍な」という意味の単語ですが、“ブルータリズム”と呼ばれる建築様式にもかけて付けられていると考えられます…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

映画『ベルヴィル・ランデブー』 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.3

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダーほか トーキョー女子映画部が選ぶ 2024年ベスト10&イイ俳優MVP

毎年恒例のこの企画では、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

REVIEW

  1. 映画『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』アリシア・ヴィキャンデル/ジュード・ロウ
  2. 映画『聖なるイチジクの種』ソヘイラ・ゴレスターニ/マフサ・ロスタミ/セターレ・マレキ
  3. 映画『コメント部隊』ソン・ソック
  4. 映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン
  5. 映画『ブルータリスト』エイドリアン・ブロディ/フェリシティ・ジョーンズ

PRESENT

  1. 映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー
  2. 映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ
  3. 映画『フライト・リスク』マーク・ウォールバーグ
PAGE TOP