REVIEW

WAVES/ウェイブス

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『WAVES/ウェイブス』ケルヴィン・ハリソン・Jr/テイラー・ラッセル

2部構成となっている本作の前半は“タイラーの罪”と題して、裕福な家庭に長男として生まれたタイラーの物語が綴られています。一家が裕福であるのは父の苦労と努力のおかげということがひしひしと伝わってきますが、だからこそ父は長男であるタイラーに対してとても厳しく接します。そんなタイラーはレスリングのスター選手でしたが、肩の故障が判明。でも、父や周囲の期待を考えたら無理をせざるを得ない状況で、どんどんと追い詰められていきます。さらに別の大きな問題が発生し、タイラーの人生の歯車は一気に狂い始めます。一方、後半で描かれる“エミリーの愛”と題したストーリーは、様相が一変します。兄に起こった問題が妹のエミリーにも当然ながら影響しますが、妹は妹で人生を取り戻していきます。
この2つのストーリーは、向かう方向が全く別なのですが、強い愛が鍵となっているのは同じです。ではなぜ同じ愛でもこうも違ってしまったのか。その答えは、男女の恋愛と、親子愛が描かれた兄と妹の2つの物語を観ることで得られるのではと思います。悪意ではなく愛によっても、人は壊れていく。でも同時に、愛によって人は救われることもある。そんな愛の裏表を描いた作品です。そして、本作にはトレイ・エドワード・シュルツ監督が厳選した名曲がたくさん使われている点も魅力です。映画公式サイトには、プレイリストが載っているのでぜひチェックしてみてください。

デート向き映画判定
映画『WAVES/ウェイブス』ケルヴィン・ハリソン・Jr/テイラー・ラッセル

恋愛の切ない部分と幸せな部分の両方が描かれていて、恋愛中の人にとっては、とても感情移入しやすいでしょう。反面教師として観る部分も出てくるかも知れませんが、全体的には人の優しさに溢れたストーリーなので、観終わった後にお互いに優しくなれそうです。アツアツのカップルにも、友達以上恋人未満のカップルにも観て得られるものがあると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『WAVES/ウェイブス』ルーカス・ヘッジズ

恋愛についても、親子関係についても、特にティーンの皆さんにとって等身大で観られるストーリーです。1人で悩みを抱えている人はタイラーの状況を観て、自分はどうすべきか客観的に考えられそうだし、孤独な学生生活をしているようなら、エミリーの姿を観て希望が持てるでしょう。友達と観に行くのも良いですし、親子で観るのも良いと思います。

映画『WAVES/ウェイブス』ケルヴィン・ハリソン・Jr/テイラー・ラッセル

『WAVES/ウェイブス』
2020年7月10日より全国公開
PG-12
ファントム・フィルム
公式サイト

©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.

TEXT by Myson

関連記事

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『次元を超える』窪塚洋介/松田龍平 次元を超える【レビュー】

キービジュアルとタイトル、「人はどこから来て、どこへ行くのか」という意味深なキャッチコピーだけで観たくなったのは…

映画『見はらし世代』黒崎煌代 黒崎煌代【ギャラリー/出演作一覧】

2002年4月19日生まれ。兵庫県出身。

映画『ヒポクラテスの盲点』 ヒポクラテスの盲点【レビュー】

新型コロナウイルスワクチンの被害が起こっている現実に着目した、中立した立場の取材に基づくドキュメンタリー…

映画『ファンファーレ!ふたつの音』ピエール・ロタン ピエール・ロタン【ギャラリー/出演作一覧】

1989年6月20日生まれ。フランス出身。

映画『トロン:アレス』ジャレッド・レト トロン:アレス【レビュー】

本シリーズ1作目『トロン』(=『トロン:オリジナル』)は1982年、『トロン:レガシー』は2010年に作られ、本作はシリーズ3作目となります…

映画『層間騒音』イ・ソンビン 層間騒音【レビュー】

冒頭から不可解な現象が映し出され、観る側はゾワゾワさせられながら騒音の原因を想像することになるわけですが…

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ミア・スレアプレトン ミア・スレアプレトン【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月12日生まれ。イギリス出身。

韓国ドラマ『TWELVE トゥエルブ』マ・ドンソク/パク・ヒョンシク/ソ・イングク/ソン・ドンイル/イ・ジュビン/コ・ギュピル TWELVE トゥエルブ【レビュー】

マ・ドンソク、パク・ヒョンシク、ソ・イングクなど人気俳優が出演する本作は、十二支をモチーフにした守護神達…

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『秒速5センチメートル』松村北斗/高畑充希 秒速5センチメートル【レビュー】

本作は、新海誠監督が33歳の時に作った同名アニメーション作品を、33歳(撮影当時)の奥山由之監督が実写化…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. AXA生命保険お金のセミナー20251106
  2. 映画学ゼミ:アイキャッチ1/本の上の犬と少女
  3. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃

REVIEW

  1. 映画『次元を超える』窪塚洋介/松田龍平
  2. 映画『ヒポクラテスの盲点』
  3. 映画『トロン:アレス』ジャレッド・レト
  4. 映画『層間騒音』イ・ソンビン
  5. 韓国ドラマ『TWELVE トゥエルブ』マ・ドンソク/パク・ヒョンシク/ソ・イングク/ソン・ドンイル/イ・ジュビン/コ・ギュピル

PRESENT

  1. 映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ
  2. AXA生命保険お金のセミナー20251106
  3. 映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太
PAGE TOP