REVIEW
フローレンス・ピューとアンドリュー・ガーフィールドが主演、『ブルックリン』のジョン・クローリー監督作というだけで観たいと思う条件を満たしているので、あらすじなど他の情報を一切入れずに観ました。もちろんあらすじを知った上で観ても楽しめるとは思うので皆さんご自由にという前提ながら、時間軸の見せ方を駆使した編集の巧さも実感したいなら、何も知らずに観たほうが堪能できます。

本作は、アルムート(フローレンス・ピュー)とトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)の関係性の変化について、現在と過去を行ったり来たりしながら描いています。最初は仲睦まじい姿から映されつつ、2人の出会いから現在までの出来事が明かされると、お互いに衝突と歩み寄りを経てきたことがわかります。

それぞれが人生の大きな転機を経験した上で確固たる価値観を持っているなか、カップルとして、自分の意思か相手の意思のどちらかを優先しなくてはいけない難しい局面に何度も遭遇します。そんな時に、未来や過去ばかりに目を向けるのではなく、“今”を大切にする姿勢にとても共感します。そして、こうした姿が描かれていることから、『We Live in Time この時を生きて』というタイトルの意味に納得します。

本作を観ていると、私達は時に未来に、時には過去に意識が向きがちになっていると気づかされます。未来や過去に囚われるのではなく、“今”自分はどうしたいのか、“今”相手はどうして欲しいのかを大切にすることで、予想外の幸せが見つかることもあると、本作は教えてくれます。また、確固たる価値観があっても、それを変えてでも守りたい関係ができることもあるのだと教えてくれます。途中で出てくるアルムートの意外な過去が、結末に大きな意味を与えていて、彼女が過去に感じた愛が“逆の立場”になった時に大きな気づきを与える様子に胸を打たれます。また、女性は特に自分の生き方について考えさせられるポイントが出てきます。もしも、アルムートの決断と、自分がとるであろう選択と異なっていても、その時、その瞬間に大切なものを直感で選ぶという姿勢には誰もが共感できるのではないでしょうか。
デート向き映画判定

カップルが出会ってから直面するであろう数々の出来事を疑似体験できるので、それぞれの価値観を話し合う機会にできるのではないでしょうか。初デートで観るには逆にテーマが深過ぎると感じる可能性はあるものの、真剣交際を続けるつもりなら、一緒に観る意義は大きいでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

大人の恋愛を描いてはいるものの、何を大切にするかという点は、生涯を通して築かれる部分なので、ティーンの皆さんはこれからの人生をイメージしながら、自分ならどうするか考えながら観られると思います。さすがに小学生以下の皆さんにはまだピンとこないとは思いつつ、キーパーソンとなる子どもの目線で観て、大人になってから再度観てみると、それぞれ違った感覚で気づくことがありそうです。

『We Live in Time この時を生きて』
2025年6月6日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2025年6月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
