REVIEW
平凡なサラリーマンが夢のマイホームを手に入れるという設定は日本でも身近なので、他人事として観られない方もいるかもしれません。平凡なサラリーマンのウソン(カン・ハヌル)は、マンションの一室を手に入れるために、あらゆる手で資金を集めます。でも、やっと手に入れた部屋では、騒音問題に悩まされることに。おまけに騒音を出しているのは自分だと濡れ衣を着せられます。

本作の一つ目の見どころは、ウソンの財テクの行方です。資産を全部投入してマンションを買うばかりでなく、他にもハラハラドキドキさせられる展開が出てきます。2つ目の見どころはマンションの騒音問題です。どこから誰が騒音を出ているか、何のためにそんなことをしているのかが謎としてあがり、ウソンは自分への疑いを晴らすために動きます。日本でも騒音問題から事件に発展したケースがあり、過去のニュースが頭に浮かびました。とても、他人事としては観られません。賃貸なら引っ越せばいいですが、買ってしまったマンションだと引越しは厳しいので、ウソンの立場を思うと本当にやるせない気持ちになります。

また、騒音問題の謎がわかったらわかったで、別の恐怖が襲いかかります。本当に踏んだり蹴ったりのウソンを観ていると、どうにか解決して欲しい気持ちになるはず。八方を塞がれたウソンはどんな選択をするのか、最後まで目が離せません。欲を出すと大損をするかもしれないと、反面教師としても観られます。カン・ハヌル、ヨム・ヘランの名演もご堪能ください。
デート向き映画判定

ロマンチックなムードになる要素は全くありませんが、これから一緒に住もうとしているカップルは部屋の選び方や、賃貸か購入かを選択する際の意見交換のきっかけに観るのもアリでしょう。こんな事態にはならないとしても、騒音問題を含むご近所トラブルにどこまで我慢できるか、情報共有しておくと良いのではないでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

たかが騒音問題、されど騒音問題で、騒音問題は、お互いにとって大きなストレスになることがわかります。ティーンの皆さんは近い将来一人暮らしをする可能性もあると思うので、本作を観てご近所トラブルのパターンを予習しておくのも良さそうです。たとえ賃貸でもご近所さんがどんな人か、事前に知っておくことが大切だと実感できるでしょう。

『84m²』
2025年7月18日よりNetflixにて配信中
R-16+
公式サイト
TEXT by Myson
