REVIEW

Back to Black エイミーのすべて【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ

REVIEW

類稀な才能を持つ歌姫エイミー・ワインハウスは、2011年7月、27歳の若さで逝去しました。本作のタイトルは、彼女が恋人ブレイクとの失恋を歌にした“バック・トゥ・ブラック”と同じです。そして、本作は恋人ブレイクとの恋愛を軸に描かれています。
10代で歌手デビューを果たしたエイミー(マリサ・アベラ)は、出だしは好調ながら、アメリカ進出がまだ叶わず、悔しい思いを抱えてバーに入ります。その時、ブレイク(ジャック・オコンネル)と出会い、2人は恋に落ちるものの、ブレイクは元カノとヨリを戻します。でも、2人の関係はそこで終わらず、後にエイミーの運命を大きく狂わせることになります。

映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ

エイミーが酒と薬物依存症だったことは当時報道されていました。でも、詳しい背景は本作を観て知る方もいるでしょう。本作を観ると、エイミーは純粋に恋する女の子だったのだとわかります。恋愛に夢中になる年頃というのもあったかもしれません。いずれにしても、彼女にとって、ブレイクとの恋愛は周囲が考える以上に大きかったであろうことが、本作のストーリーから伝わってきます。
そして、歌手としてのプライドを感じられるものの、スターになることに執着し過ぎることもなく、すごく野心があるというよりは、本当に才能に恵まれ、ある意味流れに身を任せているようなスタンスだったからこそ、飾らない自然体の彼女の魅力がそのまま歌に表れていたようにも感じます。また、歌手として大成するよりも、妻となり母となることに強い憧れを持っていたと感じるシーンが複数あり、皮肉な運命が印象に残ります。
エイミーは一見破天荒でありながら、すごく繊細だったであろうことも本作を観ると伝わってきます。だからこそ、誰もが感じるリアルな心情がそのまま歌に乗り、人の心を動かしたのかなと思います。歌詞のユーモアは彼女の寂しさ、苦しさを隠していたのかもしれないとも思えて、本作を観ることで、彼女の歌がさらに深いものに感じます。

デート向き映画判定

映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ

エイミーとブレイクの恋愛は、とてもロマンチックな部分があるものの、反面教師として参考にするべき部分のほうが多いと思います。お互いを高め合うより、共に堕落していく関係であり、気分の浮き沈みが激しく、辛い恋愛です。同じような状況に陥っている自覚がある方は、1人でじっくり観て、今後の身の振り方を検討するのも良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ/エディ・マーサン

エイミーの10代から20代にかけての物語なので、ティーンの皆さんは近い感覚で観られる部分がありそうです。人によっては、恋愛が最優先される場合もあるでしょう。お互いにとって、一緒にいることが良くないとわかっていても、離れられない関係もあります。恋愛の複雑さを知る参考にできると思います。

映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ

『Back to Black エイミーのすべて』
2024年11月22日より全国公開
PG-12
パルコ、ユニバーサル映画
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2024 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー THE MONKEY/ザ・モンキー【レビュー】

怖いはずなのにどこか可笑しい絶妙なバランスの本作は、スティーヴン・キングの短編を原作としています…

映画『戦争と女の顔』ヴィクトリア・ミロシニチェンコ ヴィクトリア・ミロシニチェンコ【ギャラリー/出演作一覧】

1994年5月17日生まれ。ロシア出身。

映画『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー 『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー

フランスで3週連続NO.1(仏映画興収/実写映画において)を獲得し、260万人動員の大ヒットを記録した話題作『ファンファーレ!ふたつの音』。今回は本作のエマニュエル・クールコル監督にインタビューさせていただきました。

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』クリスチャン・コンヴェリー
  2. 映画『ひゃくえむ。』
  3. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  4. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  5. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP