REVIEW
「ベートーヴェンにまつわる実話なのに邦画なの!?」と思われる方は少なくないはず。でも、本作はそんな心配を見事に払拭してくれます。かげはら史帆著「ベートーヴェン捏造名プロデューサーは嘘をつく」を原作とする本作の脚本を手掛けるのはバカリズム。そして監督は、『地獄の花園』でもバカリズムと組んだ関和亮が務めています。2人の再タッグで作られたと知れば、ユーモアたっぷりの作品だと想像できるでしょう。

物語の舞台は2つあって、同時進行で進んでいきます。ベートーヴェンにまつわる実話なので、もちろん当時のエピソードに登場するキャラクターは欧米人です。誰が誰を演じているのか知らずに観たほうが出落ちでクスッと笑えるので、本編を観る前に一旦忘れましょう(笑)。

ベートーヴェンほど有名な偉人にはさまざまな逸話があり、私達はそれを学校などで習って信じてきました。でも、本作を観ると驚きの真相の数々を知ることになります。そうしたベートーヴェンにまつわるエピソードそのものもおもしろいと同時に、バカリズム独特のノリも本作の見どころです。さらに、とても勉強になる問いが投げかけられていて、一粒で何度も美味しい作品となっています。

山田裕貴、古田新太、染谷将太、神尾楓珠、前田旺志郎、小澤征悦、生瀬勝久など、メインキャラクターだけでも豪華キャストながら、チラッと出てくるだけのキャラクターにも贅沢な配役が施されています。同時にキャラクターそのものも、名だたる音楽家がズラッと登場するのでテンションが上がりますよ。前情報を極力入れずに観るほうが嬉しい仕掛けに都度テンションが上がるので、もうこれ以上は書かずに、とにかく観てとだけお伝えしておきます(笑)。
デート向き映画判定

デートで観ても全く気まずくならず、クスッと笑えるシーンが豊富なので、緊張しがちな初デートでも和んだ雰囲気になれるでしょう。見どころが豊富なので、クラシック音楽好きのカップルや、お笑い好きのカップル、西洋史が好きなカップルはもちろん、お互いの趣味が異なっても、それぞれの視点で楽しめます。だから、お互いに誘いやすいですよね。
キッズ&ティーン向き映画判定

歴史を描いた作品は小難しそうにみえる場合があるものの、本作はとてもコミカルに描かれていて、シンプルなストーリーなので、年齢を問わず楽しめます。偉人の逸話がどう言い伝えられてきたかなんて、考える機会はあまりないものの、本作は、今まで鵜呑みにされてきたであろうことに対して疑問を投げかける内容となっています。歴史の勉強になるだけではなく、歴史を批判的に観る機会にもなるので、ぜひご覧ください。

『ベートーヴェン捏造』
2025年9月12日より全国公開
松竹
公式サイト
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TEXT by Myson
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「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」かげはら史帆 著/河出文庫
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情報は2025年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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